Wood&Life2

木材と人間の関わりを考えてみました

ウッドデッキの理想的な構造

2016-08-05 10:05:43 | 日記
ウッドデッキの工法は、本場カナダ・アメリカの工法を日本ではそのまま使えませんので、日本では二つの工法が存在します。デッキの教則本で指導されている工法は一見簡単ですが、実際には困難な方法です。次の方法が一般の人が作ってもプロの業者がしてもベストの方法です。

①基礎
ウッドデッキの基礎は束石を置くだけがベストです(理想の基礎の項目をご覧ください)。デッキの下は雑草は原則生えませんが、繁殖力の強い雑草が生える場合があり、その時はデッキの床板の間から出てくるのでどうしようもなくなります。そのため防草シートは貼って、そのうえに砕石を置くのがお勧めです。



②床下構造
ウッドデッキの床下構造については、デッキの教則本に掲載されている工法では、束の横に大引きをビス止めで支えるようになっていますが、この工法では強度がありませんし、大引きの高さをそろえるのが困難です。束の上に大引きを乗せて、それを接合金物で固定する方法がもっとも簡単で強度があります。この工法の最大のメリットは、多少いい加減に作って精度が悪くても、床板の段階で直角を補正できるので、完成すると、きっちりした精度で綺麗に仕上げることができます。これに対して教則本に掲載されている方法は最初の狂いが後々まで影響し、完成しても素人が作ったと分かる程度のものしかできません。(実際には基礎の工事でミリ単位の仕事はかなり困難ですので、教則本の工法ですと、どうしてもデッキが完成した時の精度は出ていません)



③デッキの完成
デッキの教則本の方式は束がデッキの外周部にあるので、少しの狂いも許されませんが、この方法であれば束はデッキよりも200~300mm中に入るので見栄えもよく、また、多少の設置誤差があっても見栄え上も構造上も問題ありません。



④手摺をつける
デッキの教則本には床下の束と手摺を兼用するようになっていて、一見合理的ですが、実際には手摺の部分を床板をL字型やコの字型にカットしなければならないので、かなり面倒な仕事で見栄えもよくありません。手摺は後でこのように取り付けるのがベストですが、この取り付け方法は大手のエクステリアメーカーは取り付け金物を別注製作しているところがほとんどです。弊社の場合は木材を加工して(弊社の特許が認められました)、ボルトで強固に床板に取り付けています。

この工法の良いところはど素人が作ってもプロ以上の仕上がりになることです。欠点は束と大引きの接合金物や、手摺の取り付け金物を別注制作したり、手摺の取り付け工法を開発しなければならないので、販売する業者としては面倒で、特にホームセンターのように材料販売をを主にされているところはやりにくいと言うことがあります
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楽器と木材(弦楽器の弓その3.ペルナンブコとブラジルウッド)

