2009年1月14日 13:00開演 梅田芸術劇場
エリザベート:涼風真世 トート:山口祐一郎
ルキーニ:高島政宏 フランツ・ヨーゼフ:鈴木綜馬
マックス:村井国夫 ゾフィー:寿ひずる ルドルフ:伊礼彼方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大阪での「エリザベート」は約3年ぶりでしょうか?
エリザベートが一路さんから涼風さんと朝海さんのWキャストに代わって初めての大阪公演。
今回のエリザベートは涼風さん。「M.A」で歌、演技を拝見ずみでしたが
う~~~ん。やっぱり一路さんのエリザベートがいいなぁ・・・
というのが正直な感想です。
涼風さんは美しいし、歌もお上手でしたが、
エリザベートとしてではなく、どうしても涼風さんとしてしか見られませんでした。
気になった点は、
シシィ=エリザベートとしての成長が歌声からあまり伝わってこなかったこと。
一路さんの場合は、最初のシシィ時代は幼い歌い方で通され、
大人になった時はしっかりした歌い方、晩年になると声色を低くした歌い方に変わり
歌声と成長に一貫性があったんですね。
でも、涼風さんはそれが見られなかった。
「あなたがそばにいれば」のところには
若々しい歌い方の中にも低く歌われる部分があったりして違和感を感じたし、
「最後通告」のところでも「・・・ひとりにしてください」の台詞が
いやに色っぽくて、ここでそんな声を出しても??と感じました。
全体的に見て、エリザベートの心の中にある芯、というか一貫したものが見えてこなかったですね。
歌はお上手ですが、涼風さんの歌を聴いて初めて
「エリザベートの歌は難曲なのだ」と感じたので、一路さんのほうがお上手だったのかなと思います。
高音が少し出しにくかったようで、下から上に絞り上げるような歌い方をされていたのが印象的でした。
それと、ラストの「♪泣いた 笑った くじけ 求めた」のところの歌い方も
これまでの生き方を振り返るような歌い方でなく、まだ「生」の感情がこもった
生々しい歌い方だな、と感じました。
トートの山口さん。
歌唱力のすばらしさは相変わらずですね。年月が経っていることを忘れてしまいそうなほどです。
以前より、ささやきながら歌うところが多かったかな?という気がしました。
ささやき声から徐々に歌に変えていくというアプローチが多かったですね。
ある部分では、ささやくというか子供がしゃべるような声に聞こえたところもあって
「えっ?!?!」と驚いてしまいました。
そういえば、トートがドクトルに扮するシーンで「待っていた、エリザベート!」と
シルクハットを飛ばすシーンで、飛ばした帽子が壁に激突し跳ね返って落ちました・・・
周りはクスッと笑っている人がちらほらと。
ちかごろ私、山口さんが歌われる時の「手」が気になって仕方ありません・・・
あれが山口さんのスタイルといえばそれまでですが、ないほうが良いと思うのですが。
手が出そうになったら、どこかにもたれ掛かかるとか、触るとかしたらどうでしょうかね?
あと、気になったキャストをざっと挙げると、
ルキーニの高島さん。主要キャストがほとんどWキャストの中、ルキーニだけが
出番が多いのにシングルで頑張っておられます。どうしてなんでしょうか?
ゾフィーの寿さん。
坂東三津五郎さんの元奥さん、ということしか知りませんでしたが、お上手な方でした。
ちょっと歌詞を忘れられたところがありましたが、
それ以外は威厳に満ちたゾフィーを完璧に演じられていたと思います。
それとシュヴァルツェンベルク伯爵の阿部裕さん。
この役に関してこれまで何も感じませんでしたが、阿部さんに代わってから
存在感をアピールしている感じがして、非常に目立ち、気になりました。
この方って以前「レ・ミゼ」でグランテール(でしたっけ?始終お酒を飲んでいる役)
を演じられ、後にジャベールを演じられている方ですよね。ジャベールは未見ですが。
演じているキャストの格(と言ったら語弊があるかもしれませんが)によって
役がこんなに変わるのでしょうか?
エリザベートを何度も見ているからかも知れませんが、
このミュージカルは歌舞伎に近くなっているのではないか?と思いました。
つまり「演技」が、歌舞伎の「型」に近くなってきているような気がします。
演出もセットもほとんど変わっていないためそう感じるのかもしれませんが、
ひとつひとつの演技が、ここでこう見せて、ここではこう決めるという
段取り演技=型になってきているのかな?と。
このミュージカル自体が停滞している感じがしました。
次回は朝海さん、武田さんという初見キャストでの組み合わせで観てきます。
エリザベート:涼風真世 トート:山口祐一郎
ルキーニ:高島政宏 フランツ・ヨーゼフ:鈴木綜馬
マックス:村井国夫 ゾフィー:寿ひずる ルドルフ:伊礼彼方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大阪での「エリザベート」は約3年ぶりでしょうか?
