礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

ウソも真実も、さして多くを語りはしない

2017-03-30 01:48:22 | コラムと名言

◎ウソも真実も、さして多くを語りはしない

 一昨日のコラムで、映画『理由 Just Cause』について論じた。本日は、その続きである。一昨日は、この映画のテーマは、「夫婦の信頼関係」だと述べたが、この映画には、もうひとつ、「ウソ」という重要なテーマがある。
 主人公のポール・アームストロング(ショーン・コネリー)に対し、妻のローリー(ケイト・キャプショー)は、ひとつ、重大な隠し事をしていた。結果的に、このことが、夫婦および娘のケイティ(スカーレット・ヨハンソン)を、生命の危機に陥れることになるのである。
 死刑判決を受けたボビー・アール(ブレア・アンダーウッド)の「冤罪」を晴らさんと、フロリダで再調査を始めたポールは、現地の保安官タニー・ブラウン(ローレンス・フィッシュバーン)から、意外なことを聞かされる。妻のローリーが、かつて検事として、ボビーを起訴したことがあるというのである。
 ポールは、妻に、それが本当かどうかを確認する。すると妻は、結婚前に話しているという。即座にポールは言う、「ウソだ」。さらに、なぜ、この再調査に着手する前に、そのことを伝えなかったのかと、妻を追及する。
 刑務所を訪れたポールに対し、ボビー・アールは、「真犯人は別にいる」と伝える。同じ刑務所にいるブレア・サリヴァン(エド・ハリス)が真犯人だというのである。
 続いてポールは、ブレア・サリヴァンと面会する。この男はタダモノではなかった。サリヴァンは、「あなたのことが知りたい」と言って、ポールにいくつかの質問をする。そのうち、「子どもはいるか」、「不眠症か」、「死はこわいか」という三つの質問に対し、ポールはウソをつく。そのたびごとに、サリヴァンは、ポールのウソを見抜く。
 そして、激しくポールを非難する、「ペテロも三度、イエスを否定した。死刑囚にウソをつくとは、恥を知れ」。この非難に対して、ポールは静に答える、「ウソも真実も、さして多くを語りはしない」。
 サリヴァンは、意外にも、「OK」と言いながら、ポールの言葉に、深くうなずく。
 帰り際、サリヴァンから、重要な情報を得たポールは、その足で、ブラウン保安官の自宅へ向かう。
 保安官の自宅では、その娘が誰かと電話をしている、「彼はあなたにウソをついているのよ。ゆうべ、彼女と居たもの」。こういう、どうでもよい会話にも、「ウソ」という言葉が出てくる。
 ネタバレになるので、すべては言わないが、このあとの展開でも、ふたりの人物がついた大きな「ウソ」が明らかになる。

 というようなことを、くどくど書いたのは、例の「森友学園問題」が解決していないからである。この問題が浮上して以来、誰が「本当のこと」を言っているのか、サッパリわからない状態が、二か月近く、続いている。
 関係者のほとんどが、多かれ少なかれ「ウソ」をついている。そして、そのことが、さして不思議とも思われない状態が、この間、ずっと続いている。これ自体が、何とも不思議なことに思えてならない。
 いったい、この事態は、どういう形で、決着するのであろうか。

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