築地市場の移転先となる豊洲市場の建物下の地盤で、都が当初計画にあった盛り土を
行っていなかったことの問題で、豊洲市場の敷地では、地下水や土壌から
環境基準を大幅に超える有害物質が検出されていた。
盛り土は汚染対策として技術委員会から提案されていたが、じつは地下空間ができていて
水が溜まっていた。
都の専門家会議は2008年7月、敷地全体を2メートル掘り下げて新しい土に入れ替え、
その上に2・5メートルの土を盛ることを提言したという。
汚染物質を遮断するためだ。
その工事を独断で取りやめたことは重大な問題である。
都は設計段階で、水産卸売場棟など、主要施設の下には盛り土をせず、
配管や電気配線のための地下空間を設けることを決めた。
対象は敷地全体の3割強に及ぶ。約850億円の汚染対策工事は、14年10月に完了した。
建物の床部分は厚さ35~45センチのコンクリート製で、土壌汚染対策法上の安全基準
は満たしているという。
だが、盛り土をしない場合の安全性について、専門家と協議しなかったことに
関係者から批判が出ているのはもっともだ。
なぜこうした計画変更が行われたのか。利権が絡んでいたから隠すためか。
都は、詳細な経緯を早急に調査し、公表すべき。
都はホームページなどに、盛り土を行ったかのような説明や図表を掲載していた。
しかし、都議会にも変更を報告していなかった。
事実と異なる説明を漫然と続けていたことは、市場関係者だけでなく、
都民への背信行為だ。
施設の安全性について、徹底した調査を行うことが急務だ。
小池氏は、土壌の安全性に疑問を示し、11月に予定された築地市場の豊洲移転を延期した。
水質調査の最終結果が出る来年1月以降に移転時期を判断するらしい。
食の安全を最優先とし、早急に結論を出すべきだ。
連日のように新しい事実が出てくるが、皆他人事で、責任転化ばかりしている。
そもそも、なぜ危険なガス会社の跡地に移転を決めたのか、そこからして間違っている。
こんな東京都に、オリンピック開催する資格がない。