A350-1000

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操縦士のいない民間機

2011-11-19 | 航空機

操縦士のいない民間機について、
時折議論が出ます。


・昨今の航空インシデントはヒューマンエラーが多い


という論点です。


ヒューマンエラーが起きるのであれば、
人に任せなければいいのでは?
という論拠です。


実はここに論理の飛躍があります。


「人工知能は現時点では一般の自然人より遙かに判断能力が劣る」
という事実です。


則ち「人工知能が判断を行うと、訓練されたパイロット2名より遙かに判断力が劣る」
という事実が浮かび上がります。


そしてもう一点、
遠隔で操縦してしまえば
交代要員の準備も必要ない上ハイジャックの危険もない
というものです。


実はここにも落とし穴があります。


・個々の機体には癖があり、パイロットは修正しながら飛んでいる
(アドテク機ではその修正もだいぶFMS等で吸収されていますが)


・気象条件は遠隔では判断しにくいものがまだ相当ある
(散見されるクリアエアタービュレンスなど)


・遠隔にすると本当にハイジャックは起きないのか?
(その点も疑問です)


・乗客の安全を預かるパイロットが乗客の近辺にいない
(キャビンの状態把握や急病人発生時の判断など)


遠隔操縦はかなり理想化された条件が前提の
爆撃機などでやっと実現できるものです。



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