今宵も劇場でお会いしましょう!

おおるりが赤裸々に綴る脱線転覆の感想記!(舞台やライブの感想です)

「モーツァルト!」11/24夜

2007年11月24日 00時05分45秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
好きだーーっ、「モーツァルト!」
好きだーーっ、中川晃教くん

と叫んでみました(笑)
もう、あっきーったら、最高!

24日の夜は、初日に衝撃だったグレーのスウェットパンツ姿も、この際許しましょう!ってくらいに良かったです
ピアノに向かうあっきーの真剣な表情が一階席の間近で観るとなかなか素敵
よく見たら、ところどころハンサムかもぉ~~
歌や演技も後半ラストに進むにつれ、胸に迫って引きこまれずにはいられません。
ああ、本当に良かった、良い舞台で。

hiroもね、初日の感想でも言ったけど、後半の歌が良いです
この人って歌い手さんなんだなぁ、やっぱり。
演技はどうであれ歌でちゃんと表現してる。
「ダンスはやめられない」では、叫びたいほどの孤独が伝わってきて、私はこの歌で始めて泣いてしまいましたよ。

それに歴代のコンスだと「主婦なんてできない」とか言われちゃうと、「やりゃあ、できるでしょうが!」と思わなくもないのに、hiroコンスだと「そうよねぇ、一人ぼっちでそんなのできないよね、ダンスにも行きたくなるよね」って、なんか天才の夫に取り残された寂しさに同情しちゃうし、あの精神的な脆さ幼さはいじらしいです。

ナンネールとの嫁小姑歌合戦の場面(笑)も、父親が死んで「家族をないがしろにした」となじる義姉に対して「気にしないで」と歌いかけるのに、高橋さんに声量にも負けてないしちゃんと聞き取れて、あの場面が好きになりました。

あれ?今回はあっきーを褒めまくるつもりだったのにやっぱりhiroを褒めてる
とにかく、あっきーとは相性の良いコンスであることが何より嬉しいわ。

「カリギュラ」

2007年11月11日 00時08分13秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)
コクーン劇場へ「カリギュラ」を観に行ってきました。

これはね~、小栗旬祭りでした。
蜷川さん、どんだけ小栗くんが好きなんだ?ってくらいでしたね。

筋肉のパーツがお勉強できそうなくらい締まった身体に、前編にわたって小難しい長台詞。
おっ、こんな顔もできちゃうんだ?というような狂気の暴君を熱演していました。
そして、テレビでは映らなかった(映せなかった?)とんでもない衣装
ああ、もう!こんな格好までしますか??って感じ
小栗くん目当てで、オクで三倍四倍のチケットを落としたお姉さま方も、さぞかしご堪能なされたのではないかしら?

とはいえ、カリギュラなのにエロい場面がない
蜷川さんは、あっきー(いわずと知れた中川晃教さん)には「エレンディラ」で、これでもかとしつこくベッドシーンをさせておきながら、小栗くんにはなぜないんだ??……いや、それが目当てじゃないですけどね……それにSなカリギュラにまともなラブシーンも期待してませんが、エロもなければ残虐シーンもないのは肩透かしだったわね。
そりゃあ、残虐な王なんですけどね。
ほら、今時の舞台ってもっとこう、流血ドバァーーッ!だの、血反吐ゴボッ!だの、生首ゴロッ!!とかやるじゃない??
まあ、そういう残酷シーンや生の裸体に慣れちゃった私もなんだけど、カリギュラ観るんだったらそんな覚悟もするでしょうに。

まず、この本が面白くないと思う。
小栗くんはこのカミュの難しい長台詞をよくぞ覚えたな、とは思いますけどね。
蜷川さんは「難しい古典的セリフを小栗旬に言わせたら妙にリアリティがあって面白い」みたいなことをどこかで仰っていましたが、まあそうかもしれないけれど、カリギュラの狂気の長台詞は哲学に聞こえてしまう。
小栗くんの演技はエネルギッシュでそりゃあ魅力的だし、台詞まわしも上手かったけど、その熱演トーンが最初から最後まで同じように続くのね。
テレビじゃ見られない凄い狂気の表情も、前半と後半ではもっと変化した狂気の顔が見たかったのよ、私は。

カリギュラが暴君にならずにいられなかった必然性もあまり感じられなかったし、物語の一番の盛り上がりってどこでしたっけ?と思ってしまったほどに、展開がドラマチックじゃないんだわ。
愛する妹が死に、思い道理にならない世の中の不条理さに怒るカリギュラの狂気はわからないこともないんだけど、「狂気」大好きの私としては、その奥にある怒りだけじゃない哀しみも絶望も孤独も、ぐっと胸に迫ってこないのよね。
こういうネタって本当にすごくツボなんだけど……。

死をも支配し、不可能を可能にしたかったカリギュラ。
手に入らないものへの渇望が絶望へと化してしまったカリギュラ。
この世の最高権力を使い、人々を恐怖と絶望に落とし、彼はいったい何処へ向かっていこうとするのか……。
こんな美味しい題材で、しかも魅力的な小栗くんで……なのに、この不満足感ってなんなのよ?

