Wood&Life2

木材と人間の関わりを考えてみました

楽器と木材(弦楽器の弓その2.ペルナンブコはなぜ弓に適しているのか

2016-06-11 09:40:20 | 日記

Photo from Wikipedia
ブラジルウッドとペルナンブコとの関係を調べて行く中で、なぜこの木が弓の材料に適しているのかは理論的には分からないところが
あり、色々と探していると、まさにその「なぜ」を分かり易く説明しているサイトに行きあたりました。これは博士論文で、ペルナンブコの弓の音の良さを分析・解明した内容ですが、ペルナンブコの弓の秘密を探るだけでなく、木材の音響特性を人工的に変更できることを証明し、木材業者でもちょっと信じられない研究内容です。
くわしくは松永正弘さんの京都大学の博士論文「ペルナンブコのバイオリン弓材としての適性」をご覧ください。
さて、この論文を読んでも、私が調べているブラジルウッドとペルナンブコの違いの理由は明確にはなりませんでしたが、この論文を読んだ結果。次のことは推論ができました。
つまり「ブラジルウッドの心材は、弦楽器の弓として非常に適性があるが、ブラジルウッドの辺材は強度上は弓としての適性はあっても音響特性については心材よりも劣る。と言うことです。
と言うことは、ブラジルウッドを販売した業者もしくはそれを購入した弓の製作者が、辺材を捨てないで使おうとした時に、どのような呼び名にするかと迷った時に、ペルナンブコ州で採れたブラジルウッドの心材をペルナンブコと呼び、辺材をブラジルウッドと呼んでも、なんら虚偽にはならないで販売できるのではないかと言うことです。それでこの推論が正しいかどうかを調べてみましたがはっきりしません。それでこんどはアメリカのサイトで調べてみると、推論どおりの説明を書いている弦楽器製作者のサイトがあり、弓の製作者が二つの弓を区別するために「ブラジルウッドの心材から作られた弓をペルナンブコと称して販売し、ブラジルウッドの辺材で作った弓ブラジルウッドと称して販売していた」と書いていました。これですべてが明確になったと思ったのですが、これでペルナンブコへの旅は終わりにはなりませんでした。
※「木材の心材と辺材の違い」はこちらのサイトをご覧ください。
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楽器と木材(弦楽器の弓)

2016-05-27 22:36:14 | 日記


Photo from Wikipedia
これは弦楽器を弾く時の弓です。別にこの弓が音を出すわけではありませんが、弦楽器の演奏には大きく影響し、これも木製のものが使われています。使われている木材はブラジル産出のブラジルウッドと言う名前の木です。ちなみにブラジルがある国だからブラジルと言う名前がついたと言う、木材の名前が国の名前になったと言う世界で唯一の例です。ではブラジルと言うのは何かと言うと、ブラジリンと言う染料のことで、この染料を取ることができる木をブラジルウッドと言い、化学染料が発明されるまではブラジルの主要な輸出品でした。この木をあるフランス人が「これは弦楽器の弓に最適である」と言うことを発見し、以来、この木は弦楽器の弓を作ると言う目的だけのために存在しています。さて、少しややこしいのはこの木に二つの名前があることで、一つはブラジルウッド、もう一つはペルナンブコ「Pernambuco」と言います(楽器業界ではフェルナンブコと呼んでいるようです)。ペルナンブコと言うのは良質のブラジルウッドが取れる地域がブラジルのペルナンブコ州と言うことからついた名前です。木材は産地や積出港によって名前が変わることは多いので、これもその例だろうと思っていたのですが、何人かの音楽・楽器関係者と話をしていると、ペルナンブコとブラジルウッドは、「見た目も性質も加工の具合も全く違う別の木だ。」とのこと。それで調べれば調べるほど、ベルナンブコとブラジルウッドは同じ木なのか別なのかが分かりません。ウィキペディアでは簡単にベルナンブコはブラジルウッドの心材の通称と記載がありますが、楽器の業界では峻別して、ペルナンブコは高級品。ブラジルウッドは普及品となっています。さてこれから私のペルナンブコへの旅が始まりました。
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楽器と木材(クラシックギター)

2016-05-24 10:54:03 | 日記

この写真はクラシックギターです。フォークギターのようにピックで金属弦をひっかけるのでなく、爪でナイロン弦をひっかけて音を出します。さらに大多数の楽器のように単音を出すのではなく、一度に複数の音を出しますので、楽器の中で一つの音に与えることのできるエネルギーは最も小さい部類であろうと思います。かくて、クラシックギターの使命としてはいかに与えられた運動エネルギーを効率よく音に変換するかと言うことになります。と言うことでこのクラシックギターの表に使われる板は、史上最高の音響変換効率の高い木材と言われるカナダ産のウェスタンレッドシダーが使われます。軽くて寸法安定性が高く腐りに強いと言う木材です。我が社はこの史上最高の音響特性を有する木材を雨ざらしの屋外設置のウッドデッキの床板に使っています。まあ会社で言うと、最高の教育を受けて就職した美しい新人女性を、環境適応性が高いからと言う理由でアフリカの駐在員に出しているようなもんです。
ちなみに強くかき鳴らすフラメンコギターにはレッドシダーではなく、スプルースが使われていますが、音の柔らかさや少しのタッチで音が遠くまで届くような繊細な響きはレッドシダーの方が断トツに優れています。
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ウッドデッキ DIY

2016-05-04 15:11:59 | 日記

弊社で販売しているキットデッキは本格的なデッキでありながら、ド素人が作ってもプロ以上の仕上がりになると言うのが基本的なコンセプトです。キットデッキを購入されたお客様が感想と写真を送って頂くのですが、それを拝見すると時々驚くことがあります。このお客様の場合もそうです。商品が午前10時30分に到着して、それから梱包を外して、完成したのは午後3時とのこと。実質の組み立て時間は半日もかかっていません。でも仕上がりはプロ以上。ウッドデッキのDIYでここまでできれば、開発した者としても満足です。
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ウッドデッキ施工試験(新調整束)

2016-05-02 15:20:58 | 日記
これまで日本では屋外用デッキの調整束としては良いものがありませんでした。そのため、数年前に弊社で開発した調整束を販売していましたが、高さ調整は簡単なものの、後で余分な側板をカットして頂く必要があり、これを何とか改良して、もっと簡単にしたいと何回かの試行錯誤と実験を繰り返し、ようやくその商品企画が完成したのは昨年の10月。それから金属部品の型を起こして部品が入荷してきたのは翌年の2月になっていました。しかしこれで販売はできません。うちの会社では新しいウッドデッキを販売する時は、まず社内で何回かの試験をし,問題がないことを確認した後、お客様の中で会社から1時間以内にお住まいのお客様に無料で組み立てをご提案し、了解を頂ければ施工試験をさせて頂き最終確認をします。お客様としてはキットデッキを購入されてご自分で組み立てるところが、束石の費用も職人の組立費用も無料ですから、ずいぶんお得です。こちらとしては、施工試験をさせて頂けるし商品の代金は頂けるのでありがたいということになり、お互いの利益が一致します。かくて施工試験は全く問題なく推移し、写真撮りや何やらで途中で中断があったものの、3時にはすべて終わっていました。その後、お客様に組み立てて頂く試験販売もうまく行き、ようやく、キットデッキHARDアマゾンジャラとして販売が開始されたのは4月になっていました。企画開始から3年。正式スタートから半年を経て商品化の調整束です。日本にはこれに匹敵する調整束はなく、弊社一押しの商品ですが、唯一欠点があります。それは重いこと。1個4~5kgあり、1つの梱包で4個しか入れることができません。
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