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2017-06-16 13:36:45 | 日記
域社会を追いつめる野生ザル


過疎、高齢化が進む鹿児島県さつま町。
春の収穫期。
数十頭のサルの群れが農作物を目当てに下りてきます。
その様子です。
1頭の若いオスザルが大根を食べ始めます。
それでも人は追い払いに来ません。


数分後、仲間も集まりすべての大根を食べてしまいました。
農家の担い手が減る中、さつま町では小規模な畑で糖度の高い農作物を作る人が少なくありません。
サルが狙うのはそうした作物です。

農家
「畑も荒れ放題、田んぼも荒れ放題。
もう収穫ができない、作っても。
もう全滅だもん。」


人口の減少と糖度の高い農作物を作るようになったことで下がり始めた、サルと人間の境界線。
このことがサルの個体数に影響を与えているといいます。
野生のサルの出産回数を調べた、東洋大学の室山泰之さんです。



木の実など自然のものを食べる屋久島のサルは、およそ3年に1回10年で3頭を産むペースでした。
ところが畑を荒らす三重県大山田のサルは、10年で7頭を産むペースで出産していました。
境界線の変化は個体数の増加までもたらし、農地の被害をさらに拡大させるというのです。



東洋大学 室山泰之教授
「今の状態だと、どうしても農作物の被害が起こりますから。
被害が起こる以上、個体数が増えて、また新しい被害地が生まれるということで。
農作物を食べられないようにしないと、悪い連鎖は断ち切れないです。」



サルと人間社会の接近は新たな問題を生み出しています。
南さつま市坊津町の住宅街です。
4年前、片足のないオスザルが現れ、次々と人に危害を与え始めました。
この女性は自宅付近でサルと遭遇しました。



被害にあった女性
「こんな状態で来てガブッてやって、『こら!』って言った時にはパッと離す。





傷があるでしょ、これがそう。
3か所ですね、残ってますでしょ。」




この女性は玄関で。


被害にあった女性
「これくらい開けたところで、いきなり右足のふとももですね、ここかまれました。
もちろん着ているものも土間も、血だらけになりました。」



中には皮膚が裂ける大けがを負い、入院を余儀なくされた人もいました。
当時の被害記録を調べたところ、人間社会に入り込んだサルがまず、ある動物に危害を与え始めたと書かれていました。


“子猫を振り回していた。”

“近所の猫が、かみ殺された。”






町には野良猫が多く、キャットフードをあげるお年寄りが少なくありません。
この女性は、家族が町を離れ1人の時間が増えたため、猫をかわいがり餌をあげるようになりました。

女性
「あたしが(エサを)食べさせるもんだから、こうしてついてくるんですよ。」

自治体はこのキャットフードをサルが狙ったと考え、チラシを配り、餌を放置しないよう呼びかけました。
町が仕掛けたカメラの映像にも、猫を執ように追いかけるサルの姿が映っていました。
片足のない同じサルでした。


このサルはメスを求めて群れを離れ、単独で行動するハナレザルと見られていました。
餌を求めて食べ物が豊富な集落に出没する機会が増えると、人との接触が起こり、危害を与える可能性が出てくるのです。
女性のお年寄りを中心に人に危害を与え続けたサル。
被害者の数は4年間で60人以上になりました。



事態を重く見た町は去年(2013年)2月、サルを懸賞金付きで指名手配。
その半年後、山の中で発見し射殺しました。





同じように人に危害を与えるサルの事例は今、全国で相次いでいます。
4年前には、静岡県三島市などで118人が被害に遭いました。




東京大学大学院 大西賢治研究員
「ハナレザルの方が人里に下りてくるので、そういう機会(人的被害)は多い。
山の中で生活しているところから人里に下りてくる機会が増えれば、こういうこと(人的被害)が起こる可能性は上がる。」

地域社会を追いつめる野生ザル

ゲスト大井徹さん(森林総合研究所野生動物研究領域長)
●自分の集落の中で突然サルに襲われる恐怖


あの映像で映っていたのは、かなり特殊な経験を持ったサルだと考えています。
山の中でサルは、ああいったふうな行動はしません。
原因として考えられますのは、今、全国で広がってる農業被害の問題です。
農業被害対策が十分に行われないなどすると、人になれていくサルがどんどん増えてきます。
そういったサルの中から、ああいったサルが誕生したものだというふうに考えられます。
ビデオではハナレザルでしたが、群れのサルでも同様です。

●人間とサルの距離が近くなった理由とは?


