三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、インチキ宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり、そしてそのことを日記にまとめてみたり。

ナチスとソ連

2017年09月17日 | 映画

映画(特にハリウッド映画))における絶対的な敵役はソ連であり、ナチスでした。
思いついたところでは、『レイダース/失われたアーク』『イングロリアス・バスターズ』『007 ロシアより愛をこめて』などなど。

強制収容所のような実際の話をもとにしたものならともかく、娯楽映画でドイツやソ連が悪役なのは、おそらく文句を言われないからだと思います。

『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』ような実在の国をバカにした映画なら、当然のことながらあちこちからクレームが出ます。

 

ソ連の崩壊後、ソ連は悪役の座を降りましたが、相変わらずナチスは絶対的悪として君臨しています。
最近の映画では、ナチスドイツではないけど、パティ・ジェンキンス『ワンダーウーマン』は第一次世界大戦時のドイツが悪役です。
ドイツが毒ガスを使用したことは事実ですが、当然ながら第一次世界大戦でアメリカやイギリスが絶対的善だというわけではない。
なのに、ドイツ兵がバタバタと殺されて、それでメデタシというのはあまりにも脳天気です。
ドイツ人が見たらどう感じるのか気になります。

史実を描いた作品としては、アンヌ・フォンテーヌ『夜明けの祈り』は、ポーランドに侵攻したソ連軍兵士が、修道院に押し入って修道女たちを強姦し、7人が妊娠したという実話をもとにしたもの。

ショーン・エリス『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』は、プラハの虐殺者と言われた親衛隊大将のラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画を描いています。



実際にあったこととはいえ、70年以上前のことを今さらほじくり出さなくてもと考えるドイツ人、ロシア人がいるかもしれません。


ただし、この2つの映画は、単純にソ連やナチスを非難しているわけではありません。

『夜明けの祈り』では、院長は修道女たちのことを考えて産まれた赤ん坊を捨てます。
修道女たちは人に肌を見せること、触られることを禁じられており、自分は地獄に落ちるのではと苦しみ、自殺した修道女もいます。
杓子定規な教えへの批判だと感じました。

そして、ハイドリヒを暗殺すれば、ヒトラーはチェコスロバキア人への報復を必ずすることは間違いないので、レジスタンスの中でも暗殺への反対意見がありました。

実際、5千人(ウィキペディアによると1万3千人)が殺され、絶滅させられた村もあるので、レジスタンスの行動を美化しているわけではありません。

これらの映画がどの程度まで史実通りなのか、どこをどのように創作しているのか、そこは問題だと思います。

たとえばホ・ジノ『ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女』は高宗の皇女である徳恵翁主が主人公ですが、ネットで調べると、徳恵翁主の描かれ方は史実とはかなり違っています。

 

中国では抗日映画が作られているそうですが、どの程度史実に忠実なのでしょうか。

関東大震災における朝鮮人虐殺はなかったと否定する人がおり、それどころが朝鮮人の暴動は事実だという主張さえあります。

「ナチスのホロコーストはなかった」というような歴史修正主義が日本では大きな力を持っている一例でしょう。
日本で朝鮮人虐殺を主題とする映画を製作することは無理だろうし、韓国で作られたとしても日本での上映はできないと思います。

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