新・徒然煙草の咄嗟日記

つれづれなるまゝに日くらしPCにむかひて心に移りゆくよしなし事をそこはかとなく紫煙に託せばあやしうこそものぐるほしけれ

新装「ミュージアムシアター」を楽しんだ!(中編)

2013-02-02 14:34:11 | タウンウオッチング

「新装『ミュージアムシアター』を楽しんだ!(前編)」のつづきです。


いま、東京国立博物館(東博)ミュージアムシアターでは2本のVR(バーチャルリアリティ)作品が上映(上演?)中です。
1本は先日観た「洛中洛外にぎわい探訪 舟木本屏風を歩く-京のごちそう-」で、もう1本は「アンコール遺跡バイヨン寺院 -尊顔の記憶-」。どちらも3月31日まで休館日と火曜日を除く毎日上映されておりまして、結局は両方とも観ることになるでしょうけれど、先にどちらを観るか検討の結果、より興味のある「洛中洛外にぎわい探訪 舟木本屏風を歩く-京のごちそう-」を選んだ次第です。


130202_1_01 この作品は、フライヤーから要約しますと、「滋賀県は舟木家に伝承し、現在は東京国立博物館が所蔵する重要文化財『洛中洛外図屏風(舟木本)』」を高精細にデジタル化し、この屏風に描かれた「2,500人におよぶ各層各種の生命力に溢れた人々の姿」から「京(みやこ)の文化と生活模様」を読み取ろうというもの。


300インチの大画面、4Kの高精細画像で観る洛中洛外図屏風(舟木本)は、400年前の京の都の人々の暮らしが甦るようで、何とも楽しいひとときでした。


楽しいだけでなく、「洛中洛外」「洛」がもとを辿ればなどの都だった「洛陽」を意味していること、この屏風絵が東寺(教王護国寺)の地点から北東方向を観る構図になっていることなど、「目からウロコ」話を仕入れることができたのは大きな収穫でした。


私、寡聞にして存じ上げなかったのですが、洛中洛外図屏風(舟木本)』」をクローズアップして「京(みやこ)の文化と生活模様」を読み解くVR作品はシリーズになっているようで、私が観た「洛中洛外にぎわい探訪 舟木本屏風を歩く-京のごちそう-」は、これまでのダイジェスト「京の見どころ」と、今回のメインテーマである「京のごちそう」の2部構成になっていました。
そして、過去にこのシリーズを観た方のブログを拝見すると、「洛」の話も「東寺からの眺め」という話も、以前から説明されていたようです。


でも、私自身の頭の整理のため、「洛」についてざっとおさらいしておきましょう。


平安京は、中国の都をお手本に長方形に造営され、南北に貫く朱雀大路を境に東側が「左京」西側が「右京」(右・左はみかどのおわす内裏から見た右・左)とされたことは学校で習ったと思います。


130202_1_03


上の画像は立命館大学が公開している「バーチャル京都3Dマップ」で見た平安時代の京(みやこ)の姿で、真ん中の大きな通りが、平安京の中央を貫いていた朱雀大路です。

そして、平安京に遷都(もちろん「坊さん泣くよ(794)平安遷都」)した桓武天皇の第二皇子で第52代天皇になった嵯峨天皇三筆の一人としても有名)が右京を「長安」左京を「洛陽」と名付けたのだそうな。


ところで、平安京の条坊現代の地図に重ね合わせたらどうなるでしょうか?


ネットで捜すと、こんな見事なサイトに行き着きました


130201_2_02


これでみると、京都の中心部平安京の中心から大きく東に移動していることが判ります。

御所なんぞは、もとは平安京の中心軸上にあったのに、平安京の北東端に移動してしまっています。北東ったら、このブログでは何度も書いた「艮(うしとら)」鬼門にあたります。
こちらの記事を思い出しますなぁ…


どうしてこんなことになったかといいますと、「長安(右京)」は湿地が多くて住みづらいものだから、次第に廃れていったことに加え、内裏も、Wikipediaによれば、


平安京内裏は天徳4年9月23日(960年10月16日)の火災で全焼したあと、幾度も火災に見舞われ、やがて里内裏が現れてくると天皇はもっぱらそちらに常住するようになり、内裏の意義は低下してくる。平安宮の内裏は鎌倉時代に焼亡したのち再建されることはなく、南北朝以後は内裏の東に位置する里内裏であった土御門東洞院殿(つちみかどひがしのとういんどの)が御所となり、近世になってその内域に紫宸殿、清涼殿などが復元された。現在の京都御所がこれである。


とのこと。


130202_1_04 ちなみに、かつての朱雀大路は現在の千本通に当たるそうで、一昨年4月に梅小路蒸気機関車館(まさしく朱雀大路跡の上にある)に出かけたとき(記事はこちら)、梅小路公園でこんな説明板を見かけました。


平安時代の条坊制を頭に置けば、京都の(現在の)中心から見れば南西にある教王護国寺東寺と呼ばれることも理解できますなぁ


そういえば、京急の北品川駅は、品川駅にあります。
これは、そもそも現在の品川駅名前がおかしくて(なにせ品川区ではなく港区にある)、東海道の品川宿は、京急の北品川駅新馬場駅青物横丁駅にかけての場所にあったわけで、「北品川駅」はその名のとおり、「品川宿で一番北にある駅」なんですな。

もっとも、「品川駅」の駅名の由来については諸説あるようで、興味のある方はこちらのサイトをどうぞ


品川宿のことを書いているうちに、久しぶりに「幕末太陽傳」を観たくなってきてしまいました


幕末太陽傳 デジタル修復版 Blu-ray プレミアム・エディション <nobr>幕末太陽傳 デジタル修復版</nobr>
<nobr> Blu-ray プレミアム・エディション</nobr>

価格:¥ 6,090(税込)
発売日:2012-06-02

平安京の中心軸が東に移動したように、話が京の都から品川にずれてしまいましたので、ここで一息入れさせていただきます

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする