第二次大戦下のドイツ──
フェンス越しに生まれた禁じられた友情。
「どうして君は、昼でもパジャマを着ているの?」
映時間 95分
製作国 イギリス/アメリカ
公開情報 劇場公開(ディズニー)
初公開年月 2009/08/08
ジャンル ドラマ
映倫 PG-12
【解説】
ホロコーストの悲劇を無邪気な少年の視点から綴ったジョン・ボインの
世界的ベストセラーを「ブラス!」のマーク・ハーマン監督が映画化した
ヒューマン・ドラマ。
強制収容所で働くナチス将校を父に持つ少年が、収容所の実情を知らぬまま、
偶然出会った同い年のユダヤ人少年と禁じられたフェンス越しの友情を
築いていく姿を感動的かつ衝撃的に描き出す。
【ストーリー】
第二次大戦下のドイツ、ベルリン。8歳の少年ブルーノは、ナチス将校である
父の仕事の関係で、住み慣れた都会を離れ、殺風景な片田舎に建つ大きな
屋敷に移り住む。友だちもおらず、すっかり退屈した彼は、禁じられていた
林を抜けて有刺鉄線のフェンスに囲まれた“農場”に辿り着く。
そしてフェンスの向こう側に縞模様の“パジャマ”を着た同い年の少年
シュムエルを見つけたブルーノ。
以来2人はフェンスを挟んで会話するのが日課となり、次第に奇妙な友情を
育んでいくが…。
【感想】
<>作品としては満点なのかもしれませんが・・
9月公開作品は、あまり観たいものがない私(笑)と言うことで、
気になっていたこの作品ともう1本を恵比寿ガーデンシネマで
鑑賞してきました
題材がホロコーストですから、シリアスで重い内容だと言うことは
覚悟して観に行ったのですが・・・もちろん、予備知識は一切なしに
観に行ったのですが・・・
自分の想像をはるかに超えてしまったショッキングなラストは、
かなりキツかったです・・・
以下ネタを含む部分があります
ラスト10分前からの急激な展開に、「まさか」「まさか」と
「やめて」「やめて」と心臓はバクバク、ブルーノの母親の慟哭に
涙も出ましたが、それよりも、恐怖と衝撃で、しばし呆然として
しまったという状態でした
<無邪気にともだちと遊ぶブルーノは8歳の少年>
ドイツ人の8歳の少年の目線で描かれた戦争、そしてラストに起こる悲劇、
戦闘シーンもない、血も流れない・・・なのに、人の心を狂わせる
戦争の恐ろしさ、そして、罪もない人々の命が奪われる戦争の愚かさを
いやというほど思い知らされました。。。
軍人だからと収容所の仕事の内容を知りながら国のためにと任務を
全うする父親、、弱い者を威圧する、怒りを爆発させるコトー中尉の
ようなドイツ人もいれば、息子の出世を喜ばない(ナチに批判的?)
母親<ブルーノの祖母>や夫の仕事の内容を知って夫に不信感を
持つ妻(召使い、奴隷のような扱いのユダヤ人のパヴェルが息子のけがを
治療したことに、戸惑いながらも「ありがとう」とも言いましたし)
などすべてのドイツ人がみんな悪いというような一方的な描かれかたは、
していなかったように思います。
その一方、ナチスがユダヤ人にどれほどの事をしてきたのかと言う事実も
見せつけています。。。
中尉に恫喝された恐怖から発せられた言葉で、シュムエルを裏切って
しまったブルーノ、彼は自責の念から、行方不明になったシュムエルの
父親探しを手伝うことを決心します。
そして、それが取り返しのつかない悲劇とつながってしまいます・・・
ドイツ人の8歳の少年とユダヤ人の8歳の少年、自分の身の回りで
何が起きいるのか知らなかった、理解できなかった二人、
ただ友達になりたかっただけ、一緒に遊びたかっただけ、
そんな子供の純粋な単純な願いまで奪ってしまう戦争・・・
絶対に繰り返してはいけないことなのに、今でも世界のあちこちで
紛争が起きていることを思うと悲しいですね・・・
悲しいというより怒りかな・・・
<ユダヤ人のシュムエルとドイツ人のブルーノ>
ラストシーン、国籍の違いも、差別もなく、ぎゅっと
手をつないだ二人の手の映像が忘れられません。。。。
<彼の透き通った美しい瞳に映ったものは・・・>
まったく救いようがない作品であり、でも、秀逸な作品であり、
多くのかたに観てもらいたいけれど、二人息子を持つ母親の身である私には
何度も観たい映画ではない、そんな複雑な作品でした・・・
「蛍の墓」も秀作ですが、私は二度と観れない作品です
この作品もそんな作品かもしれません
8月8日(土)より公開
<パンフレット¥600クリックで公式サイトへ>
「こども時代とは分別と言う暗い世界を知る前に
音とにおいと自分の目で事物を確かめる時代である」
(ジョン・ベチェマン)
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