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小説紹介  最先端    文科系

2017年11月07日 | Weblog
  最 先 端  S・Yさんの作品です


 役所から敬老通知が届いて驚いた。いつのまにか高齢者となっていたトミさん。
 歳を取るとは、はたから言われないと自分では意外と気づかないもんだ。

 高齢者になったのだから、車を買い換えるならこれが最後になるかも。そう考えたトミさん夫婦は新車を購入した。至れり尽くせりの最先端の機能が付いた車だ。やたらと危険をキャッチして警告音が鳴る。そのたびに心臓がドキンと大きく波打つ。真面目で小心のトミさんにはストレスになる。車間距離をちょっと空けただけで「空いたよ、進みなさいよ」と忠告してくる車。大きなお世話だ。私は安全運転をしているのだ。第一、今、信号は赤になった。最先端の車のくせに信号の色はわからないのか? トミさんは運転しながら車に文句を言う。
 ある日のこと。トミさんは畑で実った大きなスイカを友達に届けることにした。
 走りだすとブザーが鳴った。「ん?」車を止めると音は止んだ。変だな? と思いつつ発進するとまたピィピィーとうるさい。しかたがないので路肩に車を寄せて、トミさんはシートベルトを確認した。きちんと締めている。きっと電気系統の故障だろう。新車だというのについてないな。スイカを届けたら、その足で車のディラーに行かなくては。
友達にスイカを手渡すと、急いで車を発進させた。
「あれ!」あんなにピィピィーうるさかったのに何にも言わない。えっ、どうして?
 ひょとしてスイカ? まさか! スイカにもシートベルトしなきゃいけなかったの?
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