フィヨルドの変人 ~Odd person in fjord~

ぇいらっしゃ~い!!!

手段と目的は見誤らない方が良い

2017年05月15日 20時22分18秒 | 日記
ツイッターのTLでクイズの話題がちらほら流れてきている。なんでも「一般社団法人日本クイズ協会」なるものが設立されたらしい。まあ、ぬたりは現在はクイズというものに興味はないので、これ自体は別にどうでも良い。
ただ、ぬたりは高校時代にはクイズ研究会に所属していた。それどころか発足メンバーの一人であるし、最終的には副会長すら務めている。
・・・まあそう言うと聞こえは良いが、友人の誘いに乗っただけだから、新しいサークル作るぜ! という熱意なんかなかったけどな。副会長の方も、発足当初はヒラの雑用係(練習場所の手配、早押し機のメカニックと管理)をやっていたところ、サークルの会長が生徒会の役をやることになり、生徒会の役と部活動の役を兼任できないという校則により、副会長が会長に、最も雑役を担っていたぬたりが副会長にスライドしたに過ぎないのだが。副会長ったってそれらしい仕事なんか何もなかったし、相変わらず雑役やってたわ。んでまあ、会としては後進ながら、すでにサークルが立ち上がっていた県内の高校2校と交流を持っていた。もともと多少は交流があった2校に、うちのサークル立ち上げの中心人物の人脈経由でつながりを持った形。この3校持ち回りで月1の大会をやっていたな。
で、当時に協会があったら自分たちは参加したろうかと考えてみたのだが、正直、答えが出なかった。当時としても関東地方での任意の組織はあったと記憶しているのだが、これには参加していなかったのだ。ではアウトローだったかと言えば、それなりに競技チックな大会も行っていた。実際、高校生クイズの県代表には、ぬたりの友人たちのチームが選ばれている。どっちの方向性も内包していた。
ただし、うちの高校の研究会単独の話として、こういう協会に所属したろうかと考えると、正直NOだったと思う。うちのサークルの中心人物の頭には、多分、クイズが強くなることは活動を行う方法論の一つ、としてしか見えていなかっただろうからね。
この中心人物。まあこのブログも読む可能性が高いくらいに今でも付き合いがあるのだが、彼がサークルを立ち上げた理由は、単純に人間関係構築のツールとしてであった。高校生クイズというものがあり、自分や中学の友人も興味があった。そして周りにも複数同じような人間がいたから、そう言う人間同士を結びつけるツールが新しいクイズ研究会発足だったわけだ。
彼の影響力は相当に強く、良くも悪くもサークルは彼のワンマン体制の色が非常に強かった。当時ぬたりがもう少し気が利いて、余裕があればもっと彼をサポートできたのかもしれないが、残念ながら当時のぬたりはいろいろと足りず(今でもそうだが)、今から思うと彼一人にずいぶん任せっきりにしたなあ、と反省はつきないのだが、そのかわり、うちの高校が主催した大会は、彼の色がダイレクトに出た、良い意味でヘンテコな大会となり、そう言う意味では好評であった。
ヘンテコと言っても競技の方向性を無視していたわけではなく、普段の活動では問題集の暗記や回答よりもオリジナルの問題作成を重視して、幅広い知識を習得させようとはしていた。ただ、それは強くならなきゃいけないというわけではなくて、強い方が楽しみやすいから、という理由だけで、別にそれのみを見ていたわけでもなかった。ヘンテコな問題を作ってみんなを困らせることもウェルカムだった。

今でも、彼がすごいな、と思うことはギャラリーをいかに楽しませるか、ということにも気を配っていた点である。大会を行うと必ず敗者は生まれる。そう言う人たちは見ているしかないわけでクイズに参加はできない。クイズが趣味という人なら見ているだけでも楽しいだろうが、人と楽しむツール、という考えがあった彼は、もっとギャラリーが楽しく参加できないものか、と考えていたようである。かといって敗者復活で多くの人を復活させると大会の緊張感が薄れる。そんな彼が導き出した一つの答えが、大学進学後、後輩を集めて臨時的に開いた大会で行われた「禁語クイズ」である。埋もれさせるにはもったいない企画なのでせめてブログのネタにする。


