木・うんちく

木材と人間の関わりを考えて思うままに・・・

レッドシダーの街灯(30年以上腐らないのにはわけがあります)

2017-07-12 11:32:07 | 日記


これは32年前に弊社が施工した街灯です。
我々の会社が属する団地組合の前に設置されています。
上部の街灯はガラスと金属ですが、それ以外はウェスタンレッドシダーを丸加工したものが使われています。
地面には1mほど埋め込んでいますので、屋外用木製構築物としては過酷な環境ですが、32年経過してもどこも何ともなっていません。

このような施工例を見ると、「レッドシダーは耐久性があるんだ、」
と言うことで、なんでもかんでもレットシダーを使って、
「10年で腐ったじゃないか。やはり木材は耐久性はないんだ。」
と言うことになりがちなことです。

レッドシダーと言う材種は、JISの腐朽促進試験すると、腐朽菌の中でもオオウズラタケには抜群の耐久性を示しますが(合成木材レベルになります)、カワラタケに対しては、耐久性はかなり落ちます。

まあ人間でいうと、ノーベル賞を取られた学者の方で、数学は天才だが、英語はからっきしダメと言う方がいらっしゃいましたが、そのようなレベルです。

そのため、この施工に関しては、レッドシダーのカワラタケに対する耐久性をアップするために、加圧防腐注入を施しました。
しかし、レッドシダーの場合、加圧注入しても表面から5mm程度しか入りませんので、内部に水が浸入すれば中から腐ります。
ですから、水が浸入しないようにするために、頂上部にはキャップをつけ、
水が浸入しないようにしました。

以上の処理をしたため、これだけの年数が経過しても全く腐朽がありません。
つまり屋外で木材を使う場合は、
どのような状況であれば木材は腐朽するかを理解した上で、
どのような木材はどのような場合に腐朽するかを理解した上で、
どのような処置をどのような場合に処置するかと言うことを理解して、
設計・施工する必要があります。
しかし、日本の場合は、屋外設置の木材に関して知識を有するところが少なく、
これが外国に行くと、簡易な木柵ですら、頂上部は斜めにして水の侵入を防いだり、
木材の耐久性についての知識が設計する側も施工する側もあることを考えると、
日本は木の国で木の長所を知り、木を愛しているにもかかわらず、
木の短所を知らず、それを克服する方法を取らず、
結果的には木は使わない方向に行くのが嘆かわしいところです。

例えと言うと、容姿端麗、営業センス抜群の新入社員の女性を工場の製造部門に廻して、重いものを持てないからと言う理由で「君って人間的にはダメだね。」と言っているようなものです。
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