三日坊主日記

本を読んだり、映画を見たり、宗教を考えたり、死刑や厳罰化を危惧したり。

犯罪報道は実名がいいのか

2005年11月29日 | 死刑

杉浦法相が就任直後の会見で、死刑の執行命令書にサインしないと発言したことが波紋を広げたという。
杉浦法相はなぜ死刑に賛成でないのか。
「他の人間の命を奪うことは、理由のいかんを問わず、許されないことという気持ちは根底にある。(死刑囚も)一人の人間には違いない。個々の事案を十分検討した上で判断したい」
と言い、そして
「自分は東本願寺の門徒。親鸞聖人の教えを幼いころからおばあちゃんのひざの上でお参りしていたことが根底にある」
と語っている。

産経新聞は、法相の発言に「反発が強まりそうだ」と書いている。

法律を守るべき法務大臣の発言としては軽率だということなのだろうけど、郵便事業は民間が行うべきだから法律を改正しなくてはいけないと首相が言うのはかまわないが、死刑には問題があるという法相の発言はダメだというのもおかしな話である。

今日の毎日新聞に、「被害者の実名・匿名のどちらかで発表するかの判断を警察に事実上委ねる」ことの是非を、被害者・遺族に聞いた結果が書かれている。

25人中、21人が反対、19人が原則として実名を発表すべきだと答えている。

被害者が犯罪の実名報道に賛成するとは、私にとって意外だった。

だけど、このアンケートは答えた人の実名・年齢・事件の概要が明記されている。
犯罪報道は匿名にすべきだと考えている人は、こうしたアンケートにも匿名でなら答えるかもしれないが、実名だったらまず回答しないだろう。

新聞協会は被害者の匿名報道に反対しており、一面を使って、被害者ですら実名報道に賛成しているんだという情報操作をしているわけで、このあたりにもマスコミ報道のインチキさが感じられる。


ちなみに子供にこのことを聞いたら、小5の娘は「恥ずかしいからイヤ」、高3の息子は「匿名にしても、どうせマスコミが実名を調べて報道するんだから、最初から実名のほうがいい」と言ってた。


それはともかく、私は杉浦法相の発言にうれしくなった。

というのが、教えとはこういうふうにして自然と伝わっていくものだということがわかったから。

ばあちゃんが起きた証拠にチンと鳴る  月ヶ瀬和子

コメント
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