テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。

桐島、部活やめるってよ

2014-01-13 | 青春もの
(2012/吉田大八 監督/神木隆之介、橋本愛、東出昌大、大後寿々花、清水くるみ、山本美月、松岡茉優/103分)


 (↓Twitter on 十瑠 から(部分的に修正しています)

息子がレンタルしてきたTSUTAYAの袋に入っていた「桐島、部活やめるってよ」。二日後に返却日を迎えた所で、ちょいと時間が出来たので観てみる。返却日までもう一度観ようという気力も余裕もないし、今後も多分観ないだろうから、ざっとした感想を書いておこうと思う。
 [ 1月 12日 以下同じ]

感想の第一は、映画の出来とは関係ないんだけど、あの人間関係のめんどくささ。特に女子高生。どうしてアノ年頃の女の子って自分の内面センサーばっかし化け物のように発達してるんでしょうかね。そして、あれって現実に近いんでしょうかね?いやだいやだ。

ある高校の生徒達の微妙な人間関係を、バレー部のエースである桐島が突然学校に姿を見せなくなり、やがて広まっていく彼が部活を辞めるという噂を軸に描いた群像劇だけど、映画サイトで主役のように書かれている 神木隆之介扮する映画部の子って、大して桐島には関係ない。

同じシーンを別の角度から描いて見せるという趣向が使われているが、台詞の中にタランティーノの名前が出てくるので、彼へのオマージュなんでしょう。その技術の効果が殆ど見られず、ただ尺が無駄に長くなっただけという結果まで、タラちゃんを踏襲しておりますな。

桐島の親友役の菊池に扮したのは、現在NHKの朝ドラ「ごちそうさん」の主役の 東出昌大。終盤で映画に情熱を燃やす隆之介君の言葉に涙し、再三部活動への参加をもちかけていた野球部の練習を見ている所で終わるのは、彼の心境の変化を描いているのでしょうが、彼の心情は良く分からなかったなぁ。

菊池はスポーツも万能で彼女もいて、多分成績もそこそこなんだろうけど、映画部のさえないオタクや、来るはずもないプロのスカウトを待って練習に打ち込む野球部キャプテンを見て、自分には彼らが持っている情熱が無いと感じたのでしょうが、映画的な表現として不十分と感じましたな。

あえてお薦め度を書くならば、★二つ。★三つの「一見の価値あり」に近いけど、やっぱり「悪くはないけどネ」だな。

「桐島」について備忘録。桐島の彼女役が福岡出身という山本美月。TVでの印象と違って、茶髪のロングへアーにゆったりとしたウェーブをかけて高校生にあるまじき色気がある。仲間のちょっとした言動に切れる所もいかにも今風でリアリティがあった。
 [ 1月 13日 以下同じ]

橋本愛ふんするバドミントンの女子部員。神木隆之介扮する映画部のオタクと、マニアックなエログロ作品を上映している映画館でばったり逢ってしまい、オタクにジュースを奢らせてほんのりと恋心を抱かせてしまうが、実は彼女には・・・という設定は面白かった。

「桐島」。夕べお茶の間で一緒に映画を観ていた女房には全く面白くなかったに違いない。同じシーンをもう一度別の視点で描くなんて、TVでは犯罪サスペンスの回想シーンくらいしかないからね。映画のリズムもかなり単調だったし。役者の声も相変わらず聞き取りにくいので日本語の字幕を付けた。正解。

女房に「桐島」での同じシーンを別の視点から描いた点について話すと、彼女も視点の差に(描かれたものの)明確な違いがあったり新たな発見があるでもなかったよねと、同じような印象をもっていた。意外に観てたな。

*

 一昨年、2012年の日本アカデミー賞で、作品賞、監督賞、編集賞(日下部元孝)、新人俳優賞(橋本愛、東出昌大)、話題賞を受賞し、脚本賞(喜安浩平、吉田大八)にもノミネートされたそうです。
 日本テレビの製作なんで、政治的な力も発揮されたのかな?
 エンドロールで『♪陽はまた昇る』を唄っているのは、去年何かと話題になってた高橋優だ。





