九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

益川敏英さんの著書から  文科系

2016年12月10日 | 書評・番組・映画・演劇・美術展・講演など
 益川敏英さんの本「科学者は戦争で何をしたか」(集英社新書)を拾い読みしました。ある箇所を引用して、皆さんに広めたい。このブログで常に問題になってきた重要思考、発想法が何点もこの箇所に入っていたから、思い立ったことです。
 なお、このノーベル賞物理学者は、知る人ぞ知る、このブログがその姉妹ブログとして発足した「(名古屋市)昭和区九条の会(ブログ)」に極めて縁の深い方。昭和区、鶴舞公園の傍で育ち、昭和区内の名古屋市立向陽高校から、名古屋大学大学院物理学科を出られたんです。子どものころから読書が好きでいろんな種類の本を読むために図書館通いをしたと述べておられるから、鶴舞図書館の常連お子様だったなどと想像するのです。また同時に、九条科学者の会の呼びかけ人も引き受けられているお方だからまた、ここと縁が深いというわけです。

『私は、後二〇〇年経ったら戦争はなくなるとあちこちで発信しています。仲間内からは、「また始まった。何を寝ぼけたこと言ってんだ」と笑われることもしばしばです。あるいは、「益川、その頃はお前が生きていないから、今何言っても大丈夫だと思ってんだろう」と、どやされたこともあります。
 確かに二〇〇年後は生きていませんが、私はこの持論をかなり本気で信じています。今、多くの人々は直近のことばかりを話題にしますが、一〇〇年、二〇〇年のスパンで世界のことを考えてみてください。今、見えている世界ではなく、そのずっと先を考えてみる。それは、普遍の法則や本質を見抜くことを本懐としている科学者にとって必要欠くべからざる視点です。
 しかし本来、科学者だけでなく、誰にとってもこのような長期的視野で物事を考えることが重要なのです。
 科学者も含め、政治家も国民も、目の前の課題に振り回されて、対症療法しかできなくなっています。それではなかなか人類全体のことが見えません。
 人間の寿命よりも遙かに長いスパンで考察してみると、いろんなことが見えてきます。そのスパンで見ると、人類の未来はそう悲観したものじゃない。我々の社会が確実に進歩してきているのが分かります。』

 益川さんはこう述べた上で、この「進歩」の内容をかなり長く述べていきます。
 世界大戦のようなことがなくなったということ。植民地が例外的になって、大国による暴力的な収奪が減ったこと。一応、8時間労働が実現したこと。オバマ大統領実現が示すように、人種差別が減ったこと。これらの人類「進歩」を挙げた上で、益川さんはこう結論を結んでいます。
『このように世界は、ある局面において、「後退」を見せることもありますが、それでも、少しずつ前進してきた歴史があります。
 つまり、一〇〇年単位で見れば、人類はつまずきながらも、おおむね正しい方向に進んでいると言えるのではないでしょうか。』
(以上のうち『』の引用は、全て一六九~一七二ページから取りました)

 上のお話の中には、このブログで主張されてきたのと同じ発想、思考、事項が多く含まれていると、ここをずっと読まれてきた方はすぐにお分かりになるはずです。
『戦争はなくなる』
『一〇〇年、二〇〇年のスパンで世界のことを・・・』
『(科学者だけでなく)誰にとってもこのような長期的視野で物事を考えることが重要』
『一〇〇年単位で見れば、人類は・・おおむね正しい方向に・・・』
 このように世界を見て、世界大戦(が無くなったこと)、植民地、8時間労働制度、人種差別などに人類の前進を見ている事もここと同じですよね。
 

 そう。この金融グローバリゼーション時代の下では特に、科学者だけではなく、日本を大事にする誰もが、こう発想していく必要があると益川さんとともに言いたいものです。「(日本だけでなく)世界を」、「長いスパン、一〇〇年単位で見る」、「(日本人だけでなく)人類を」、「人類はつまずきながらも前へ進んできた・・・こんな点で」。
『政治』 ジャンルのランキング
コメント (7)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 内部告発硬骨漢を潰す国? ... | トップ | あれまさんへ、実践概念を巡... »
最近の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どちらをとるか (道草)
2016-12-10 08:39:43
平和運動をするか、学問をとるか、
「どちらか」と、言われたら今後は 「平和運動をとる」