これはサルの生息地の変化と関係あると思います。
突き詰めれば、人間の生産活動とも関係あるんですけれども、かつてはサルの生息場所と、人間の生活域の中に、バッファーゾーンがあったんですね。
(緩衝帯みたいな?)
緩衝帯です。
その地域が今、里山といわれているような所で、そこではかつて、まきや炭の生産のために、短期的な伐採が行われてました。
伐採してはまた木の成長を促してまた切る、10年くらいの周期でそれが行われていました。
そのために比較的若い見通しのよい林になってたんですね、人の手入れもありましたから。
そういった地域から、地域の利用がなくなって、かつ農山村の過疎化が進んでますから、手入れする人もいなくなって木々が生い茂って、サルだとか、ほかの野生動物の餌を大量に生産するような環境になったんです。
そこも野生動物、サルを含めた野生動物が利用するようになったんですけれども、そこまで下りてきたサル、あるいは野生動物に目についたのは、農作物と、人間が作ってる食べ物です。
人間が作ってる食べ物は山の中の食べ物よりも高栄養で、まとまってありますので、摂取効率がいい。
サルたちは生存するために食べ物を探すのに必死です。
里の食べ物に引かれていくのは当然です。

●人が減ってきている中、どんな対策が有効か?

そうですね。
まず農作物とか、人の食べ物、サルに食べてもらっては困るものを守る、柵とか電気柵を使って守るということです。
またそういったものを狙って出てくる動物たちを、犬などの力を借りて追い払うという対策。
(そういった犬の対策を取っている所もすでにある?)
そうですね、かなり広い地域で取られています。
さらにやむをえない場合には、捕獲をするという対策もあります。

シカが急増! 長野県の危機

年間8,000万人もの観光客が訪れる長野県。
今、その観光業が野生動物によって危険にさらされようとしています。
信州大学の竹田謙一さんは、動物による環境異変の実態を調査しています。


信州大学 農学部 竹田謙一准教授
「こういう幼木も葉がついているように見えますけど、みんな枯れていて、この木も完全に死んでますね。」





立ち枯れの原因はシカの食害。
竹田さんの調査から、被害は県の全域に広がっていることが分かってきました。
南アルプスの山々を覆っていた色とりどりの高山植物。




しかし、その姿は一変。
山肌がむき出しの状態になり、大雨などで斜面が崩壊する危険性が高まっています。
シカが異常に増加して草花を食べ尽くしたのです。




これまで3万頭前後で推移していた生息数は2000年以降、急激に増加。
その数は3倍以上となっています。
ハンターの減少や牧草地の増加が、主な原因と見られています。





その結果、これまで標高の低い所にあった生息域が拡大。
3000メートル近い高地にまでシカが現れ、草木が消えようとしているのです。





信州大学 農学部 竹田謙一准教授
「観光を考えると、登山客が期待する風景がなくなるということは、ただ単に自然の破壊だけでなく、経済的なデメリットも今後相当大きくなる。」

シカ急増に思わぬ要因?

近年、その増加に意外なものが関係していると指摘されています。
シカの不思議な行動が目撃されている八ヶ岳のふもとです。

「あっ、いた。」

国道沿いに何頭もシカが姿を現しました。


「また来た。」

すると、シカは餌となる草がないにもかかわらず、20分以上も道路をなめ続けました。
こうしたシカの行動が撮影されたことはほとんどありません。
シカは一体、何をなめていたのか。


「ちょうど、この辺りをなめてたんでしょうか。」

現場に残された水分を採取し、分析を行いました。






検出されたのは高濃度の塩分。
通常の道路に比べると30倍以上の値です。
大量の塩分をもたらしたのは、冬場、道路の凍結を防ぐためにまかれる塩化ナトリウムでした。




長野県では交通の利便性を高めるため、この10年で700キロ以上道路を延長。
シカの生息範囲拡大につながったとされています。
それとともに凍結防止剤の使用量は年々増え、今では年間1万5,000トン。
10年前の3倍にも及びます。


岡山大学 農学部 坂口英教授
「なめてますね。」

この塩がシカの増加とどのような関係があるのか。
草食動物の生態を研究する、岡山大学の坂口英さんです。




シカは食べ物を消化吸収する際に塩分を必要とします。
塩分が不足すると死につながるため、動物園では餌と共に必ず塩を与えています。
野生のシカは、冬になると山肌が雪で覆われるため、岩や土に含まれる塩分の摂取が難しくなります。
交通の利便性を高めるためにまいた塩が、シカにとって厳しい冬を乗り切るための貴重な栄養源となったというのです。