「禁語クイズ」の詳細は以下のとおりである。
企画者は、ひらがな50音、濁点、半濁点が一文字ずつ書かれたカードを用意する。
回答者に裏返しにした上記のカードを複数枚(3枚くらい)ずつ引かせる。引くときには表に何が書かれているか分からせない。この配ったひらがなが、回答者にとっては「禁語」となる。
回答者にカードのひらがなを確認させたあと、企画は出題者のスタートを合図に開始される。基本は早押しクイズである。スタートの合図以降、回答者は手元の禁語を「たとえ私語であっても」発してはならない。例示すれば、間違えて「あー!」と嘆息した回答者の手元に「あ」のカードがあった場合も当然ペナルティとなる。「ははは」と笑った者が「は」のカードを持っていた場合は、ペナルティは3回となる。早押しのお手つきや誤答も当然ペナルティで、誤答の中にカードのひらがなが含まれていた場合も誤答の1回プラス禁語の文字数分のペナルティを科せられる。
ペナルティの内容は、残っているカードをペナルティの回数分だけ山から引くというもの。これによりペナルティを受ければ受けるほど発せられないひらがなが増えていく。
クイズに正解した場合は、手元のカードを自分以外の誰かに押しつける。ただしたとえ正解であっても正解の中に禁語が含まれていた場合は、正解としてカードを誰かに押しつけた後に、禁語の文字数分のカードを引かされる。こんな形で早押しクイズを行い、自分の手元のカードがなくなったら勝ち抜け。こんなルール。
さて、これのどこがギャラリーを楽しませる仕掛けになっているか、それは禁語を発したか否かの審査員が「その場にいる全員」であるからだ。企画側は企画進行にある程度悩殺されるためにどうしても回答者の発言一文字一文字に気を配ってはいられない部分がある。そこでその場にいる全員にチェック件を与えることにより、より厳密な発言チェックが可能となるし、ただ見ているだけでなく企画に参加することができる。企画者側もある程度進行に集中することもできる。

この企画、競技クイズというカテゴリーから見ればおそらくは認められないものだろう。あまりにカードという運に頼ったクイズであるし、まじめな競技志向で来られた場合、おそらくは回答者は回答以外の余計なことを何も話さなくなるだろう。そうすると企画としても盛り上がりに欠けたものになる。
ただ、ゲームとして見た場合に、様々な駆け引きが考えられる。実力が上の人に意図的な私語を振って禁語を発させたりもできる。複数人で示し合わせて、正解時のカード押しつけを1人に集中させて潰すこともできる。問題制作者も、「日本の法律文におけるイギリスの正式名称は?(※1)」などという普通では使い物にならない問題ですら回答者を苦しませることができるし、逆に「三重県の県庁所在地は?(※2)」という虚を突いた問題も盛り上げとして使える。会場の誰も分からない問題を一人だけ正解する、なんてのはクイズの醍醐味ではあるだろうが、他の回答者誰も分からないのに禁語があるが故に答えられずに悶絶する、なんて姿を見ることもできる。

彼が披露してから20年は経つが、今から考えてもよくできた形式だと思う。もちろん「クイズ強い奴を素直には勝ち上がらせない理不尽大会」というのを事前にみんなに周知した上での開催だったから可能だった、という側面はあるだろうが、それにしても工夫がうまい。
こんな具合に人知れず才能を発揮する奴はいるんだぜ、ということは、せっかくの機会だから披露しておこうかな、と思いましてね。実際今でも付き合いがあるが、彼の発想力や企画力、実行力には今に至るまで何度も驚かされておりまして、まあ、世の中には逆立ちしても勝てない奴がいるってことは彼との関係性の中で学ばせてもらいましたわ。

なお、彼もぬたりもすでにクイズ界を離れており、彼もまさかこの禁語クイズにパテントや著作権をとなえたりはしないでしょうから、これを読まれたクイズ界の方でやってみたい方がおられたら、各自やってみたら良いんじゃないかと。なお、その際には「20年前に群馬県で生み出された企画です」とでも一言申し添えてから、企画を開始していただければきっと彼も満足するんじゃないですかね。


で、話を戻せば、うちの高校の研究会はそんな感じだったから、当時、協会があったとしても参加はしないんじゃないか、と思ったわけなのさ。うちらにとって、クイズは手段であって、目的じゃなかったからね。


※1 「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」。ちなみに外務省が扱う条約文では、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国。長い正式国名つったらここ。

※2 「津(つ)」。短い地名と言えばここ。
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