OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジャクソン・ブラウン登場

2016-08-27 19:39:06 | Singer Song Writer
Doctor My Eyes / Jackson Browne (Asylum / 東芝)
 
ジャクソン・ブラウンは説明不要、アメリカの有名シンガーソングライターであり、ウエストコーストロックを牽引した人気者ですから、我が国でもレコードはそれなりに売れていたと思いますが、本人の存在意義としての資質というか、殊更英語が日常の言語ではない日本においても受け入れられたのは、自作のメロディに乗っかる歌詞の語感の良さじゃ~ないか?
 
というのが、例によってのサイケおやじの独断と偏見です。
 
もちろんレコードやライブステージで披露される演奏には、常に西海岸派のロック系ミュージシャンが参加しているところから前述したとおり、典型的な1970年代の所謂ウエストコーストロックが楽しめるわけですし、それに安心して身も心もゆだねてしまう心地良さがジャクソン・ブラウンの声と節回しのナチュラルな魅力なのかもしれません。
 
そこで掲載したのは、1972年に発売されたジャクソン・ブラウンの公式デビューシングル盤で、なんとっ! A面収録の「Doctor My Eyes」がいきなりアメリカのヒットチャートではトップテンにランクされるという大快挙として、我が国でもラジオの洋楽番組等々で注目されたほどのキャッチーな人気曲でした。
 
なにしろピアノとベースがリードするイントロからしてボール・マッカトニーが十八番の節というか、ちょっぴりブギウギ調の楽しさが全開ですし、そんなウキウキしたグルーヴをバックに歌い出すジャクソン・ブラウンのボーカルにはちょっぴり諦めムードというか、ヒネクレタ感じさえ滲むロック的な反抗を伝えているような気分にさせられるんですねぇ~、サイケおやじには。
 
それは英語なんか理解出来ないに等しい高校時代に聴いた感性がそのまんま、今でも変わることのない印象でありまして、実はその歌詞の本質には諦観滲む皮肉が込められていた事を後に知ってみれば、ジャクソン・ブラウンの歌の説得力の強さには感服するばかりです。
 
ちなみにレコーディングにはジャクソン・ブラウン(vo,p,g) 以下、ジェシー・エド・デイビス(g)、リー・スクラー(b)、ラス・カンケル(ds,per)、デヴィッド・クロスビー(vo) 等々が参加し、流石の良い仕事をやっている結果は、この「Doctor My Eyes」を含むアサイラムでの最初のLP「ジャクソン・ブラウン1st」でも楽しめますが、こ~ゆ~サウンド作りこそがウエストコーストロックの基本のひとつに認定された事を思えば、同時期に世に出たイーグルスとの親交やシンガーソングライターの大ブームを象徴する存在になったことについても自然に納得させられてしまいますねぇ~~。
 
そして、だからこそ冒頭で述べたとおり、ジャクソン・ブラウンが自作の歌詞には歌う場合の語感までも練り込まれた深慮が感じられるんじゃ~ないでしょうか。
 
ということで、我が国でも同じ頃には歌謡フォークの大ブームがあって、所謂「四畳半」とまで呼ばれていたマイナーなミュージシャンが自作自演をウリにすれば、続々と大手の会社からレコードを制作発表出来ていたという、なかなか幸せな時代があったんですが、ボブ・ディランやエルトン・ジョン、あるいはローラ・ニーロあたりはそれらしく(?)真似出来ても、不思議なことにジャクソン・ブラウンに関しては演奏の雰囲気はコピー出来ても、特有の節回しや語感の心地良さまでは日本語の歌詞には不向きだったようです。
 
逆に言えば、それゆえにジャクソン・ブラウンが英語で歌うレコードには需要があったんですかねぇ~?
 
正直、当時はそこまで真剣に考えていなかったのがサイケおやじの本質でありますから、ただただ、心地良いウエストコーストロックを楽しむというポイントにおいて、ジャクソン・ブラウンを聴いていたのです。
 
それは本日も変わりなく、偽りのない気持ちというわけです。
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