岡山大学 農学部 坂口英教授
「食べるものが冬なので(少ない)、ナトリウム(塩)が足りない。
雪があるところで塩場を供給している。
栄養状態を改善し、生きる力を与えていると思います。」

シカが急増!長野県の危機

急増するシカを減らすため、県は捕獲数をこの10年で4倍に増やしました。
しかし、シカの捕獲を担うハンターの数はピーク時の5分の1にまで減少。
このままでは担い手がいなくなると懸念されています。


そこで小諸市は去年、野生動物の専門家を全国で初めて常勤の職員として採用しました。
生息数の調査をもとに、適正な頭数を捕獲するなどの対策を行っています。

小諸市 野生鳥獣専門員 竹下毅さん
「キラキラするのは動物は嫌いなので、根元の方に。」

さらに市ではこの専門の職員の指導の下、ほかの職員にもシカの知識や管理のしかたを伝え、野生動物との共存を模索しています。


小諸市 野生鳥獣専門員 竹下毅さん
「私のような計画を立てられるような若手、人材をつくるのも仕事。
シカの絶滅ではなく、増えすぎないよう生態系のバランスをとるのが重要。」

シカ急増の原因は?

●塩をなめている長野のシカ、どう見る?


私も初めて見ました。
珍しい現象だと思います。
しかし野生動物っていうのは、特に草食獣は慢性的な塩分不足だというふうに言われています。
そのため、ああいうふうにシカが集まってくるんだと思いますけれども、あれだけ多くのシカが集まってきているというのは驚きでした。
(それだけ多くのシカが、あの地域にいるという現われ?)
そうだと思います。

●繁殖力、頭数増加への影響は?

塩の影響で繁殖力が増強されるという、そういった検証はまだなんですよね。
これからの研究課題だと思います。

●なぜここまでシカが増えた?

1つは、ほかの野生動物と同じように、第2次大戦直後まで乱獲されていたということがあります。
そのために国が、メスジカの狩猟禁止、オスジカの狩猟制限という保護政策を取りました。
その効果が1つ上がったということになります。
もう1つは、シカの生息地の開発です。
1950年代後半から70年代前半まで木材への需要が高まったものですから、国が拡大造林政策というのを取りました。
広葉樹の林を切って、そこにスギやヒノキを植えるという政策です。
そこで一時的に大面積の伐採地が出来たんです。
そこは光環境がよくなって、シカが好物である草とか、かん木が生い茂る所になりました。
森林の中にシカのいい餌場を作ってきたということになります。
と同時にですね、国民の乳製品や肉に対する、牛肉に対する要求が高まって、その需要を満たすために、牧野の開発が森林中に行われました。
そこでもシカの餌場が出来たわけです。

●国は政策でシカや害を与えるサルなどを10年後までに半減させようとしているが?

シカとかイノシシとか、数が増え過ぎて、問題が深刻になってる動物、彼らは繁殖力も高いですから、捕獲数を倍増するという対策は必要だと思います。
しかしこの対策が、サルとかクマだとか、そういった繁殖力の低い動物にも適用されるとしたら問題で、動物の種類によって適切な対応をする必要があると思います。
また今、シカは27万頭程度捕獲されてます。
それが倍増されると、その死体をどう処理するかという問題が生じます。
そこの手当てもきちんとされる必要があると思います。

●人間と動物、関係を再構築するための最大のポイントは?

そうですね、行政のほうもさまざまな手だてを考えていますけれども、今、足りないのは、野生動物の生態も知り被害対策のスキルも持った専門家を、現場の状況をきっちり把握して適切な対策を実行できる専門家を配置するということだと思います。
共存するためにまだまだ課題はあるかと思います。


未定
次の放送6月19日(月) 午後10時00分
未定

No.34952014年5月13日(火)放送
健康食品が変わる 規制改革の波紋
健康食品が変わる 規制改革の波紋
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健康食品が変わる 規制改革への期待


