連れ合いが入院することになり、「入院保証人」を請求された。病院としては高額医療となり得る場合の〈危機管理〉なのだろう。「身元引受人」は当然、夫であり妻なのだろうが、親族以外の「保証人」となると案外、心当たりがない。昔から「保証人にはなるものじゃない」と云われていて、誰だって嫌なものである。それでも恐る恐る知り合いに頼んだら、快諾して貰いホッとしている。病気の心配と共に意外な所に煩瑣な用があるものだ . . . 本文を読む
街路樹のポプラが色づき始めた。もう少し経てば映画「第三の男」のあのラストシーンの並木道のように、一直線に見通せる舗道に沿うその木は裸樹となる。アントン・カラスのチターの音色が聴こえて来る。先日、木枯らし一番が吹いたが、やがて、それは頻繁に来て、人々は衿を窄めて往き来する。月捲りのカレンダーも残すは一枚となった。毎度のことながら日々の移ろいの何と迅いことか。窓から差し込む陽は、我が６畳の部屋の中程ま . . . 本文を読む
次期米大統領選は、「あれよ、あれよ」と云う間に、大方のマスコミが予想した初の女性大統領候補のクリントンから、怪人トランプに凱歌が上って、世を唖然とさせた。途端に兜町も千円台の乱高下を見せて、大衆投資家を慌てさせたようである。生来、ノンポリの私などはどちらに転んでも痛くも痒くもないが、あらためて我々大衆の心理などと云うものは、マスコミの小賢しい知識や経験値では計り切れない、〈深淵〉なものがあるのだと . . . 本文を読む
先頃、将棋好きには驚く事件が起きた。プロの三浦弘行九段があろうことか、対局中にコンピューターに〈次の一手〉を求めたと云うのである。何でも三浦はしばしば席を外し、再び戻ると素晴らしい手（「人間ワザとは思えない手」と表現するプロもいる）で、鮮やかに勝ちを占めると云う。それが数回、複数の棋士を相手にあったから、将棋連盟は本人否定のままに「黒」（灰色？）と断定、早々と年内の出場停止を決め、このほど流行の「 . . . 本文を読む