OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

これが復刻されていた

2005-11-03 16:21:30 | Weblog

過小評価されている人に限って、不思議な人気・実力があったりします。

本日のBGMとして、いや、今日は鑑賞ですね――

Whta Matter Now ? / Jean-Philippe Blin (Futura)

ジャン・フィリップ・ブランはフランス人だと思われるピアニストで、タイプとしてはキース・ジャレットとビル・エバンスの中間ぐらいのスタイルです。

このアルバムは、おそらく彼の唯一の作品でしょう。発表されたのは1972年頃だと思われますが、まず、ジャケットが素敵でしょう♪ これだけで欲しくなってしまいますね。

気になる中身はライブ盤で録音は1970年12月、演奏の雰囲気はキース・ジャレットが当時やっていたロックやフォークを入れたスタイルに良く似ていますが、それよりはもっと、ビル・エバンス系耽美派の影響が強く、しかし、ドラムスとベースはロック味が強いという、個人的にはとても好きな雰囲気です。

演目ではキース・ジャレットのオリジナル曲「Lonsome Susy」と「Rainbow」をやっていますし、ボブ・ディランの「Lay Lady Lay」を取上げるなど、完全に意識していますが、これがキースより、私は好きですね。

それはドラムスとベースが、完全にロック・ビートを会得したうえでジャズ演奏をしているからで、リーダーのピアノのアドリブ・フレーズがそれに良く乗っかっているので、気持ち良いこと、この上もなし状態です。もちろんそれはクールな雰囲気、あぁ、ジャズを聴いているなぁ……、という快感です。

他の演目もビル・エバンスの十八番「Alice In Wonderland」や「Someday My Prince Will Come」を聞かせるなど、分かっていますね、こちらが何を求めているかが♪

このアルバムは1970年代前半のジャズ喫茶では隠れ人気盤でしたが、日本への入荷枚数が少なかったので入手出来たひとは少なかったのではないでしょうか。また冒頭で書いたように、こんなに素晴らしいピアニストなのに、おそらく残されたレコーディングは、これっきりのようです。

なんでかなぁ……。どうやら当時の評論家の先生方にはモノマネと決めつけられたそうですよ……。

ところが現在、CDで復刻されています。私もそれで入手して、ようやく愛聴盤扱いになりましたです。キース・ジャレットあたりが好きな人は、必ずや気に入るでしょう。いや、案外モノマネって怒るでしょうか……。

この際だから書いていきますが、私はキース・ジャレットの演奏中の唸り声とか、実演で見せる中腰のケツ振りが大嫌いです。でも、悔しいけれど認めざるをえない演奏が多々、あるんですよね。実際、アルバムを何枚も持っていて好きな作品もかなりあります。

ということで、このアルバム、廃盤にならないうちに入手することをオススメ致します。

コメント
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