都内で開かれた健康食品の見本市です。

販売員
「自然由来の製品で作った体感の持てるサプリメントです。」





業界関係者が殺到した講演会がありました。

規制改革会議委員
「規制改革をして、関連産業の振興をはかる。
うまく利用していただいて、みなさま自身も発展していただいて。」


健康食品の機能を表示できるようになれば業界は活性化する。
政府の委員の訴えに期待が高まりました。

健康食品メーカー
「パッケージに書く、広告に使う。
売り上げが伸びていく可能性は秘めている。」

健康食品メーカー
「そういう動きになればいいなと、業界自体もずっと見てきた。
すごく期待しております。」


規制改革が行われる背景には、現在の制度に対する業界の不満があります。
30年前から健康食品事業を手がけてきた、大手水産食品メーカーです。
魚の脂に含まれるEPAという成分が入った健康食品を製造しています。


EPAは50年前から、世界中でその機能が研究されてきました。
メーカーでは大量の論文を収集して分析。
心臓の血管の病気を予防したり、高血圧を抑制するなどの効果が科学的に確かめられているといいます。



水産食品メーカー研究所 辻智子所長
「有効性を人で試験するという論文は、2,500以上発表されています。
膨大です。」




しかしこうした論文をいくら集めても、今の制度ではあいまいな表現しか許されません。

表示・広告担当者
「スポーツの側面に焦点をあてた商品を開発した。」

新商品を発売するにあたって頭を悩ませているのが、機能を表示せずにどう成分の魅力を伝えるかです。


表示・広告担当者
「基本的には、“ラストに驚きのパフォーマンス”をというような表示で、おさめているというのが現状。」





研究担当者
「世界中でお金をかけてエビデンス(科学的根拠)を証明してるはずなのに、それが生かされない。
もったいない気がしてしょうがない。」



規制改革によって機能が表示できるようになれば、売り上げを大きく伸ばせると期待しています。

水産食品メーカー研究所 辻智子所長
「論文によって評価を得たような素材に関しては、かなり踏み込んだ表示ができることが、企業にとっても消費者にとっても、ともにメリットだと思うんですね。
そういう制度になるといいと思う。」

健康食品が変わる 業界の健全化を


規制改革を進めるもう1つの目的。
それは科学的根拠の乏しい健康食品を、市場から締め出すことです。
現在販売されている健康食品の中には、ヒトへの有効性の科学的根拠が乏しいものが少なくありません。
しかしそうした商品でも、巧みな宣伝文句によって買われている現実があるのです。
長年、健康食品の広告作りに携わってきた男性です。
根拠が不十分でも、広告しだいで売り上げは伸ばせると言います。


例えばダイエット効果を伝えたいとき。
「スリム」という言葉は直接的なため、法に触れかねません。
しかしこれを賢いという意味もある「スマート」に書き換えれば、違法と見なされる可能性を減らしながら、宣伝効果は維持できるといいます。


「花粉症」という言葉も使えませんが…。

健康食品業界関係者
「花粉症イコール『春』ということなんで、その『春』という言葉を入れて『デリケート』。
花粉症のもやもや感を表現して、最終的に『ヘルスケア』。
花粉症を伝える表現になります。」

男性は今の健康食品業界は科学的根拠よりも、広告の巧みさを競い合っているのが実態だと言います。


健康食品業界関係者
「いくら研究して、いいエビデンスがあっても、それは言っちゃいけないというルールになっているわけですから、そっちに力を入れようというパワーにならないですよね。
(広告で)イメージさえ訴求して伝わりさえすれば、もうそれで『勝ち組』みたいな形はある。」

この春から本格化した新しい制度を巡る国の議論。
業界団体の代表は表示のしかたが変われば、消費者が科学的根拠の乏しい商品を見分けやすくなり、業界の発展につながると主張しています。


消費者庁検討会委員 日本通信販売協会 宮島和美理事
「まだ一般的に健康食品に不信感を持っているお客様もいらっしゃる。
そういうのをきちんと排除するいい機会だと思います。
きちんとした研究から、商品開発から、販売までをしていかないといけないので、そうじゃないところは乗り越えられないと思っています。」

健康食品が変わる どうなる規制改革

ゲスト松永和紀さん(科学ジャーナリスト)
●相当踏み込んだ規制改革と言ってよいか?


そうだと思います。
初めて聞いたときは、とにかく驚きました。
国の審査がいらないと。
企業が自己責任で表示をできるようになると。
これまでありました特定保健用食品の制度は、国が長い期間をかけてきちっと審査をする、安全性、有効性について審査をして、その上で表示を認めるという制度でした。
それに比べれば、ずいぶんと企業の自由度が上がる大胆な制度だなぁというのが感想です。
(しかも健康食品だけにとどまらない?)
そうですね。
農産物や水産物も恐らく許可されるだろうと、許可ではないですね、表示できるようになるだろうと言われています。
みかんとか、それからお茶などが候補に挙がっています。
(成分が入ってればその機能を表示できるようになると?)
はい。

●規制緩和を受け止める用意、業界側にできているか?

