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あれこれ雑記

笑えばいいというものでなし

2017-05-27 13:04:46 | 日記

これは前(2010-09-19)にブログに載せたものです。近ごろブログの種が尽きたので、凡そ七年前のもので後ろめたい気持ちはありますが。
私が小学生のころ、近頃でもよく報道される生徒に対する体罰事件がありました。戦時中でもあり、新聞に報じられることはありませんでした。ところが隠せば現れるの類でひそひそと語られていました。担任の先生は「殴る行為がよくないなら擽ってやるぞ」と冗談めかしに言われました。先生は決して激する性格ではありませんでしたが、擽られても苦しいものです。
今は昔、権門に近づきはあるのですが、職もなくぶらぶらしている男がいました。そこで藤原実成が大宰府の師となり筑紫に下ったときについて行きました。近くに算に長けた唐人がいました。この算とは算木を置いて吉凶を占う法のことで、幾分妖術めいたものでもあったのでしょう。男は言葉巧みに唐人に取り入り、算を教わる手だてを得ようとしました。唐人は「算の道は容易ではない、もしも宋に渡って勉強するのなら教えてもやろう」と云いました。
更に「算の術は病人を治してやることも出来れば、妬まし憎しと思う者を殺すことも出来る。まずは俺に従って宋へ渡ると誓言せよ、人を殺す術は宋に渡る船の中で教える」と言い、その他の術はみな教えました。
長元元年八月二二日藤原実成は大宰府権帥に赴任します。ところが同九年三月安楽寺(現天満宮)の曲水宴で乱暴します。そのため長暦元年六月八日辞任し、京に帰ってしまいました。
男は唐人がしきりに止めが同様でした。京に帰れば、友人らも宋に渡ることを留めますし、兄高階俊平も強く反対します。
唐人は宋行きをさかんに促して待っていますが、騙されたと判断し、呪いをかけて帰国します。そのせいでしょう、男は何の取得もない惚け人間となり、入道君と呼ばて、高階俊平の許と山寺を往来するばかりに成り果てました。
兄の高階俊平の屋敷で庚申待の夜のことです。沢山の女房たちも眠りに耐えならがら退屈していました。男も片隅でぼんやりしています。小賢しい女房の一人が「入道君、何か面白いお話してみなを笑わせて戴けないかしら」とからかいます。男が「口下手ですからとてもそのような話はできませんが、ただ笑わせるだけでよければ」と言います。はやく、はやくと急きたてられた男は算木を持ち出します。それがと女房たちは馬鹿にしたように見ています。男は算木をさらさらと置きます。
女房たちはそれを見るや、笑い転げます。腹の筋を痛め、死ぬほど苦しみ、笑いながら涙を流す者さえいます。どうすることも出来ず、笑いがとまらぬため、言葉で言えず手を合わせて男に懇願します。
男は「もう笑いにお飽きになられましたかな」と言うと女房たちが頷くので、算木を壊してしまいました。
「今しばらく続いていたならば、皆死んでしまうところでしたね。こんなに苦しかったことは初めて」と女房たちは口々に言いました。
というお話を載せたのですが、出典を書き忘れてしまいました。どうも近時のものは典拠は確かですが、面白みに欠けるようでした。

1 コメント

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Unknown (大佐野)
2017-05-27 16:58:15
いいお天気が続きますね。昨日は暑い中、ゴルフを楽しんで来ました。歳取ると、前半のスコアより後半のスコアが悪くて、終わり頃は体力の無さを痛感します。お笑いの話で、腹が立つのはNHKが Golden Time に放映する「鶴瓶の家族に乾杯」です。知性のかけらも無く、なんで75分もの長時間放送するのか、偉そうな顔をしているNHKに聞いてみたいものです。お笑いは民放にまかせてほしいものです。

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