帯とけの古典文芸

和歌を中心とした日本の古典文芸の清よげな姿と心におかしきところを紐解く。深い心があれば自ずからとける。

帯とけの「古今和歌集」 巻第五 秋歌下 (277)心あてにおらばやおらむ初霜の 

2017-09-29 20:02:49 | 古典

            

 

                        帯とけの「古今和歌集」

                       ――秘伝となって埋もれた和歌の妖艶なる奥義――

 

平安時代の紀貫之、藤原公任、清少納言、藤原俊成の歌論と言語観に従って、古今和歌集を解き直している。

歌の表現様式を知り、言の心を心得る人は、歌が恋しくなるであろうと、貫之は言った。

 

古今和歌集  巻第五 秋歌下277

 

白菊の花をよめる        凡河内躬恒

心あてにおらばやおらむ初霜の をきまどわせる白菊の花

(白菊をよんだと思われる・歌……白貴具を詠んだらしい・歌) みつね

(心の当て推量に折ろうかな、初霜が降り・皆同じに見え、折り惑わせる白菊の花よ……心のままに折ろうかな、逝こう、初下の白いもの贈り置き惑わせる、清楚な白いおんな花よ)

 

「折る…逝く…はてる」「しも…下…霜…白いもの」「をき…置き…降り…贈り置き」「白菊…白い女花…清楚な女花…白き具」。

 

どれがいいかな、初霜が降りて折り惑わせる白菊の花よ――歌の清げな姿。

どうしようかな、初しもの贈り置き惑わせる清楚な女花よ――心におかしきところ。

 

女性に優しいみつねの歌。

 

(古今和歌集の原文は、新 日本古典文学大系本による