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北朝鮮② 1970

2017年04月22日 14時20分25秒 | Weblog
中国が爆撃機をスタンバイさせ厳戒体制に入る。ロシアが北朝鮮国境付近に軍を移動。昨日の夜から2つの動きが伝えられ、あるかも知れない今週の北朝鮮核実験に対する準備が表面化してきた。
25日は北朝鮮軍創建85周年。来月頭には韓国大統領選も控える。
最悪の事態を回避する為に中国が動いているが先は分からない。ここに来て国連安保理の中で中国とロシアの足並みが揃わなくなってきた。たぶんに駆け引きに長けたプーチンによるものだろうが結果的にロシアの動きが正恩の後押しになるようだと見通しは暗くなるね。
ロシアにすれば仮に正恩体制が崩壊してもどさくさに紛れて北朝鮮に入り込めれば結果オーライになる。歴史的にロシアは南下を目標としているわけで、北朝鮮の一部でも確保すれば目的に叶う。
中国からすると北朝鮮にロシアが入るのは好ましくない。東アジアでのプレゼンスが低下する要因になる。
この辺りの考えの相違が安保理での足並みに影響している可能性はある。
正恩からすると瀬戸際作戦が可能になるので中国、ロシアの相違で強気は変わらないだろう。核実験を強行するかしないかがひとつの分かれ目になる。
強行されれば今後何が起きても驚かない。中止されればそこからは安定に向けた次の駆け引きが始まる。
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人殺しを減らし、平和を目指してきた人類史(5)   文科系

2017年04月22日 08時10分02秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
 国連を作った最大目的である人類平和の実現に関わってこそ何よりもまずこれ、米国対国連という近年の歴史を眺めてみるべきだろう。以下の出典はすべて、「国連とアメリカ」(最上敏樹・国際基督教大学教授 2005年刊)である。

『80年代は、国連は無力で無用だという(あまり精確とは言えない)イメージが最も広範にもたれていた時期だったが、それは同時に、アメリカが国連システムから離反を繰り返していた時期でもあった。ILOやユネスコから脱退しただけでなく、世界保健機構や国連食糧農業機関や国際原子力機関などとも軋轢を起こしている。(中略) 米国の要求に応じなければ、当時国連予算の25%だった分担率を20%に引き下げるという法律を成立させて世界を驚かせたのも、この同じ時期、1985年のことである。(中略) 要求とは、1国1票制をとっている国連総会の表決方式を変えて、IMFや世界銀行のように、出資額に応じて持ち票数を変える方式にせよというものだった』(同書173~174ページ)

 さて、このアメリカが冷戦が終わった直後に起こった湾岸戦争の頃からさらに、21世紀初頭のイラク戦争では決定的に、国連と対立することになっていった。以下は、その時の国連事務総長アナンの言葉、立場を紹介したものである。

『「私たちはいまや大きな岐路に立たされています。国連が創設された1945年にまさるとも劣らない、決定的な瞬間かも知れないのです」。
 2003年9月23日、第58回国連総会開会日の冒頭演説で、アナン事務総長はそう述べた。その年の3月にイラクで戦争を始めたアメリカを、名指しではなかったものの厳しく批判した直後である。
 そしてアナンは続けた。「その1945年は先見性ある少数の指導者たちが、フランクリン・D・ローズヴェルト大統領に導かれ、精神的な促しを受けて、20世紀の後半分を前半分とは違ったものにしようと決意したのです」』(同「序のiページ」)

『「今日に至るまで、国際の平和と安全に対する幅広い脅威と戦い、自衛を超えた武力行使をすると決める際には、唯一国連だけが与えることの出来る正当性を得なければならないという理解でやってきました」。にもかかわらず、先制攻撃の権利といった根拠で武力を行使する国が現れた──。
 それは「いかに不完全であれ、過去58年間、世界の平和と安定のために頼りにされてきた大原則に根底から挑戦するものなのです」と彼は言う。つまり、「単独主義的で無法な武力行使の先例を作ってしまうもの」なのだと言うのである。アメリカにとっては厳しい批判だが、総会議場は長い拍手に包まれた』(同232ページ)

この事務総長は次第にアメリカに嫌われるようになっていた。特に対イラク戦争への否定的な反応に対してである。開戦時にもあの戦争が国連憲章に合致しない(つまり「国際法違反」ということである)と明言したし、イラクの復興になかなか国連を関与させないアメリカのやり方も批判した。(中略) 機構の原理原則はあくまでも多国間主義なのだから、単独行動主義を阻止することは、むしろ事務総長の(正確には「国連のあらゆる部署の」)責務になるからである。実際、加盟国の単独行動主義にこれほど正面から向き合うことになる事務総長は、これまで例を見なかった』(同231ページ)


 国連事務総長から『過去58年間、世界の平和と安定のために頼りにされてきた大原則に根底から挑戦するものなのです』と言われたアメリカはもはや平和勢力ではなくなったのであろう。国力も軍事力も最大の国だからこそ、その国連無視は国連破壊にすら繋がっていく所業になるからだ。よって、国連憲章冒頭のこの言葉への最大敵対国と見て良いとさえ思うのである。 
『われら連合国の人民は、われらの一生のうちに二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い・・・・ここに国際連合という国際機関を設ける』

 同じアメリカの故ケネディ大統領も語っていたように、国連とは唯一のこういう世界機構である。
『戦争にとって代わる唯一の方法は国連を発展させることです。・・・・もし国連を死なせることになったら──その活力を弱め、力をそぎ落とすことになったら──われわれ自身の未来から一切の希望を奪うに等しいのであります』
北にせよ、中国に対してにせよ、「国際法違反である」などと批判する資格は、今のアメリカにはない。国を裁ける唯一の世界機構とその基準をこれだけ酷く無視してきたのだから。そして、『二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い・・・』という国連の最大目的を実現していく道で現在最も厳しい障壁になっているのが、アメリカであると言える。

 平和の実現なんて千年先のような夢物語などと語る前に、世界人士は何よりもまず、国連を尊重させるべくアメリカに物を言うべきだろう。

(終わり)

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