※ ひと月後の再見記事はコチラ


・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 テアトル十瑠
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タランティーノ (オカピー)
2014-01-17 20:47:19
「パルプ・フィクション」趣向自体が「現金に体を張れ」と「羅生門」を合体してもじったものと思っている為、それほどのものではないと思っている上に、こうも似たような趣向を使われると、鑑賞本数をこなしている人間にはマイナスにしか働かない感じです。そうでなくてもくどいですよね。
もっとストレートに青春模様を描いて短くした方が個人的には好感が持てたでしょう。
恐らくそれでは話題にならなかったと思いますが。

>人間関係のめんどくささ
現実に近いのではないか、と感じました。
携帯やネットの普及で却って、僕らの若い頃より多分面倒くさいのです。
共学校でなかったので、女生徒との関係がなかったから、僕らの高校生活は実にシンプルでしたよ。
そう言えば、わが甥が明日からセンター試験。昔を思い出してこちらも緊張する^^

>菊池
僕も彼の心情は解らなかったですTT
オカピーさん (十瑠)
2014-01-18 09:43:24
>携帯やネットの普及で却って、僕らの若い頃より多分面倒くさいのです

TVなどで盛んにいじめ問題やら話題になっていますが、相変わらずそれらに起因したと思われる子供の自殺は絶えませんしね。
教育委員会ごときには解決できない問題だと思います。
日本アカデミー賞最優秀作品賞 (マンハッタン坂本)
2014-01-28 11:25:48
その他、最優秀監督賞、編集賞も受賞。
ついでに、キネ旬ベストテン第2位です。
だから何なの?と思われるかもしれませんが、つまり映画人が高く評価している映画だということです。政治的な力とは関係なしに。
昔風に言えば、青春映画の金字塔。
と書いたからと言って、70年代育ちのオヤジである僕自身そこまで面白い映画だとは思わなかったけれど。
直木賞作家・朝井リヨウの原作を映画を見る前に読んだんだけれど、現役高校生にしか理解できないような言葉で綴られた原作に比べれば、監督の吉田大八は上手く映画的にまとめたなと思う。監督にしても原作者世代と20年くらいギャップがあるのに。
原作はさておき、映画化作品を鑑賞して面白いと感じとれないのは、やはり我々がオヤジって証拠ですよ。
若者の生態を理解する必要はないけれど、自分たちの高校時代と変わらない何かが発見できれば、(僕の場合、神木くんとか大後寿々花の想いに共感できた。)僕らにとってもいい青春映画になるのではないでしょうか。
マンハッタン坂本さん、いらっしゃいませ (十瑠)
2014-01-28 22:24:48
この作品の受賞歴については、記事中にも書いておりますので重々認識しております。

>だから何なの?

全くその通りで、大体どの記事にも受賞歴等書いているのは備忘録としてであって、それ自体が、お薦め度に影響することはあり得ませんです。

>僕の場合、神木くんとか大後寿々花の想いに共感できた。

僕には彼らは、どこかで見て来たような人物なのでそれほど面白みは感じなかったですね。
寧ろ、菊池や彼の彼女や、桐島の彼女、橋本愛ふんするバドミントンの女子部員なんかに、新人類(いやーっ、旧いなぁ)を感じて興味をそそられました。

1回しか観てないので、もう一度見直せば★二つ→三つになる可能性はあります。いずれにしても、★二つ以上は見ても損はないというお勧め度ですので、誤解なきようお願い申し上げます。

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□作品オフィシャルサイト 「桐島、部活やめるってよ」□監督 吉田大八 □脚本 喜安浩平、吉田大八□原作 朝井リョウ □キャスト 神木隆之介、橋本 愛、大後寿々花、前野朋哉、岩井秀人、東出昌大、山本美月、       松岡茉優、清水くるみ、落合モトキ、...
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