面倒なお人がまた近くにいた。

真裏のE宅。

永年、今は８０代のE夫人がひっそりと住んでいた。

滅多に会うことはなかったが、近年お互い裏庭で野菜苗を植えたり
しているし、数年前にはE宅屋根からの落雪で、うちの物置が凹んだり
したこともあって、たまに訪ねて来る娘さんとも庭で会う機会も増えた。

その娘さんが数年前に離婚してE夫人と同居、更に永年空き地で、
E夫人が自分の生存中は家が隣に建って欲しくないと公言していたが、
若いK夫妻が土地を手に入れ家を建てた。

翌年には、窓を開ければ、かなりうるさい無駄吠え小型犬のために
E宅リビングとの境界ぎりぎりにフェンスを廻したドッグランまで作った。

時々裏庭で顔を合わせるG夫人やわたしは、若いK夫妻からくったくなく
「煩いでしょう？　すみません」と言われれば、まぁ仕方ないヮと
仲良くしているが、常にカーテンをピタッと閉めて沈黙しているE宅は、
果たして？と今になって思う。

と言うのは、その娘サンが昨年の冬からどう考えても八つ当たりされて
いるとしか思えない不可解な行動を、我が家に対してするように
なったのである。

E宅との間に、除雪して１Mほどの高さの雪山ができるのは毎年のこと
なのだが、昨シーズンに突然園芸用の竹の支柱が数本立てられていたので、
どういう意味と？？

恐らく雪がはみ出ている！ ここが敷地の境界なんだよという
デモストなんだろうね。

だけど上から降って積もった雪もあり、寄せた雪はどうしても
すり鉢状の山になるので、はみ出さないように壁状になんか
積めるわけがないし。

塀のない境界は、山の裾野の雪と天から降る雪に埋もれてしまう
わけで。あと自分ちの屋根からだって落ちているでしょうに。

昨年はそのまま放って置いたら、春になり雪が融け倒れた支柱を
我が家の敷地に入って片付けていたのをB夫人が見ていて、
教えてくれた。

それ以来、わたしは裏庭で顔を合わせることは避けていた。

クソ寒い真冬にわざわざ雪で足元も悪く通り抜けるのも難儀する
ところを壁伝いに裏までやってきてまで、こんな事をするほどの
心理状態に陥る人はちょっとマトモじゃないと思えて、それまで
知らずに気軽に挨拶を交わしていた相手だけど正直ビビって
しまった。

元々、娘サンは植苗時にしか姿を見せないし、毎年植えっ放しで
その後の手入れをしない。

熟し切ったトマトが落下して虫が湧いていようと、伸び切った葉が
こちらにはみ出していようと・・・。

わたしもいっさい手を触れない。

で、今シーズンはもうしないだろうと思っていたら、数日前に
例の支柱が出現！

今回もB・C夫人たちから、気にしないでほっときなさいと
言われている。

直接何か言って来るわけでもないので、どう対応していいのか
解らないしネ。

K宅のことは全く関係ないのかも知れないが、２０年間同じ
ように除雪・排雪していたのに何で？という時期的なことと、
おめでたらしいK夫人を、バツ一、子無しの彼女が嫉妬、で、
仲良くしている我が家にやつ当たり？　うがち過ぎ？

ダイレクトに疎まれているのかも知れないが、さっぱり原因が
解らない。

物置修理の際も円満に解決していて、その後も普通に言葉を
交わしてしたはずだし・・・

当時は娘さんはまだ同居してなかったが。

いずれ雪は融けても、謎とわだかまりは解けないゾ。

ちなみにE夫人は一人暮らしのほうが良かったと、娘サンとの
同居生活のグチをB夫人に言っている。

パッと見、美人でおしゃれだし、もっとスカっとした人だと
こちらは勝手に思っていた。

まだ５０代だし、もっと楽しく生きられるだろうにとサ。