事実の整理

2017-01-22 12:25:21 | 司法試験関連

受験生が苦手とする問題の特徴は,「時系列」系の問題です。要は,時の流れに応じて事情・当事者が変遷していくパターンのもの。刑法だと総論メインの問題に多いですね。第5回,第6回が特に顕著でした。いわゆる難問の部類になることも多いパターンです。

この手の問題は,事実関係を時系列に沿って的確に整理することが何よりも肝心です。民法であれば,最新の当事者関係だけを見ていては落としてしまう法的主張がたくさん出てきます。特に当事者の入れ替わりがあるケースでは,その時々の当事者間において,「どのような権利関係が生じているか」を先ず確認します。その後,「その権利関係が後続の登場人物に承継されているのか」,「承継されているとして,対抗できるものなのか」を確認します。この作業を踏むことで,論点落しをかなり減らす事ができると思います。

憲法では時々「なんだかよう分からん」という問題が出るときがあります。この「なんだかよう分からん」となる理由は色々あると思いますが,その中の一つが,「実は因果関係が鮮明ではない」という事例です。何らの不利益の発生と問題となる行政等の行為との間にちょっと開きがあるような(もしくは一見無関係)事例です。実はこのケースは「制約があるのか」という部分がハッキリしない問題でもあります。ですから,具体的な不利益と行政等の行為を「どう連関させるか」を考えると,書くべきターゲットが明確になってくると思います。

Comment    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 思考の言語化 | TOP | 「決め打ち」の危険性 »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。