テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。

ガープの世界

2008-11-20 | ドラマ
(1982/ジョージ・ロイ・ヒル監督/ロビン・ウィリアムズ、メアリー・ベス・ハート、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、ヒューム・クローニン、ジェシカ・タンディ/137分)


 結婚に縛られたくはないが子供は欲しい看護婦ジェニーは、戦時中の病院内で殆ど寝たきりながらアレだけはいつも突っ立っているという兵隊と出会い、彼を看護するうちにレイプ同然に彼の精子を受精する事に成功する。出来たのは男の子。傷病兵の名前をとってT・S・ガープと名付けられたその子は、ジェニーの熱心な子育ての甲斐もあり想像力豊かな少年に育つ。
 大学時代に好きになった女学生ヘレンが『将来は作家と結婚するの』というので、ガープは卒業後にNYに行って作家修行をする。一緒に付いてきたジェニーも息子に刺激されて一冊の本を書き上げるが、ウーマンリブ運動盛んなご時勢にのっかり見事なベストセラーとなる。大金持ちになったジェニーの家は不幸な女性達の駆け込み寺のようになるが、ジェニーは全てを受け入れた。
 ヘレンと結婚し、二人の男の子にも恵まれ幸せな人生を歩むガープ。夫婦で映画に出かける時に雇った18歳のベビー・シッターにちょっかいを出すも、ヘレンに気付かれることはない。自分にそんな秘密が発生するのなら、妻にだって同じ様なことが起きても不思議ではないのに・・・。

*

 グダグダと書きましたが、内容はそんな波瀾万丈と言えなくもない奇妙なジェニーとガープの人生を淡々と描いた作品です。人生とは真にオカシク、面白く、また時に怖くて悲しみに満ちあふれている、そんな事を感じさせてくれる映画です。「フォレスト・ガンプ」とか「シッピング・ニュース」なんかを思い出しそうな映画ですね。
 原作がジョン・アーヴィングなので彼の原作の「サイダーハウス・ルール」を思い起こす所もあり、ロイ・ヒルの語り方もハルストレムみたいだなぁと思って観てました。

 ガープにはロビン・ウィリアムズ。若いなぁ。後年のコミカルな感じはなくて、異常ともいえる出生ながら、至極まともな役柄でした。


 奥さんのヘレンには、前回のポートレイト問題で紹介したメアリー・ベス・ハート。元のご主人は「蜘蛛女のキス」でオスカー受賞のウィリアム・ハート。現在のご主人は「タクシー・ドライバー」などの脚本で有名なポール・シュレイダーです。
 ウディ・アレンの「インテリア」の時にはショート・ボブのヒステリックな女性を演じてましたが、今回のは大学の先生をしながら主夫兼作家の旦那と暮らすお利口さんな笑顔の素敵な女性の役でした。ほんの出来心の火遊びが不幸をもたらすのですが、乗り越え方も素敵でした。

 ロビン・ウィリアムズとは4歳違い、メアリー・ベス・ハートとは1歳違いのグレン・クローズ(ジェニー役)は、これが映画デビューとのことで、アカデミー助演女優賞にノミネートされたそうです。やっぱ上手いや。

 同じく助演男優賞にノミネートされたジョン・リスゴーは、駆け込み寺でジェニーを手伝う性転換した元フットボール・プレイヤー、ロバータ・マルドゥーン役。噂には聞いていましたが、想像よりはグロテクスじゃなくて可笑しくもなかったです。
 ヒューム・クローニンとジェシカ・タンディは、ガープのおじいちゃんとおばあちゃんの役。最初の方にちょこっと出てきます。

 そうそう、子供時代のガープが記憶にない父親を想像するシーンで、アニメーションが使われてました。60歳でも若い感覚のヒルさん。淡々とした中にもユーモアやサスペンスがあり、飽きさせない2時間20分でした。

 尚、オープニング・ロールは裸んぼうのガープ赤ちゃんがジェニーに高い高いされてふわふわ浮いている映像で、バックに流れるのがビートルズの「♪When I'm Sixty-four」でした。




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6 コメント

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いい映画ですよね。♪ (viva jiji)
2008-11-20 14:57:40
飛んだり跳ねたりする映画の、底の
浅さが日に日に身にしみるこの頃、
このようにちゃんと作ってくれていた
時代のアメリカ映画を観るとなんとなく
ホッコリしませんか、十瑠さん?♪

ビートルズのこの曲ね、
私の記憶によるとジョンがヨーコに
贈った愛のメッセージソングなんですってね?
毛が抜けたおじいちゃんやおばあちゃんに
なっても愛し合って行こうねって・・・
ちなみに
今の64歳は若いけんどね~
色々な意味でイイ映画でしょう (十瑠)
2008-11-20 17:08:01
充実した2時間を過ごせることと、も一つは、多分膨大な原作を苦労して読まなくてもエッセンスは掴めるだろうから。
今回はとりあえず一回で書いてしまいましたが、1週間レンタルなので、あと2回は・・^^

>ジョンがヨーコに贈った愛のメッセージソングなんですってね?

そうなんですか? でも唄ってるのはポールですよね。何となく曲調もポールの味がするんですよね。この辺は博士に来てもらいたいなぁ
お呼びになられたようなので (オカピー)
2008-11-21 03:42:57
じゃじゃじゃ~んと登場。

>"When I'm Sixty-four"
厳密にはポールがジョンがヨーコに話したことをモチーフに作曲した曲である、と僕は記憶しております。あるいはジョンとヨーコに勝手に贈ったのだったかも。

ジョンがそんなことをインタビュアーに語ったその日に皮肉にも射殺されてしまったようにも記憶しております。

もう28年も経っているけれど、思い返しても涙、なみだ。

>ハレストレム
確かに、そんな匂いがしますね。
どうも~ (十瑠)
2008-11-21 08:19:17
なるほど、そういういきさつのある曲でしたか。ありがとうございました。

「サージェント・・・」のアルバムには本当にイイ曲が多くて、「♪A Day in The Life」の最後の音が聞きたくてTubeを探しました。
若いビートルズやらミックやら、マリアンヌも出てきますよ。

http://jp.youtube.com/watch?v=gZez_k4vAzU
動画に観ホレてまって・・・ (viva jiji)
2008-11-21 10:28:41
お味噌汁、煮立ってまったっしょ!(爆!)

2分くらい経過したとこでモンキーズの
毛糸帽かぶってた男の子、一瞬写ってなかった?
もちょっとしてから3分目くらいにそのモンキーズ男の子、ジョンと親しげに話してなんぞしてからにして・・・(--)^^

プロフェッサー、丁寧なお答えに感謝♪
28年前も経ったのね・・・感慨ひしひし~
拙宅にもお立ち寄りありがとうございます。


千昌夫が唄います、「♪味噌汁の詩」 (十瑠)
2008-11-21 11:47:14
銀世界になってしまった札幌の写真、昨日見せていただきました。こちら南国福岡ですが、寒波のせいで博士の所より早めに炬燵出しましたです。

>モンキーズの毛糸帽かぶってた男の子

マイク・ネスミスって言ってましたね、確か。今、どうしてんだろう?
それにしても、あの頃の彼らって髭男爵ばっかですな。インドかぶれというのでしょうか。

もうすぐ、12月8日か・・・

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映画評「ガープの世界」 (プロフェッサー・オカピーの部屋[別館])
☆☆☆☆(8点/10点満点中) 1982年アメリカ映画 監督ジョージ・ロイ・ヒル ネタバレあり