私の記憶の中だけなので、きちんとした資料を示せないのですが、
ノーベル賞をとったあと益川さんのこの言葉が
新聞に載っていたのを今も覚えています。

よーく理解できます (文科系)
2016-12-10 10:07:33
 「科学者である前に人間であれ」。
 益川さんの恩師・坂田昌一名大教授(理論物理学)の教えとして、この本にもそのお名前とともにこの言葉や、彼への今も変わらない尊敬の言葉がよく出て来ました。

 こういう益川さんなら1930年頃に似た今の世界・日本情勢から、道草さんが言われたように語るのが理の必然というもの。一人の人間としては、専門の学問よりも「戦争を起こさせない」の方が大事になりますから。一九ページにその下り冒頭の小見出しとともに、こんな言葉が連なっていました。
『科学者である前に人間として
 私の研究室の壁にはいつも、私の恩師である理論物理学者の坂田昌一先生が書いてくださった書が掛けられています。
 「科学者は科学者として学問を愛するより以前に、まず人間として人類を愛さなければならない」
 坂田先生は一九七〇年に亡くなられましたが、この書は、その一年程前に書いてくださったものです。以来、私はこの言葉をいつも自分のすぐ見えるところに掛けて、先生の教えを胸に刻んできました』
当ブログ議論史から (文科系)
2016-12-10 18:29:29
 このブログはブログ名に反応するのだろうが、今活発なネットウヨク諸君が思い出したように次々と訪れて来る。彼らと一〇年やり合ってきて、今振り返ってつくづくと感じることが、上記益川さんの思考、発想のちょうど逆の思考だなということだ。

 まず、日本のことしか知らない。例示すれば、日朝史を知らないで朝鮮嫌い、批判の言葉だけを語る。世界的な金融グローバリゼーションの大きな流れ何も見ないで、日本の目先の景気、否、単なる株価だけを、基本安心なものとして語る。さらには、世界史の近代民主主義の流れにもほとんど触れることがないからこそ、国連さえ踏みにじるアメリカの所業が全く見えないことになっている。
 国連と言えば。この世界組織が、平和組織として発足したことも知らないし、そもそも国連のことは何も語らない。
 なによりも、それでいて(むしろそれだからこそ)「人間世界から戦争は無くならない」とだけは暗黙の「自明の理」としているのである。

 上のような益川さんの言葉をエントリーにしたのは、ネトウヨ諸君の脳内をこのように照らし出す積もりもあった。 
 
自然過程ではなく (あれまこれま)
2016-12-11 02:20:41
 益川さんや文科系さんのいうところはわかります。
 確かに人類史は大まかには悲惨の減少として経過しています。しかし、これとて、そのために尽力してきた人々の営為を抜きにしては語れません。
 つまり歴史的過程は自然史的過程とは異なり人為を介在するのです。したがって、戦争を始めとする悲惨の減少を当為として実践する人々の営みを抜きにして事態を楽観することはできません。
 私が懸念するのは、トランプ現象に見られる世界史的な狭隘価値観の蔓延です。ヨーロッパでの排除の論理の拡大、わが政権に於いての危険な綱渡り的対外対内政策などがそれに相当します。
 要するに、100年、200年の時代が浄化作用をもたらすという楽観論はさておき、いまここでのアゲインストの営為を抜きにしては、人類の悲惨は決してなくならないということです。
 つまり、平和も民主主義も、常に来たるべきものとして、それを志向する人々の営為に支えられているということです。
お応え (文科系)
2016-12-11 10:23:35
 あれまさん
 ご応答有り難うございました。この質問と回答自身が、人類史の中で大事な試行錯誤を繰り返して来た大事なものと愚考します。以下エントリーで応えようと思い立ちました。よろしく。
 
Unknown (Unknown)
2016-12-11 19:19:03
日本を大事にしないサヨクは無くなると・・
なるほど。
Unknown (Unknown)
2016-12-11 19:24:03
国旗とか国家とか、天皇陛下とか・・
選挙で選ばれた、首相も。
日本を大切に。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む