三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

借金財政

2006年04月15日 | 日記

広島市にはシャレオという地下街がある。
よその市には地下街があるのに広島にないのはかっこわるい、というので作ったんだろうが、地下深くて不便だし、店は若い人向けのものばかりだし、どうしてあんなものを作ったのかとすこぶる評判が悪い。

某氏よりいただいた「市民生活」Vol.26の、瀧恭岳「第三セクター経営の無責任―地下街・シャレオ」によると、地下街建設に486億円ものお金が投入されている。
その地下街を経営する第三セクターは64億円の債務超過があって、倒産するおそれがある。

広島市がまとめた支援策は、200億円に近い長期借入金のうち、地元銀行などから借りている48億円の金利を引き下げてもらい、新たに76億円の追加融資を頼む、広島市が貸し付けている67億円の金利を引き下げる、など。

そもそもこの会社は広島市・広島県、そして民間会社数十社が資金を出し合って作られている。
それなのに広島市だけが四苦八苦しており、他の出資者である民間会社は責任を広島市に押しつけているようだ。

広島市という株主には税金という安定収入があるから、それを担保に金を借り入れ、経営のてこ入れをすればいいじゃないかと、たかをくくっているように見えるのだ。


この地下街は、昭和63年に広島銀行の橋口会長を委員長にした地下街構想推進委員会が発足したのが始まりである。
民間が働きかけをして行政がそれに乗ったという形で地下街は作られた。
そして、長期借入金48億円のうち、19億円が広島銀行からの借り入れである。

シャレオがこの先どうなるのか、行く末を彼(広島銀行宇田会長)は彼なりに考えているのかもしれない。しかし確実に金利が入ってくることも紛れもない事実なのである。


広島駅前にあるエールエールも倒産寸前だが、やはり広島駅南口開発株式会社という第三セクターが経営している。
同じ構造なんでしょうね。

山口氏康「第十二回アジア競技大会と財政負担」も放漫財政について書かれてある。
1994年に広島でアジア大会が行われ、膨大な市財政の負担と借金ができた。
アジア大会にかかった経費は、新交通システムや起債を含めて、約4000億円。
広島市の借金は、アジア大会が行われた前年の1993年に9773億円で、毎年返さないといけない借金が一般会計だけで502億円。
広島市民が一年間に納める税金が約2000億円。

アジア大会誘致当時は平岡市長である。

平岡市長が市長選に初出馬のとき、推薦したのは、地元の大企業と金融機関でした。市はこの金融機関から借金し、利息は私たちの税金で返し、余った金はすべてこの銀行に貯金するのですから、金融機関関係が儲かるはずです。


アジア大会の経費がすべて無駄づかいだとは思わない。
しかし、アジア大会にしても、本四連絡橋や高速道路などでも、赤字になるのはわかっていて、それでも銀行から巨額の借金をして作り、そして現実に赤字になる。
銀行としては国、県や市が倒産することはないから、お金を借りてくれることはありがたいからいくらでも貸す。
銀行が日本財政赤字の諸悪の根元と言ったらあまりにも単純すぎるが、しかしねえ、と思った次第です。

コメント (7)
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