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書評の予告「シリア情勢」   文科系

2017年07月13日 | 書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など
 シリア情勢は、現在世界政治の焦点の一つだ。そもそも、現世界で最も多くの人々が亡くなられている出来事が進行中の国なのだし、世界を揺るがせている難民問題の最大源泉なのだし、この日本にも大きな責任の一端がある事件でもあるのだから。イラク戦争がなければ、シリア問題は間違いなく存在しなかった。そして、我が日本国はこのイラク戦争に有志国として参戦している。日本国憲法の解釈を強引にねじ曲げてまでも。

「死者47万人、難民311万人、負傷者190万人 かくも過酷な事態を生んだ複雑な地政学を読み解く」
 これが、この本の帯の言葉。「シリア情勢 終わらない人道危機、青山弘之著、岩波新書、17年3月第一刷発行」
 この本の裏帯にもこんな文章があった。
「シリア内戦における混乱を再生産しているのは、シリアにとって異質な部外者であり、シリアの人々は彼らが繰り広げるゲームの駒になりさがってしまった。(本書「おわりに」より)」

 さて、この本を一応読み終えたその第一印象は、なによりもこの二つ。日本に広がっている報道内容と何と異なった印象であることか。どこが違うのか。

① 反体制派、反政府軍ついて、日本のマスコミは「過激派」と「穏健派」という区別、峻別をしてきたと記憶するが、この区別がこんなにも難しく、この後者はもう無数の派閥がいるということ! のみならず、両派の共闘などは日常茶飯事で入り乱れており、穏健派って一体何なのだなどなどと、何が何だか分からなくなるということである。

② この無数の反体制派の後援国がまた、軍事教練などを直接行ってきたアメリカを筆頭に多数存在して、これも何が何だか分からないという状況が存在する。一例として、2014年1月22日、国連主催第二回シリア和平協議参加状況を見てみよう。実に四〇カ国が参加している。
『シリアの友グループ諸国、ロシア、中国、イラク、レバノンなど四〇カ国、そして欧州連合(EU)、アラブ連盟が参加したこの会議は、アサド政権と「反体制派」が戦闘停止と政治移行プロセス開始に向けて直接協議を行う場として用意された。
 だが、会議は開催前から難航した。その理由は、シリアの友グループが批判を続けるシリア軍の攻撃継続ではなく、「反体制派」内での主導権争いにあった』(112ページ)
 と言う具合に、「穏健な反政府軍」が諸派に入り乱れているのである。その理由は、背後に諸大国が控えていること。アメリカ、サウジ、トルコ、ロシア、イランなどなどである。それも米ロのみならず、トルコ、サウジ、イランの役割が大きいとあった。それぞれが軍隊を派遣しているも同然というように。


 なお、青山弘之というこの著者は、こういうお方である。東京外語大アラビヤ語科、一橋大学大学院社会学研究科を出られて、フランス中東研究所とかJETROアジア経済研究所とかにも在籍されていた、と。


 
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9 コメント

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ちなみに (1970)
2017-07-13 08:17:17
青山教授は、前にボロクソ言ってたアメリカメディアのひとつ、ひとつというかバリバリアメリカメディアのNewsweekの寄稿者なんだけど、それはいいのかな?
Unknown (Unknown)
2017-07-13 17:10:39
相変わらず、本一冊読むと、それに染まるね。
高齢者の中二病って・・
Unknown (Unknown)
2017-07-13 18:09:06
本の内容は、全く知らない僕だけど、文ちゃんの結論は分かっている。
「アメリカが悪い」でしょ?
1970さんへ (文科系)
2017-07-14 00:01:39
 僕はこれまで観られた通り、自分の判断は自分でする。一応世界を見る政治・経済・イデオロギー的構図も持っている積もりだしね。政治はチョムスキー、経済はドナルド・ドーアなどが近いのだとは、述べてきた通りだ。イデオロギー、哲学はまーここでも、「僕の世界観」という連載の形で色々書いてきた通り。
 また、左翼だが、日本共産党も新左翼も嫌いだったりして、何の政治的バックもないからこそ、ここに書いていることは余計自由な判断なのね。

 また君と違って抽象的命題中心の文章を書くのではなく、事実中心の文章を書いてきたつもりだ。

 よって、僕が読む本の誰がどういう立場かなんて関係ないのね。そこの中から事実の束を読み取るだけでだから。こういうフェイクばかりの時代は、ネット知識なんかじゃダメだよ。膨大な本を読まなきゃね。ここを13年やってきて、どれだけの本を読んだか。
 
 (1970)
2017-07-14 01:03:12
前にシリア情勢をワタシが話したとき、BBCをソースにしたとき、BBC始めアメリカ等のメディアは金輪際信用しない!と言ってワタシに食ってかかってきた。
他の人間からもメディアをそういうひとくくりで扱うのはおかしい、報道された内容次第じゃないかと言葉もあったが、それでもアメリカ等のメディアを否定した。
だから、誰がどう見ても中身よりも何処のメディアなのかを強調した話をしていたわけだ。
それが今の話と整合性が取れてると思うならばそれでいいんじゃない 笑


勿論、こっちはあの時食ってかかられた方だから、青山教授はあれだけ嫌ったアメリカのメディアNewsweekの寄稿者という時点で意味嫌ってくれないとこの前との整合性がつかないと思うんだけどね。

えっ?これってもしかして話の中身に自分が納得出来ればアメリカ発でもイギリス発でもOKってこと。まさかあれだけ人に啖呵きった人がそれはしないよね。

まあ仮にワタシが他の人間に同じようなことを言って批難したら、少なくともアメリカのメディアには登場しない人の中からだれか探して話をするよ。
だってそうしないと他人への批判や批難が超テキトーな自分に都合がいいだけの話でやってると思われても仕方ないじゃない笑
この前のsica氏からの指摘じゃないけど。


ま、ワタシだったら言った側から青山教授は出さないわ。
層です、当たり前 (文科系)
2017-07-14 03:30:22
『これってもしかして話の中身に自分が納得出来ればアメリカ発でもイギリス発でもOKってこと。まさかあれだけ人に啖呵きった人がそれはしないよね。』
 こんなこと言い返してきても仕方ないでしょ。全てはこの通り、話の中身なんだから、形式論理とかそういう批判なんて無意味ということですね。
 まさに、この通りのことを上のコメントに書いてあるでしょ。抽象的結論だけを書いて中身の実証がない人には分からないことでしょうが。
Unknown (1970)
2017-07-14 05:53:10
それって抽象的も何も関係無く、2ヶ月前に自分が言ったことにどう整合性つけるのかな 笑
180度違う話をやってるんだけどね。
まあでも (1970)
2017-07-14 06:13:22
ある国がなかったら…とか考える人の論理だからしょうがないか 笑

ワタシの頭じゃ理解不能だわ 笑
16日に・・・ (文科系)
2017-07-16 15:41:03
 本16日、この本の要約第1回目を載せました。「はじめに」と「第1章シリアをめぐる地政学」です。全体内容の4分の1ほどですが、本の概要が最もよく分かる部分です。
 よろしく。

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