「週刊新潮」に載っている麻原彰晃の娘が書いた手記に、麻原は詐病だとある。
本当のところはどうなんだろうか。
『獄中で見た麻原彰晃』は、東京拘置所で衛生夫(被告の食事や洗濯などの世話をする受刑者)をしていた人の話をまとめたものと、麻原彰晃の娘たち、弁護人の見た麻原彰晃について書かれている。
麻原彰晃はおむつをつけているのだが、取り替えるのは一日に一回なので、大小便がもれることになる。
「彼の布団や服、それから部屋も、とにかく物凄い臭いです」
「彼の部屋の前を通るだけで臭うんです」
歩けないので、面会に行く時など車椅子で移動する。
「今や廃人のように動かず、何も言わず、といった状態」
「彼は全く身体を動かしません」
麻原は被告が本来もつべき権利をほとんど有していない。
差し入れは拘置所が止めているので、一切入らない。
病舎に移ってもおかしくないのに、普通の房にいる。
刑務官は「もう、いかれてんだろ。人間諦めるとああなっちゃうんだよな」と言っていたとある。
麻原彰晃の娘たちは24回ほど面会しているが、話しかけても反応は返ってこない。
弁護人との面会でも状況は同じで、この状態では控訴趣意書は書けないというので、提出しなかった。
「刑事訴訟法」には、「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する」とあり、麻原は拘置所で天寿を全うすることになるのだろうか。
『獄中で見た麻原彰晃』によると、麻原は拘禁障害らしく、治療を受ければ治るそうだが。