まだできてるというふうには、ちょっと思えません。
というのも、企業の科学的な理解というのには相当に開きがあります。
(科学的な理解?)
きちっと真面目に科学的根拠を追求している企業もありますけれども、あまりそういうことは考えずに、なんとなく昔からの言い伝えで、いい食品があるからとかというようなことで、科学的根拠って何?っていうような反応の企業の方たちもいらっしゃいますので、かなり反応、違いがあるというふうに見ています。

●表示を受け止める消費者はどうか?

もちろん消費者も今のところは、広告宣伝に引かれて買っている、イメージで買っておられる方が多いわけですね。
ですので血液さらさらとか、それからタレントさんの効きますよという体験談で買ってしまっている。
消費者も変わらなければいけません。
(本当に見極める力を持たないといけないということ?)
はい。

健康食品 改革のモデル アメリカの光と影


20年前、健康食品に機能の表示を認めたアメリカ。
病気を予防するために健康食品の活用を進め、業界を発展させるのが目的でした。
健康食品専門の販売店です。
現在アメリカで売られている健康食品は、およそ6万点に上ります。


パッケージには、その商品が体のどの部分に、どう機能するか明確に表示されています。
EPAを使ったこの商品の宣伝文句は「心臓の健康を支える」。
日本で認められていない表現です。

男性
「毎日全部で25粒ほど飲んでいます。
食生活が偏っているので、健康食品で中和しようと思っています。」


創業40年の健康食品メーカーです。
海外向けも含め、現在320点の健康食品を製造しています。
企業がみずからの判断で機能を表示できる制度が、会社の成長を支えてきたといいます。




アメリカで健康食品の表示が決まる仕組みです。
国は機能を表示するためには、ヒトを対象にした試験で有効性が確認されていることなどが必要だとしています。
メーカーはそれに応じた論文を研究機関などから集めて表示を決め、国に届け出ます。
しかし根拠となった論文を調べるなど、国が有効性を審査することは原則としてありません。


健康食品メーカー ブライアン・リッチモンド社長
「国の規制が強いと商品を発売するまでの手続きが煩雑になります。
科学にもとづいて商品を開発し、いち早く販売することが大切なのです。」



商品の表示についての会議です。
ある成分について「関節の動きがよくなる」という論文が発表されたことを知り、早速表示することにしました。

男性社員
「有効成分に関して最近発表された人間での臨床試験の結果です。」


裏付けとなるのは社外から取り寄せた論文のみ。
メーカーが独自に実験を行う必要はありません。

女性社員
「『関節の可動性と柔軟性をサポートする』という表示にしようと思います。」

女性社員
「みなさんいかがでしょうか?」

女性社員
「これで行きましょう。」


新たな制度の導入で、20年ほど前8,000億円だった健康食品の市場は4倍に拡大。
その一方で浮かび上がってきたのが制度の欠陥でした。





一昨年(2012年)保健福祉省は、健康食品の表示に関する抜き打ちの調査を行いました。
効果に疑問を感じる消費者の声が高まったからです。
調査したのは、127の健康食品。
どのような根拠で機能をうたっているか論文を調べたところ、ほとんどが科学的裏付けが不十分でした。
ヒトではなく、動物などでの実験結果しかなかった商品。
中には論文ではなく、30年前に大学生が手書きで作ったレポートを根拠としていた商品もありました。


保健福祉省 食品医薬品局 ダニエル・ファブリカント部長
「調査で明らかになったのは、ほとんどの商品に科学的な裏付けがないという事実でした。
健康食品の制度が抱える課題を、浮き彫りにする結果でした。」



効果がなかったとして、消費者がメーカーを訴える事態も起きています。
3年前、損害賠償請求の対象となったメーカーの健康食品です。
裁判に提出された商品の箱には、「軟骨が再生」「1週間で関節の動きが改善」と表示されていました。


原告の代理人を務めたウェルトマン弁護士です。
成分について調べると、商品がうたっているような効果は確認できないという論文が数多くあることが分かりました。
ウェルトマン弁護士の主張を受け、メーカーは商品を買った1,200万人に対して和解金を支払うことに同意しました。