なんかね、すごーく期待しすぎて観に行ったのがいけなかったのかなぁ……。
カリギュラが銅鑼を持ってきて叫ぶシーン、長い食卓に飛び乗って部下たちを脅すシーン、キョーレツに狂った女装姿……印象深いシーンはありましたけどね、では、感動シーンは?と聞かれると答えに困ってしまうわ。
残虐であればあるほど、その反面彼が痛ましくて泣けてくる、みたいな舞台かと思ったらそういうこともない。
泣ける人もいるでしょうけど、私は泣けないわ。
「グインサーガ」のイシュトのほうがよっぽど痛ましいもの。

ラストの滅多刺しにされるシーンも、
「あれだけ四方八方から指されたら死ぬでしょ、普通」というところで「俺は生きている!」って叫ぶのね。
だからこそ。
あれも、もっともっと息を呑むような感動のシーンにならないですかね? 滅多刺しはそうなる前に予測できちゃったし、「そういやたいして血も出てないようだけど?」なんて思っちゃったわ。
流血も壮絶さも足りないのよ、演出に。
いや、流血はどうでもいいわ。別に血が見たいわけじゃないし。
そうねぇ……思ったほど彼の最後が憐れに見えなかったのが残念だったかな。

なんだかなぁ……私の好みとしては、すごくもったいない舞台。
あくまでも私の好みだけど。
それとも安い三階席で遠かったから臨場感薄く感じたのかしら?
そういや一昨日感動した「レインマン」は前から四列目のセンターだったもんなぁ……うぅぅ……。
この舞台に三万、五万とオクで良席を落としたお姉さま方の感想が聞きたいです。

「レインマン」

2007年11月09日 00時11分25秒 | 観劇(ストレートプレイ/人形劇)
昨日8日はパルコ劇場へ「レインマン」を観に行ってきました。
出演 椎名桔平・橋爪 功・紺野まひる・佐藤 誓

これは昔、テレビで映画を見ましたが涙の感動作品でした。
そして舞台のほうはというと……わたしゃ、だだ泣きしましたよ
良い意味で一回観て十分満足できる舞台です。
設定を現代風にしていましたが、これは正解だったわね。
主人公の職業はネット・トレーディング(株取引)になりましたが、車のセールスマンよりさらに心が乾いている人のようでぴったり。
椎名桔平さんは、その孤独ながらも、どこか拗ねた大きな子供のような役柄を好演していましたが……まあー、天才型自閉症の兄さん役の橋爪さんがまた凄いんだわ
なにせ数字の天才ですからね、覚える台詞は脈絡もなく年号と人だったり、サッカーの試合の結果だったり、また延々と続く円周率だったりと、あれだけ大変な台詞をあのお歳で覚えるのはさぞかし大変だったでしょうね。
あれは「自慢してもいい」です
でも、あれがもし間違いだったとしても誰にもわからないわね?

二人の最初に心を通わせるサッカーのリフティングは楽しく、橋爪さんはボールをアゴにぶつけてしまって本当に痛そうでしたが、とても良いシーンでした。
この舞台の感動はやっぱり後半の二幕ですが、会場は鼻をすする音があちこちで聞こえました
ラストに向けて観客が流す涙の意味合いも微妙に変化するようで、ラストは暖かいけれど、どこか寂しさも残るいいラストだったと思います。
カーテンコールでその舞台の余韻や雰囲気を壊さずにいてくれたのも嬉しかったわ。
良い舞台を観て、たくさん泣かされました。

「ウェストサイド物語」

2007年11月03日 00時13分18秒 | 観劇(ミュージカル/音楽劇)
四季劇場・秋で「ウェストサイド物語」を観てきました。
四季の役者さんは足がよう上がるわ

たまに四季を観るとろくな感想が出てこない私だけどでもこの作品のようなミュージカルの基本中の基本みたいな舞台はやっぱり四季よね?
なにしろ楽曲が好き
幕が開く前のオケの音ですでにうるうるきちゃったわ。
本日はそういう感動体質の日だったのかもしれないけど、感動しました
何とかしてもう一度観たいわ~!四季なのに。

でね、この翻訳家も訳詩家もまちがいなく年寄りよね?
才能ある若手の翻訳家はいなのかって言いたくなるくらい古い言い回しやダサダサな歌詞がバシバシ登場しますが……まあ、いいでしょう。幅広い年齢層にお楽しみいただけるかと存じます。
そして、歌い方やセリフの言い方も、良いも悪いも四季だから四季なんだけど…じゃあ、誰に?っていうと、私が思いつく歌や演技の上手い役者さん達はあんな風に足が上がらないし、足が上がる人はこれを歌いこなせない。
まさに四季にぴったりの舞台だったわ

この物語はつまり「ロミオとジュリエット」のニューヨーク版なわけだけど、元祖のロミオって、はっきり言って好きじゃありません。どうしたって頭が軽い男にしか見えないもの。
でもこのトニーはなかなかイイ男です。
そしてマリアと二人で恋に落ちるのに理由なんか何もないのが良いわ。
出会った瞬間に恋に落ちる。その本能というべき恋は直情的で、二人の舞い上がり方は感動的。
そこで歌われる「マリア」も「トゥナイト」も本当に良い曲です。
だからこそ、人種差別の溝や人の憎しみが悲しすぎます。
若さゆえだけでない、人の持つ愚かしさ……。何年たってもこのテーマは消えないのよね。
そういえば、この秋は人種差別を盛り込む舞台や映画をいくつか観ましたが、この舞台が一番哀しく思えました。四季の舞台で涙をこぼしたのは初めてかも。


あら、私ったら今日はすごーく四季を褒めているわね?
いや、べつだんこれまで四季を嫌いだったわけじゃないけど、どうもいまひとつ私向きの萌えの要素が乏しくて、四季の舞台は話題作を一回観とけばいいやとばかり思ってましたよ。
でも、あんだけ足上げられちゃったし泣かされちゃったしで、もう一回観ないわけにはいかないわ。
作品の勝利。わたしまけましたわ(回文?)

そんなわけで、来年のお正月、一発目の観劇は「ウェストサイド物語」になりました。
意外や意外(いがいやいがい)