果たしてこのような言葉が使えるかどうか、疑問に思っているのです。昭和十五年日活製作宮澤賢治原作の「風の又三郎」を幾度も観ています。ユウチュウブは便宜なものですね。老輩の小学生時代の懐かしい雰囲気とが重なるです。勿論背景の地方の風俗も違いますが、冒頭部分で、村の小学生たちが、「ちょうはあかぐり、ちょうはあかぐり」と高く叫びながら、校舎への坂道を登りるシーンがあります。それが老輩には、幾度聞いても「どんかんまつり、どんかんまつり」としか聞こえないのです。耳が覚え込んだ音は、なかなか消え去らないものですね。
太宰府市には、天満宮の神幸式大祭が毎年九月二一日から執り行われます。お下りの儀は、鐘と太鼓の音に導かれ、御神輿が進みます。その道筋をどんかん通りと言います。耳がすっかり毎年の鐘と太鼓の音に覚え込んでしまったのでしょうね。