スチュワート・ウェルトマン弁護士
「科学的根拠のない健康食品が1,000万人から20ドルずつお金を奪ったとしたら、それは1人から2億ドル取り上げることと同じくらい悪いことです。
私たちは『大規模に行われる小さな詐欺』と呼んでいます。
効果のないもので、経済を成長させるべきではありません。」

健康食品の規制改革 日本はどうなる


アメリカを参考に新たな制度作りが進められている、日本。
企業の判断で表示を認めることの弊害をどう防ぐのか。
国の検討会の座長に問いました。





「アメリカのどういう点を批判的に日本では変えていくのか?」

検討会 松澤佑次座長
「科学的根拠が本当に十分になされているか分からないものも入っているとすれば、そういうものは我々としては避けなければならないと思っている。
ちゃんとしたルールで、しっかりと規制していく。
そういう基本方針で今会議を進めている。」

健康食品の規制改革 課題は?

●日本もアメリカのようになってほしくないが?


そうですね。
アメリカでは今、揺り戻し、制度が出来て20年たって揺り戻しが起きていまして、より厳しく表示の要件を求めていったりとか、それから国の機関が調査をしたり、情報提供をしたり、その情報提供も、この成分は効かないですよというようなことを、明確に事業者や消費者に情報提供したりというようなことをしています。
それから市民団体も今非常に活動活発でして、製品を購入して、市場で購入して、含有量、成分の含有量を測ったりとか、それから市民団体自身が調べて、この成分はどうも効かないようだよというような情報提供を、一般消費者の方に分かりやすくするというような活動が活発になっています。

●有効性の裏付け、日本ではどういう方向で議論進められているか?

消費者庁が今機能性表示についての検討会を設定しまして、これまで5回会合が行われています。
その審議を見ていますと、非常にレベルが高い製品にだけ表示を認めようという方向性にあります。
(根拠をしっかりと出さないといけないということか?)
ということです。
安全性、それから有効性、両方ともにきちっと学術的に確認されたものを、それを企業がきちっと調べて、情報を公開すると。
それを前提にして表示してもいいですよというような制度にしようとしています。


(こちらは国立健康・栄養研究所が調べたものだが、ヒトへの有効性についての根拠が多い成分と少ない成分、有効性がヒトに対してあるかないか現時点では分からないものも、成分としてはある。
規制緩和されると、こうした成分についても、企業の自己責任によって機能表示ができるようになる?)


たぶんそうはならないだろうと思います。
今の消費者庁の検討会の議論では、この上のほうの、科学的根拠がかなりしっかりしたものでないと表示をしてはいけませんと。





この辺りではだめですよというような制度にしようとしていますので、そう簡単には表示できないという制度にしようとしていますね、今は。




●チェック体制が必要ではないか?

ええ、そうですね。
業者さんによっては、もちろん真面目にされる方もいらっしゃいますけれども、中には信頼性の低い、ちょっとレベルの低い論文をかき集めて、これだけ論文がそろってるんだから表示していいでしょうということで、表示してしまうような企業も出てこないともかぎりませんので、きちっとしたチェック体制を設けないといけないと思います。
市場に出てからのチェック体制ですね。
国はやっぱりその情報を集めようということで、ホットラインのようなものを設置して、情報を集める。
いろんなところと連携して、何かあったらすぐ対応するというような制度にしようとしています。
(安全性についても、ホットラインを設ける?)
そうですね。
有害事象がそこの電話に連絡が来て、それで保健所とか、いろんな機関で連携を取り合ってというような制度にしたいというような意向を示しています。

●日本の健康食品が信頼性され、競争力のあるものにするためのポイントは?

まず事業者の方々に、当然のことながらきちっと科学的根拠を持った良い製品を作っていただかなければいけません。
それを作るとともに、きちっと情報を公開すると、透明性を高めていただくということ。
で、それをもとに、消費者は判断できなければいけないわけですね。
ですので消費者にもきちんと情報が提供されて、消費者が理解をして、いろんな医療関係者とかのサポートも受けて、きちっと判断できると、合理的な選択をできるようにすると。
その全体の仕組みを国はきちっと監視をして、何か問題があったらすぐに動けると、ホットラインの情報もすぐに有効活用できるというような仕組みが必要だと思います。
(そういった中で生き残っていった商品こそが、本当に競争力のあるものとして選ばれていくといいが?)
そうですね。
そうあってほしいと思います。


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