こんにちは、テツせんです。
子供の頃、運動会が終わると決まって秋の風がひゅーっと渡るのを
なんだか寂し気に感じたものですが、
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
さて、前回はブランド志向の終焉ということに話がおよびましたが、
このようにして は、だれも気づかないうちに一つの時代(歴史)を終えてゆきます。
ブランド志向の始まりもまた、
いつの間にか欧米をしのぐ消費能力を持った日本の国民大衆に
の方から擦り寄ってきたものです。
とくに女性にとっては
まさしく『働いて手に入る最高に贅沢な夢の実現』の時代が幕を開けたのでしたが。・・・
そしてじつは< ブランド> はなにも商品にかぎらなかった。
親たちは自分の子供もブランド化したいと欲求するようになりました。
国民大衆の総中流意識が
『子供を一流大学に入れて、一流会社に就職させる』ことを一斉に切望するようになったのです。
そこでは子供の側に、教育の本質を離れた
熾烈な競争世界だけがあてがわれるという転倒した管理教育がいよいよ徹底していきます。
親たちの欲求・願望に応えるように
学校教育の側も教育システムを予備校化していった。
ほんらい教科別学習は、
生徒の了解意識と関係意識を養う「ものごとの考え方」の基礎を築くための教育でなければならない。
そうした本質からはなれ、「解答」だけをつめこむ
徹底した点数= 学力主義を
「能力別」という名の下に< 子供差別化ファシズム > を浸透させていった罪はきわめて重い。・・・
親のブランド願望のおしつけが、子供本来の学校生活を窒息させて、
本質的な学習を破壊しつくした、おそろしい事実だけがのこされました。
(親たちは自分たちの無邪気な願望が、これほど子供たちを苦しめるとは思いもよらなかったし、
今でも事の重大さに気付いていないことが余計に子供にとって不幸なことです。・・・)
当然のように子供たちの心は病み、
高校から始まった学校荒廃は、やがて中学校そして小学校へと連なってくる。
マスメディアは、「教師の無能さ」 をなじり、あるいは
「親たちの非常識や異常性」を「クレーマー・キャンペーン」を特集してまで声高に叫ぶが、
それが学校教育の破綻の根幹では無いことを見抜けなければ、
安直な効率一辺倒の民営化路線にとりこまれて、
ついに子どもたちを教育の本質から断絶させることは自明である。
本質的な学習とはまた、< 多様な社会に適合する能力を修得 >すること、
< 正しい(言語として)日本語を話し・記述し・説明できる能力の育成 >であります。
くりかえしますが、これを決定的に欠落した教育現場では学力効率主義が横行し、
生徒たちは『解答をつめこむ』ことだけを求められてきました。
(いまだに橋下大阪府知事のように、教育の本質に無知な人が、
点数= 学力テストファシズムを得意げに督励することがまったく信じがたい!)
そこには社会性も日本語の意味も価値もシカトされて、
(まるでグーグルやヤフーの「キイワード検索」のように)、
ただ記号としての『答え』だけがつめこまれるという
悲惨なテスト授業が子供たちを追い込みつづけたわけです。
そうして追い込まれつづけた子供たちは例外なく
本質的な学習から疎外された結果、
あとあとまで点数主義の< 後遺症 >に泣くことになります。
それはたとえ、そのような競争の中でトップになって東大生になろうが、無名大学に入ろうが、
いざ「本物の学問」に向かうことになれば土俵は同じで、
死ぬほど頑張らなければ学問についていけないことを、はじめて思い知らされるからです。
そのうちに多数の学生が学習困難・不全を訴えてきたり、
< 強迫神経症 >の症状をあらわしたりしてきたのも無理のないこととかんがえます。
むろんこれは、大学までなんとか来れた人のことだ。
小学校から高校まですべての生徒が
学校とはこういうところか?
勉強とはこんなことか? と
がっかりし!意欲を失くし!
授業中は全員が離人症を起こして、誰も話をまともに聴いていないのが実情でしょう。
そして益々、子供たちの心は病んでいくしかない。・・・
たとえ塾の講師のような先生がいたとしも、
モチベーションやテクニックの問題では決して無いのでお引取り願うしかない。
ことは「教育の本質」にのっとった
< 教育のあらたな構築 >がもとめられていることにあるのだから。・・
ある日、
全国の小学校、中学校、高校の生徒が学校に登校しなかったとしても
おどろきはしない。
むしろそのことを受け容れてあげたい。
その日が既存の学校の解体と正しい学習の始まりにつながるからだ。・・
いまも変わることなく子供たちのおかれている残酷な情況に
ひとりでも多くの大人が気付いて、思い遣ってほしい。・・・
ようやく「一流大学から一流会社就職」という神話が音を立てて崩れ始めていますが、
これはこれでまた次なる問題を背負わされることになるのですね。・・・
(次回につづきます。)
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http://www.youtube.com/watch?v=W2cvKg-5iLc
【宮台真司】大学受験におけるムダ 平成23年1月14日
宮台真司氏のyoutubeを拝見しました。
かれに代表される社会学というものが、
しょせん「どうでもいい!」ものなんだなと
あらためておもったしだいです。
目端の利いた子女たちが「進んでいる」情報を得意げにしゃべることに、
苦笑するほかない。
半歩先のただの世間知や動向をもっともらしげに、
賢そうな早口でしゃべっていることに、
それこそ何の意味もない。
そんな学問なら無いほうがいい。
離人症をおこしている教育現場の子どもたちを救いだすための、
「教育解体」こそがもっとももとめられているというのに。・・・