私が学生だった30年前の労働衛生は、頸肩腕症候群が注目されていた。
電話交換手さんに多い労働災害として問題となっていた。
他にじん肺・けい肺も注目されていた。
今、アスベストで再び注目を浴びているが、厚生省は30年前にアスベストの使用を禁止している。あの頃厚生省が、もう一段積極的に乗り出していれば救えた人が多かったと思う。
未だアスベスト撤去工事を行っている企業も多い。古い施設の解体時には、アスベスト使用の有無を確認してからでないと手をつけられない。撤去工事の中で再び被害が発生すると言うこともありえるのである。
30年前の厚生省の判断は、どう考えても甘かったとしか言えないようだ。。

労働環境・作業に起因する疾病は、因果関係の証明が難しい。
頸肩腕についても何年もの長期裁判を重ねた挙句、やっと認められた事例もある。
じん肺・けい肺については有耶無耶にされてしまったものも多い。
外傷を受けたというような労働安全と言われるものでは作業の仕方、会社の配慮不足が原因としてはっきり見える。だから会社の責任を問いやすい。安衛法も整備されている。
業務中のみならず、通勤時の外傷も今では労働災害として認められる。

しかし疾病の場合、労働災害と認められるに至るハードルは未だ高いようだ。
被災者の側からしても最初から自分の責任・自分の体質と諦めている傾向もある。
因果関係の証明が大変だから、働く側が引き下がることが多くなっている。
ましてや、メンタルヘルスに関ることについては同僚達からの見方も冷たいものがあるようである。
産業界としても、まだまだ試行錯誤しなければならない課題のようだが、「メンタルな疾患に陥ったものは、さっさと職を辞せ」という雰囲気は払拭させて欲しいと思う。
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