5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2017年版です。

グレンフェルタワーの火災

2017-06-16 23:08:50 | 社会

今日も英国メディアはロンドンのグレンフェルタワーのニュースで溢れた。

14日の寝入りばなに発生した24階建ての高層住宅火災はわずかな時間でビル全体に燃え広がり今日になっても燻り続けている。メディア情報によると、これまでに17人の死亡が確認されているが、行方不明者数は60人を超える可能性があると伝えている。 捜索活動は数週間かかるという見通しも聞かれ、地元警察は犠牲者が100人を超えないことを祈ると述べているらしい。

連続した二つのテロ事件に続く大事件。BREXIT信任を問う選挙で却って議席を減らしたばかりの保守党のテレサ・メイ首相には住宅政策への対応の鈍さを責める国民の声も上がっているようだ。

火柱となって燃えるビルの映像をツイッターで見たとき、マックイーンが消防隊長に扮した〈タワリングインフェルノ〉というアメリカ映画を思い出した。映画には中層階にある貯水タンクを爆破して水を流し下層階の消火をするシーンもあったが、現実はそうならなかったようだ。

映像で見ると、煙火を上げて焦げてゆくグレンフェルタワーが一つ屹立する周辺は低層の長屋住宅がずらりとならんでいる都心外縁の住宅地だ。緑もある。

この高層住宅は70年代中頃の建造。築40年といったところだから最新住宅ではない。住民は英国ネィティブではなく海外から移住してきた人たちが殆どだったようだ。だから死者や被災者もこうした移民の(裕福ではない)人たちばかりということらしい。

BBCによると、被災者の証言では、危急を知らせるアラームは鳴らなかったし、スプリンクラー設備は当初からされていなかったという。

日本の常識からすると変ではあるが、英国の建築ルールではスプリンクラーが必ずしも必須条件だということではないらしいから、ロンドンにある他の低家賃アパートにはグレンフェルタワー同様のものが多いのかもしれない。

住民たちは地元自治体に何度も改善を求めていたようだが、対策はいっこうに講じられなかったらしい。メイ首相はこれまでの行政の不行き届きを責められている訳だ。

cladding:【名】金属被覆(材)、クラッディング《建築》〔外壁の〕被覆材 ◆石、タイル、木材などを重ねて外壁を覆い保護するもの。(英辞郎 on the WEB)

BBCはこの「クラッディング」が短時間で火が建物全体に回ってしまった原因の一つだろうと云う。

グレンフェルタワーはつい最近、外壁のリノベーション工事を終えたばかり。 ビルの新しいクラッディングには安価なポリエチレン樹脂をアルミで挟んだ断熱材が使われていた為、引火と燃え広がり方が速かったのという指摘である。

地震の殆ど起こらない英国の建築基準が世界有数の地震国である日本のそれに比較してユルいというのは無理からぬことではあるが、高層化するビル建設にスプリンクラーや火災報知器の標準装備というのは今や当たり前のことであろう。

若しそれが不十分だというのであれば行政の怠慢が叫ばれて当然だ。日本の建築セクターとしても英国側に協力して日本式のノウハウをケチらず提供するのがよかろう。 日本ならではの技術力で作ったクラッディングの素材など、思わぬビジネスに結びつく可能性もあるのではなかろうか。

 

 

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