9V-SJF通信

航空関係を中心としたコラムです。

えーっ、そんなものもなくなるの?!

2005-02-19 14:48:15 | general
皆さん、こんにちは。
以前の記事でヲタクの話を取り上げたかと思いますが、「運転士魂」をたまたま見ていたところ、今度は今月一杯で引退する(このことも運転士魂とそこからのリンク記事で知ったのですが)ブルートレインのヘッドマークが盗まれる、という記事が出ていました。この話を聞いたとき、
「えーっ、そんなものもなくなるの?! 」
でした。ブルートレインのヘッドマークともなれば、鉄道好きでなくても垂涎の品で、そのことが「マニアに売れば高値で売れる」「売らなくとも、これは手に入れれば云十万、云百万の品だ」→「何としても手に入れたい」とのことで、ターゲットにされる可能性は高いとは思いますが、それが現実になってしまったのには、いくら世の中全体のモラルが低下したとはいわれているものの、驚きを隠し切れません。

そこにあったリンクから辿っていきましたところ、2004年3月のものですが、日本の一部鉄道ファンの挙動について懸念を示す記事が「海外鉄道旅行愛好者」にありましたので、紹介します。鉄道ファンならずとも、何らかの趣味を持つ人間にとって考えさせられることが多いことだと思います。

この記事は昨年3月、走行中の列車からさまざまな部品を盗んでいた組織が摘発された、というニュースに対するコメントです。詳細は原文「鉄道ファンの横暴に思う・・・」を読んでいただきたいですが、以前、TVでも取り上げられた記憶のあるこのニュース以外にも、運行を中止している碓井線で保管車両が荒れていることに触れ、鉄道ファンのあり方についても書いています。

自分がその路線なり車両が本当に好きかどうかどうかに関わらず、鉄道雑誌などで話題にしている路線や車両を追っかけまわしている、そのことに疑問を呈しています。雑誌・新聞・ネット・TV、さまざまなリソースから入ってくるニュースで取り上げられるものは、ファンとして少なからずとも気にはなります。ファンであれば追っかけてみたい気持ちもわからなくはないですが、自分の心に問いかけてみて、本当にそれに心を惹かれるのか、ということを考えていきたいです。

この記事からリンクされているmattoh氏の記事「盗っ人鉄道マニア」では著者がシドニーへ行った時のことが書かれています。著者が路面列車の博物館を訪ねたとき、周囲にいた人たちは年配夫婦や家族連ればかりで、日本のような「血相を変えて」まで固執する、所謂「マニア」な人達はいなかったそうです。先日、羽田の第2ターミナルに行った時、展望デッキは鈴なりの大混雑でしたが、そこにいた人達の大部分は家族連れなどの一般の方々で、無理なく飛行機を楽しんでいる人達が多かったです。また、成田の航空博物館にある展望デッキにも空港に発着する飛行機を見よう・写真を撮ろうと集まる人達は集まりますが、そこでも多くは無理なく、楽しく飛行機を楽しんでおられました。海外、特にヒースローのSpectators Viewing Area(現在は閉鎖中)の展望デッキになると、メモ帳や各種航空書籍を手にして自分の見た航空機の登録記号(レジ)をチェックする「スポッター」と呼ばれる、羽田や成田よりは専門的に趣味としておられる方の人口が増えますが、血眼になって何かに固執する「ヲタク」はいなく、それぞれ自分のスタイルを楽しんでいる。mattoh氏のいう「ゆとり」を感じさせる印象を受けました。

われわれはとかく、そのものに熱中すると周囲が見えなくなってしまい、ヘッドマーク事件に見られるような犯罪にまで至るのは論外だとしても、自分のやった行為の結果がどうなるか、を忘れてしまう危険性があるなと思います。mattoh氏のおっしゃる「ゆとり」が失われているということは、自分自身いろいろ考えさせられます。熱中するのは非常に良いことです。何事もこだわりを持って作られたもの、表現されたものは心に訴えるものがありますし、自分がそれを本当に好きだからこそ深みが出て、個性的で面白いものに育つのだと思いますが、それが度を過ぎ、方向を間違えると自己中になってしまう、そんな警告のように思えました。

周囲に振り回されず、自分の心に問いかけて感じたものを大切にする、そして決して無理はしない。それが1番なのではないか、そう感じさせられる記事でした。

1 コメント

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ありがとうございます (mattoh)
2005-02-25 22:00:51
 こんばんは。TBありがとうございます。



 鉄道趣味に限りませんが、一部のマナーを守らない趣味人によってその趣味全体のイメージが損なわれてしまうということは何とも由々しい話です。仕事や家事といった生活に直結するモノとは違い、自分の意識の向上を図る意味で必要な楽しみですから、ゆとりを持った行動をしていきたいものですね。



 とはいうものの、私も多少の無理をしてしまうこともしばしばあります。それは時間や金銭といった面でのことですが、こうしたことも含めて余裕を持って行動していくよう努めていきたいですね。