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金融が世界を悪くした(2)、金融制度改革論   文科系

2016年09月18日 | 国際政治・時事問題(国連・紛争など)
 今回は、今扱っているドナルド・ドーア著「金融が乗っ取る世界経済 21世紀の憂鬱」の中にある、標記のことを紹介しよう。 

『2010年7月、ロンドン大学政治経済学院(LSE)が刊行した『金融制度の将来』は、ロンドンの識者を集めた定期的な研究会のペーパーを編集した本である。その序文には、著者たちの理解する「金融制度改革」の趣旨がこう述べられている。
 金融改革の目的は四つある。まず、近年のように、金融システムが実体経済を攪乱することがないようにすること。(それと密接な関係があるのだが)第二には破綻する金融機関の救済コストが一般納税者の重い負担とならないこと。そして第三は、国民所得における金融業および金融業雇用者の分け前(金融業の国民経済に貢献するサービスとは無関係に高い分け前)を低減させること、そして第四に、分け前調整によって、他の部門でより社会に貢献しうる人材が金融業界に吸収される現状を変えていくこと。
 うまく要約している。しかし、突き詰めて言えば、この四点は二つにまとめられる。一つが、金融システムの効率(コスト縮小を含めた効率)の問題。もう一つが、社会的公正の問題である。議論の「場」は、普段から「金融安定」を使命とする各種の会議である。しかし、両方の関心が交差し、各国の国会や国内・国際の審議会で白熱する議論が行われるものの、政府の措置は一貫性を欠くことが多い』

 こうして、上記四つの論議それぞれを紹介していくのだが、先進国や国際機関のどこでも対立が激しくって、見るべき前進はないようだ。第一の点では、「国益論」と「市場競争論」との衝突。第二の救済コストの問題でも、金融規制の必要性、有用性そのものをめぐる対立。市場の自動制御に任せておけというのと、公金注入が必ず繰り返されることになる事への規制をという対立である。

 改革方向がなんらか一致していくためには、まだまだこんな繰り返しが必要だということなのだろうか。バブル弾け、銀行の破綻、公的資金の注入、景気の急悪化・・・と。それにしては、多額な税の投入である。それも、自らは米キャピタル・ゲイン税率は15%とか、さらに、ケイマンやパナマなどで税を払っていないことも多いと言われてきたのだし。
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1 コメント

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「良い世」の突破口 (文科系)
2016-09-18 19:12:54
 どんな世の改善口約束も、当面実現できるかどうかが最大問題。ここしばらく実現できないものなど政治課題に上げたって無力感しかなかったとさえ言いたいし、昨日今日のこの本紹介のように、金融規制が出来なければ、世の最大問題である失業者も不安定雇用も減らないだろう。とすれば、経済の好循環のためにこの一点で糾合できる政治的力を合わせること、現状でそれ以上に大切なことはないと言いたい。
 幸いと言ってはなんだが、あの麻生財務相でさえ「金融業者、株屋はヤバイ」と近年言い始めたのには、政治でさえ困っているとここに書いてきたような訳があるのだろう。でなければ、金融を差し置いて財務省が直接に株買いに乗り出すことなどあり得ないはずだ。財務省株買い出動には統制経済の行き過ぎ感がつきまとうが、とにかく金融王国経済を手直しするべきなのである。
 この本を読んで、従来思っていたこういう方向をさらに何倍も強く意識したものである。

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