フィンランドの学力低下。急低下の原因論争延々。4M2  

日本の教育界ではフィンランドを理想モデルとしているが、最新の15歳国際学力調査でフィンランドの成績の急低下が判明した。

幻の田老原発計画

2011-05-08 | ニュース

岩手県下閉伊郡田老町(現在は宮古市田老)は明治29年、昭和8年に大津波の被害を受け、津波対策として「万里の長城」と揶揄されるような、幅10m、長さ2500mの堤防を2本建設、津波への対策は十分のはずであった。しかし、平成23年3月11日の東日本大震災では、津波対策の万里の長城が巨大地震と巨大津波で崩壊した。田老住民4000人のうち、1000人が死亡・行方不明になった。海岸工学の技術を結集し、世界中から注目を集めていた、を集めた津波堤防はほとんど役に立たなかった。

 

田老はリアス式海岸である。津波の勢力が湾奧で強まる地形である。幅10mの堤防でも、地震で割れ、津波が押せば、万里の長城のような堤防でも壊れるのである。なお、田老はリアス式海岸の町だが、周辺山地の平地部分は海岸段丘の段丘面である。

2013年5月2日の田老町中心街の津波跡。5月7日から本格的復旧作業が始まるが、その直前の様子である。万里の長城といわれた巨大堤防は残ったが、町並みは消えた。堤防だけでは津波を防ぐことはできない。

 

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昭和40年前後、広島・長崎を除く日本各地に原子力発電所建設計画があった。現在の福島原発同様、アメリカGE社の原発を1基つくり、それをモデルに日本企業が原発を多数建設する予定であった。岩手県では田老が原発試作第1候補地であったが、他にも人口の少ないリアス式海岸はみな原発輸入組立候補地であった。しかし、原発建設労働者が不足し、また、電力消費地が遠すぎて電力損失が大きいため、東北電力は岩手県には原子力発電所を建設できなかった。

しかし、本当は、岩手県選出の政治家の反対が強く、原子力発電所を建設できなかったのである。岩手県選出の政治家は、原発建設用地の買い占めや送電塔設置料の引き上げなど、利権の独占をあからさまに主張した。岩手県選出の政治家に、東北電力は負けたのであった。
昭和40年前後の岩手県の政治家は、
鈴木善幸(社会党から自民党に鞍替えて総理大臣。水産族。小沢俊一の父)、
椎名悦三郎(外務大臣として日韓国交正常化に奔走、椎名素夫の父)
小沢佐重喜(自民党の大物、小沢一郎の父)
志賀健次郎(防衛庁長官、志賀節の父)
など、とても東北電力の政治力・資力で簡単に動くような政治家ではなかった。

岩手県は強力な保守政治家をかかえ、農林水産物への政府援助、道路・鉄道・港湾などの公共事業、農地の構造改善事業などで生活が成り立った。原子力発電所や石油化学コンビナートのような危険な施設を排除してできたのである。これらは危険なだけではなく、装置産業として地元雇用力のないことを、最初から政治家も県民も分かっていた。当時の岩手県民も、原発のような永遠に危険な建築物より、その当時の小規模な農林水産業で利益を得る方向を選んだのであった。

岩手県に田老に限らず、県内に原発ができなかったのは、岩手県選出の有力政治家の政治力の結果であった。
福島県と福井県が「原発銀座」といわれるようになったのは、原発に代わる公共事業を地元に誘致するだけの実力政治家がいなかったからである。
福島県には伊東正義という文字とおりの正義の味方、福井県には中野重治という文学者的共産党政治家がいた。他には、福島県・福井県の政治家名を聞いたことがない。
以東正義と中野重治は、思想的には大きな違いがあるが、2人とも日本のために個人的生活を捨てた、清廉潔白な政治家であった。選挙民のわがままを聞かず、自分の金銭スキャンダルなどとは全く無縁な政治家であった。伊東・中野以外の、福島・福井両県の保守政治家もすべて清廉潔白であり、電力会社が原子力エネルギー基地を建設するは、容易なことであった。特に、カネを要求する政治家はおらず、地元対策費は地元に巨大ハコモノを建設するだけで間にあった。「原発銀座」が福島・福井にできるのは、当然の結果であった。

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 福井県高浜原子力発電所

もし、こんな原発が岩手県田老にできていて、3月11日のような巨大地震と巨大津波が襲ったら、岩手県は全滅したかもしれない。
信じたくないが、ある程度は真実であろう。それは宮古市田老の人々、特に津波防潮堤防に近い人々は、津波被害を予想せず、逃げようとしなかった。津波防潮堤防への信頼があったためである。田老地区住民4000人のうち、死者・行方不明200人の中には津波被害を軽視した。



これも信じたくないのだが、仙台市若林区の津波大量死の原因は、直接・間接にTVの影響を無視できない。
①大地震のあと、どの程度の津波が襲来するのか、TVの地震速報を見ていた。
②上空のTV報道取材用のヘリコプター音がうるさく、警報スピーカーの音を聞き取るのが難しかった。

 

 

 

 

 


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