エリザベートが一路さんから涼風さんと朝海さんのWキャストに代わって初めての大阪公演。
今回のエリザベートは涼風さん。「M.A」で歌、演技を拝見ずみでしたが
う~~~ん。やっぱり一路さんのエリザベートがいいなぁ・・・
というのが正直な感想です。
涼風さんは美しいし、歌もお上手でしたが、
エリザベートとしてではなく、どうしても涼風さんとしてしか見られませんでした。
気になった点は、
シシィ=エリザベートとしての成長が歌声からあまり伝わってこなかったこと。
一路さんの場合は、最初のシシィ時代は幼い歌い方で通され、
大人になった時はしっかりした歌い方、晩年になると声色を低くした歌い方に変わり
歌声と成長に一貫性があったんですね。
でも、涼風さんはそれが見られなかった。
「あなたがそばにいれば」のところには
若々しい歌い方の中にも低く歌われる部分があったりして違和感を感じたし、
「最後通告」のところでも「・・・ひとりにしてください」の台詞が
いやに色っぽくて、ここでそんな声を出しても??と感じました。
全体的に見て、エリザベートの心の中にある芯、というか一貫したものが見えてこなかったですね。
歌はお上手ですが、涼風さんの歌を聴いて初めて
「エリザベートの歌は難曲なのだ」と感じたので、一路さんのほうがお上手だったのかなと思います。
高音が少し出しにくかったようで、下から上に絞り上げるような歌い方をされていたのが印象的でした。
それと、ラストの「♪泣いた 笑った くじけ 求めた」のところの歌い方も
これまでの生き方を振り返るような歌い方でなく、まだ「生」の感情がこもった
生々しい歌い方だな、と感じました。
トートの山口さん。
歌唱力のすばらしさは相変わらずですね。年月が経っていることを忘れてしまいそうなほどです。
以前より、ささやきながら歌うところが多かったかな?という気がしました。
ささやき声から徐々に歌に変えていくというアプローチが多かったですね。
ある部分では、ささやくというか子供がしゃべるような声に聞こえたところもあって
「えっ?!?!」と驚いてしまいました。
そういえば、トートがドクトルに扮するシーンで「待っていた、エリザベート!」と
シルクハットを飛ばすシーンで、飛ばした帽子が壁に激突し跳ね返って落ちました・・・
周りはクスッと笑っている人がちらほらと。
ちかごろ私、山口さんが歌われる時の「手」が気になって仕方ありません・・・
あれが山口さんのスタイルといえばそれまでですが、ないほうが良いと思うのですが。
手が出そうになったら、どこかにもたれ掛かかるとか、触るとかしたらどうでしょうかね?
あと、気になったキャストをざっと挙げると、
ルキーニの高島さん。主要キャストがほとんどWキャストの中、ルキーニだけが
出番が多いのにシングルで頑張っておられます。どうしてなんでしょうか?
ゾフィーの寿さん。
坂東三津五郎さんの元奥さん、ということしか知りませんでしたが、お上手な方でした。
ちょっと歌詞を忘れられたところがありましたが、
それ以外は威厳に満ちたゾフィーを完璧に演じられていたと思います。
それとシュヴァルツェンベルク伯爵の阿部裕さん。
この役に関してこれまで何も感じませんでしたが、阿部さんに代わってから
存在感をアピールしている感じがして、非常に目立ち、気になりました。
この方って以前「レ・ミゼ」でグランテール(でしたっけ?始終お酒を飲んでいる役)
を演じられ、後にジャベールを演じられている方ですよね。ジャベールは未見ですが。
演じているキャストの格(と言ったら語弊があるかもしれませんが)によって
役がこんなに変わるのでしょうか?
エリザベートを何度も見ているからかも知れませんが、
このミュージカルは歌舞伎に近くなっているのではないか?と思いました。
つまり「演技」が、歌舞伎の「型」に近くなってきているような気がします。
演出もセットもほとんど変わっていないためそう感じるのかもしれませんが、
ひとつひとつの演技が、ここでこう見せて、ここではこう決めるという
段取り演技=型になってきているのかな?と。
このミュージカル自体が停滞している感じがしました。
次回は朝海さん、武田さんという初見キャストでの組み合わせで観てきます。