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愛車 バタバタぐるまのこと

[もう・・限界です・・・」
信頼している整備士の人に言われた。

まだ走らせたい、というこちらの無理な要求に、長年親身になって応えてくれていた整備士さんから漏れいでた言葉なので真摯に受け止めざるをえない。

私の愛車の話だ。
私は車を2台所有している。裕福なことねと侮るなかれ。
どちらの車両も熟成に熟成を重ねた老車である。
ビンテージとかそんなんじゃない。ただ古いだけ。
2台でやっと1台分といった按配だ。
でもそこはかとない侘しさを感じさせるフォルムが気に入っていて、しつこく乗りまわしているのだ。
で今年の3、4月はそろいもそろってこいつらの車検なんである。
1台は、昭和55年式のジムニーという車。
こっちは一足先に車検を終えてまあ一安心。
問題はもう一台、昭和58年式のミニキャブという三菱製の車だ。
こいつがもう車検にとおるとおらないの次元を越えてヒドイ状態だというのだ。

私はいつも自分で車検場に車を持ち込むのだが、とくにメカに詳しいというわけでもないので、事前の調整はいつも世話になっている車屋さんにたのむ。
今回もブレーキの調子が悪かったので、整備に出した。
するとブレーキは言うに及ばず、その他にヒドイを通り越して、正視に堪えない状態というのがぼろぼろ出てきたという寸法だ。
整備士さん曰く、機械として動いているのが奇跡にちかい、とのこと。
で、冒頭の発言である。

二十歳で免許を取って、初めて持った車がこいつだった。
中古で貰い受けてから13年、抱えきれないほどの思い出が、この車には沁み込んでいる。
世間知らずな私を日本中あらゆるところに連れて行ってくれた。
友人たちとの旅行でもお勤めの機会は多かった。
そのオンボロさが逆に旅の思い出を豊かなものにしてくれた。
そのバタバタというエンジン音からか、乗り心地の印象からか、友人たちは、この車のことを敬愛を込めて「バタバタぐるま」と呼んでいる。
なかなか見かけない車であるから、知らない年配のおじさんに話しかけられることもしばしば。
知らないおばさんに、がんばって乗ってるね、と褒められることもしばしば。
つらいことも楽しいこともすべてひっくるめて、いつも何食わぬ顔で私を乗せてくれた。
乗り心地はさっぱりよくなかったが、故障の少ない強い車だった。
オンボロだけれども、みんなに好かれる車だった。
こいつがいたから、素敵な時間を過ごせてこれた・・・

だめだ・・パソコンの画面が滲んできた。このパソコンめ。このパソコンのやつめ。

廃車・・・・切ない言葉だ。

何事も論理偏重のつまらないご時世、いつまでも論理を超えた燃焼機関で時代を逆走して欲しいと思っていたわけだが。
そんなユメも潰えてしまう。
効率ばかりが優先される時代へのアンチテーゼ、そんな高い志を載せて走る車だった。

で、全部正常な状態にまで修理して車検をとおすのに、10万円強はかかるとのこと。
10万円、なんだそんなものか。
と一瞬思ったが、いやいや今の私にそんな余裕は皆無だ。

人間お金がないと、やはり不安に煽られギスギスするのは周知の事実で、そんな高い志や尊い思い出もただの鉄のかたまりにしか見えなくなってくるから不思議なものだ。

「10万から13万円ぐらいかければ直りますが、この車にそれだけの価値がありますか?」
と整備士さんに聞かれて、即答で
「いいえ」
と答えた自分がいた。






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軽自動車のスズキ。その中でも、名機と名高いジムニー。言わずと知れた4WDである。1970年の登場以来、大きなモデルチェンジは、たったの二回。現在、三代目である。そんなジムニーの魅力と、ジムニーらしいいじり方などを解説していきたいと思う。