ブログ随筆「ちょっと、散歩へ」

    日々の趣味など・・・

2017年「俳句」

2017年12月28日 11時39分19秒 | 俳句
山茶花を拾ふ日溜り拾ふごと 甲高き声転てしや老の春 舞ひ降りて土に溶け込む寒雀 節分や生れし日の斑の濃き淡き ものの芽の膨らむ音を尋ねけり 薄ら氷の底這ふ水の炎かな 春泥を蹴立てし軍鶏の胸高し 長閑さや羽虫来りて飛び去りぬ 蛇穴を出でて確かむ己が脚 田起しの手は休まずに道案内 始球式山なりの先かぎろひぬ 草青む齝む牛の頤太し 目高あぎとふ黙しつ妻は茶を淹れる 新緑の葉擦 . . . 本文を読む

2017年「短歌」

2017年12月28日 11時36分48秒 | 短歌
痩身の妻引きつれて訪ふ医師の隠し事なき告知を聞きぬ 吾もまた妻も予期せし事なれば淡々として受け入れむとす 克明に病状告げる若き医師の真つ直ぐな目に希望託せり 階段の上にたぢろぐ老妻はリハビリ強ひる吾を睨めり 手を添へる吾を払ひて歩み行く覚束無みな妻の歩幅よ リハビリの日課を終えて立ち停まる彼の肩幅の面影の無き 歳晩に試験外泊得し妻は吾より速く階段昇る 還り来し家のあちこち立ち入りて . . . 本文を読む

2017年「川柳」

2017年12月28日 11時29分38秒 | 川柳
ライバルの不幸を気持ちよく宥め 湧く妬み噛み砕いてる親不知 図に乗って高みに登るうそ寒さ 世の中を際どく渡るヤジロベエ 傷跡の忘れた頃に疼く夜 口下手になぜか疲れる口上手 穿ち好き千枚通し研ぎ直し さり気なくチラつかせてる向う疵 哀しみを笑顔で語る耳飾り 何枚も張り替えている面の皮 破れ鍋の蓋に甘んじ五十年 だんまりを決めて俄かに知恵者振り 卒業式スッカラカンの筒の音 . . . 本文を読む

「劇場型詐欺」

2017年12月28日 09時42分42秒 | 日記
普段は固定電話には出ないことにしている。と云うのはここのところ「オレオレ電話」が矢鱈に掛って来るからである。まあ、あれに引っ掛かるほどの間抜けではないと自負? しているが、先日、実に典型的な「劇場型」に遭遇した。連れ合いは出掛けていて、一人だった。まず、警察(と名乗る男)から電話があり、「最近、そちらの地区で引ったくり事件が多いので注意して下さい」と親切な内容。私は兎も角、連れ合いに注意しようと「 . . . 本文を読む

「まってぐ」

2017年12月19日 17時31分50秒 | 日記
姉が逝って2か月になるが、時折ふっと思い出して目の奥が疼く。5歳違いと云う歳の差はそこそこの共通した記憶があるもので、他の兄らとの親しさとは違う。その姉が息を引き取った日に書いたと思われる「封筒」が私の日記帳の間に挟まっている。『遠い所ありがとうございました 皆さん身体に気をつけて下さい 乗り物代に使って下さい 姉の名』と上書きにあり、数万円が入っていた。それは姉を見舞って、小康状態を確認して帰る . . . 本文を読む