礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

新橋堂書店の「家庭医学叢書」と南大曹医学博士

2013-12-16 05:15:15 | 日記

◎新橋堂書店の「家庭医学叢書」と南大曹医学博士

 昨日のコラムで、衛生新報社編纂の『物理的健康増進法』(新橋堂書店、一九一七)という本を紹介したが、その後、調べてみたところ、これは国立国会図書館にもない珍本であった。ただ残念なことに、私が入手したものは、五〇ページと五一ページが白紙になっている欠陥本であった。
 同書の巻末には、「家庭医学叢書」の既刊書目が載っている。以下の三六冊であるが、このうち、国立国会図書館に架蔵されているのは一四冊で、半数にも満たない。これら一四冊については、叢書中の第何編にあたるかを数字で示し、また著者(正確には口述者)のフルネームを示しておいた。
 第11編『病人看護の話』と第20編『胃腸病の話』とは、国立国会図書館にはなかったが、『物理的健康増進法』といっしょに入手しておいたので(二冊で百円)、データを補充することができた。
 なお、『胃腸病の話』の口述者である南大曹〈ミナミ・ダイソウ〉医学博士は、京橋の南胃腸病院の創立者、院長であり、夏目漱石の治療にあたったことでも知られる。社会心理学者・南博〈ミナミ・ヒロシ〉は、その子である。

 家庭医学叢書
吾妻医学博士述        お産の話
2 唐澤光徳医学博士述   小児病の語
3 千葉真一医学博士述   耳鼻咽喉病の話
4 山田鉄蔵医学博士述   神経衰弱の話
5 額田豊医学博士述    肺結核の話
6 岡村龍彦医学博士述   皮膚病の話
7 佐藤医学士述       婦人病の話
8 廣川和一医学博士述   淋病の話
9 佐藤長祐医院長述    黴毒の話
10 森直卿肛門医院長述  肛門病の話
杉江医学士述         ヒステリーの話
20 南大曹医学博士述   胃腸病の話
中原医学博士述       外科療法の話
28 森友道医学士述    呼吸器病の話
29 竹中繁次郎ドクトル述 性慾教育の話
11 森繁吉医学士述    病人看護の話
中村医学士述        精神病の話
菊地医学士述        脚気とリウマチスノ話
斉藤ドクトル述        寄生虫病の話
豊福医学博士述      小児伝染病の話(上巻)
豊福医学博士述      小児伝染病の話(下巻)
竹中ドクトル述       感冒と肋膜炎の話
岡崎病院長述       有益な食物と危険な食物の話
                 附 食合せの話
阿久津博士述       男子生殖器病の話
森医学士術         良薬と毒薬の話
高橋医学士述        妊娠と避妊の話
杉本医学博士述      便秘と下痢の話
森医学士術         注射の話
27 井上温医学士述    眼病の話
落合ドクトル述        科学的美容法
31 額田豊医学博士述   糖尿病と腎臓病の話
土田医学博士述       脳病の話(上巻)
土田医学博士述       脳病の話(中巻)
土田医学博士述       脳病の話(下巻) 
35 岡崎桂一郎医院長述  有効和漢薬療法の話  
竹中ドクトル述        肺病有効療法の話
 定価 全一冊 十五銭  (郵税各一冊二銭)

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