帯とけの古典文芸

和歌を中心とした日本の古典文芸の清よげな姿と心におかしきところを紐解く。深い心があれば自ずからとける。

帯とけの「古今和歌集」 巻第四 秋歌上 (246)百草の花のひもとく秋の野に

2017-06-10 19:04:20 | 古典

            


                         帯と
けの古今和歌集

                        ――秘伝となって埋もれた和歌の妖艶なる奥義――

 

国文学が無視した「平安時代の紀貫之、藤原公任、清少納言、藤原俊成の歌論と言語観」に従って、古典和歌を紐解き直している。古今和歌集の歌には多重の意味があり、その真髄は、公任のいう「心におかしきところ」である。人のエロス(生の本能・性愛)の表現で、俊成がいう通り、歌言葉の浮言綺語に似た戯れのうちに顕れる。

歌のエロスは、中世に秘事・秘伝となって「古今伝授」となり、やがて、それらは埋もれ木の如くなってしまった。はからずも、当ブログの解釈とその方法は「古今伝授」の解明ともなるだろう。

 

古今和歌集  巻第四 秋歌上 246 

 

(題しらず)                    (よみ人しらず)

百草の花のひもとく秋の野に 思たはれむ人なとがめそ

                (詠み人知らず・女の詠んだ歌として聞く)

(多くの草の花が、ほころび開く秋の野で、思い巡らし遊び戯れましょう、なに人も咎めないでね……多くの女の端の、ひらく飽きのひら野で、思い火遊び戯れましょうよ、君、とがめないでね)

 

 

歌言葉の「言の心」を心得て、戯れの意味も知る

「百草…ももくさ…多くの草…草の言の心は女…多くの女…おお方の女」「花…草花…女花…女端…女の身の端」「ひもとく…花のつぼみが開く…紐解く…下紐解く…心も身もひらき親しみ合う」「秋…飽き…厭き」「野…山ばではないところ…ひら野」「思たはむれ…思ひ戯れ…思火戯れ…思いの火で遊び戯れ」「む…意志を表す」「人…人々…他人…相手の人…男…君」「なとがめそ…咎めるな…非難するな…気にするな・いやがるな」。

 

秋の花咲く野原で、行楽の一日、女たちで・遊び戯れましょう、なに人も咎めるな。――歌の清げな姿。

女のはなひらく飽き満ち足りたひら野で、思の火遊びして戯れましょうよ、君、とがめて離れ給うな。――心におかしきところ。

 

女が、飽きのひら野でなおも戯れたいと言い、たぶん精根尽きた男がとがめるのを、禁止した歌のようである。

 

(古今和歌集の原文は、新 日本古典文学大系本による)

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