<放射線治療には、細胞障害作用があります>
三大療法の中でも、一番免疫抑制作用が強いのは、放射線治療です。
放射線治療は、かなり精度が高くなっていてピンポイントでがん細胞を焼き切るので、とても安全で効果も高く、比較的副作用も少ないといわれますが、決してよいことばかりではありません。
放射線照射ではどんなに局所を狙っても、がん細胞の中のミトコンドリアと細胞が徐々に膨らみ、がん細胞の細胞膜の中に包まれていたものが破壊され、内容物が流れ出してしまうからです。
体内に放出されると大変なことになり、大怪我をするのと同じショックで弱ってしまう反応が起こるので
これは、クラッシュ・シンドローム(腫瘍崩壊症候群)と呼ばれ、本当に免疫抑制が起こります。 学会でもすでに報告されていますが、がんを一挙にやっつけてはいけません。
抗がん剤でも分子標的治療でもがん重量子線でも、がんを一挙に叩く治療は、がん細胞の中に閉じ込められていた細胞内容物が出てしまい、内臓破裂したと同じように、大きな衝撃となります。
その場合は腎不全、多臓器不全、大怪我した時も大やけどした時も、やはり多臓器不全になります。
がん細胞の内容物は酸化力が大きく、トリウム、リンなどが、たくさん中から出てきます。
体内に流れ出ると危険物質となり、がんのある部分から体の中の遠くまで害が及ぶことになります。
その大きな酸化力によって、交感神経の緊張がもたらされ顆粒球が増加、リンパ球は激減し、がんの転移への道が開けることになります。
結局は、がん細胞を殺すと、細胞が壊れて体が弱ってしまう、外傷をしたときと同じ影響を受けてしまうことになります。
緊急状態で生き延びようとして生まれたがん細胞ですから、体の中で役目を終えたり、不要になったりした場合は、アポトーシスという自分のがん細胞を自殺させるプログラムが働きます。
アポトーシスでは、細胞膜から内容物が漏れないように、染色体を切り刻んで細胞質や格を細切れにし、マクロファージに目印を出し処理させるので周囲の細胞を傷つけたり炎症をおこしたりすることはありません。
自然退縮するのです。
このアポトーシスをコントロールするのは、ミトコンドリアの役割ですから、ミトコンドリアが活躍するには低体温、低酸素状態から抜け出さなければなりません。
以上