引退

どなたの賛辞も同じで、変わり映えはしませんが、長く日本のフィギュア界をけん引してきた高橋大輔選手が、実に爽やかな笑顔で現役引退を発表されました。惜しむ声と同様に、いえそれ以上に、感謝の言葉が各界から相次いでいます。文字通り、今の日本の最強のフィギュア界の男子の立役者であり、日本男子を世界トップレベルに引き上げた功労者です。本当、お疲れ様でした。

引退決意の理由を、けがでは無く、モチベーションだと説明されています。どんな場面でも、心を燃やすモノがなければ、自分の力を遺憾なく発揮することは難しいのだと思います。気力と言うのは、ある程度は無理やり引っ張り出すことができても、泉のごとく湧き出て来なければ、一流の仕事はできない…ということでしょうか。

但し、関係者の話によれば、高橋選手の引退は、本人の発表を待たず、一部ネットで伝えられた…とか。まだご両親にも、大学にも、スケート連盟にも、何も伝えていない段階で報道が先走ったことには、関係者は憤りを示していると言います。物事には、礼儀や順序やけじめと言ったものがあるわけですから、高橋選手にしても、迷惑な話です。

スクープというのでしょうか、メディアはライバル社よりも一瞬でも早く、世間が注目するニュースを報じることに、しのぎを削っていますが、それは果たして必要な事でしょうか。他社に後れを取るというのは、あり得ないでしょうけれど、ニュースは然るべき時期に報じていただければそれで十分です。スポーツ選手や芸能人は、有名税というべきなのでしょうか、その一挙手一投足をあることないこと報道されて（それで、持ちつ持たれつなんだという説もありますが…）、そんなニュースに踊らされている私たちって、何なのでしょう。選挙の投票所を出たところで「出口調査」なるものが行われていたりしますが、あれも、私個人的には不快です（笑）。選挙結果は、開票と共に分かればそれでいいのではないでしょうか。開票よりも早くにそれを伝えることの意味…というのが、良く分かりません。

まぁ、そんなことを書きたかったのではありません。まだ、人生に多くの時間を残している高橋選手が、もう一度何にその心を熱くできるのか、そっと応援していようと思います。



「ルビの行だけ広がってしまう」

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