2016-07-01 10:13:51 | 日記
ブラジルウッドの木Photo from Wikipedia

日本のサイトや海外のサイトを見比べて分かったことは。ペルナンブコ(フェルナンブコ)はブラジルウッドの心材であることは間違いないが、問題はブラジルウッドは何かと言う問題です。ここが人によって見解が異なるのです。結論的には、「ブラジルウッドと楽器業界で称されている木材は、ブラジルウッドの辺材の場合もあるが、半ば反則ではあるが、ブラジルウッドとは全く異なるブラジル産の他の木材(イペやマサランドゥーバ)もそう称されるのが一般的になりつつある。」と言うことでした。特に、現在、ブラジルウッドは、絶滅危惧種に指定されていて伐採することができなくなっていますので、後200年ぐらいして、植林されたブラジルウッドが育つまでは、弓メーカーがもっているペルナンブコの在庫素材を食いつぶすか、代替品を使うしかないと言うことが、よりブラジルウッドの範囲を広げてしまったようです。
ところで、ブラジルウッドの心材であるペルナンブコは弓の素材としてはベストであることは明確ですが、内外の色々の弦楽器のサイトを見ていると、「ブラジルウッドの高級な弓は、ペルナンブコの低級な弓よりも良い」と言うことが記載されていることです。
これについては、材木屋的な分析をすると次の内容ではないかと思います。
そもそも木材と言う植物は丸太の外側の辺材と少し中に入ったところから中心までの心材とで成り立っていますが、心材と言うのは辺材部分に木材の沈殿物が溜まって、生物学的には死んだ状態になって木材を支えているところです。中心に近いほど木材が若い時に成長した部分で年輪は粗く、外になるほど年輪が細かく緻密です。ですからペルナンブコの場合で言うと、赤い心材の内、中心に近い部分は沈殿物は溜まっていて音響特性は優秀だが、物理的な特性は劣るだろうと言えます。これが心材でも辺材に近い部分は年輪もつまって密度も高いことから音響特性も物理的な特性も優れている部分となり、これが白い辺材になると、物理的な特性は優れているが、音響特性は劣っていると言うことになろうかと思います。
以上のことから、ペルナンブコ(ブラジルウッドの心材)であっても、物理的な特性の低い部分は、音響特性は悪くても物理的な特性のブラジルウッドの辺材や、似たようなブラジル産の別の木材の方が弓の材料には適していると言うことのようです。
ちなみに、今回の調査で分かったことは、弊社で販売している屋外用のウッドデッキの材料は、ブラジルウッドとして販売されている弓の材料と同じものであることです。
弊社での販売名は「アマゾンジャラ」ですが、現地名ではマサランドゥーバです。デッキの業界では、学名のマニルカラや日本での通称名のアマゾンジャラで販売されていますが、これが弦楽器の弓として販売されている木材と同じものだったとはちょっと驚きです。。
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楽器と木材(弦楽器の弓その2.ペルナンブコはなぜ弓に適しているのか

2016-06-11 09:40:20 | 日記

Photo from Wikipedia
ブラジルウッドとペルナンブコとの関係を調べて行く中で、なぜこの木が弓の材料に適しているのかは理論的には分からないところが
あり、色々と探していると、まさにその「なぜ」を分かり易く説明しているサイトに行きあたりました。これは博士論文で、ペルナンブコの弓の音の良さを分析・解明した内容ですが、ペルナンブコの弓の秘密を探るだけでなく、木材の音響特性を人工的に変更できることを証明し、木材業者でもちょっと信じられない研究内容です。
くわしくは松永正弘さんの京都大学の博士論文「ペルナンブコのバイオリン弓材としての適性」をご覧ください。
さて、この論文を読んでも、私が調べているブラジルウッドとペルナンブコの違いの理由は明確にはなりませんでしたが、この論文を読んだ結果。次のことは推論ができました。
つまり「ブラジルウッドの心材は、弦楽器の弓として非常に適性があるが、ブラジルウッドの辺材は強度上は弓としての適性はあっても音響特性については心材よりも劣る。と言うことです。
と言うことは、ブラジルウッドを販売した業者もしくはそれを購入した弓の製作者が、辺材を捨てないで使おうとした時に、どのような呼び名にするかと迷った時に、ペルナンブコ州で採れたブラジルウッドの心材をペルナンブコと呼び、辺材をブラジルウッドと呼んでも、なんら虚偽にはならないで販売できるのではないかと言うことです。それでこの推論が正しいかどうかを調べてみましたがはっきりしません。それでこんどはアメリカのサイトで調べてみると、推論どおりの説明を書いている弦楽器製作者のサイトがあり、弓の製作者が二つの弓を区別するために「ブラジルウッドの心材から作られた弓をペルナンブコと称して販売し、ブラジルウッドの辺材で作った弓ブラジルウッドと称して販売していた」と書いていました。これですべてが明確になったと思ったのですが、これでペルナンブコへの旅は終わりにはなりませんでした。
※「木材の心材と辺材の違い」はこちらのサイトをご覧ください。
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楽器と木材(弦楽器の弓)

2016-05-27 22:36:14 | 日記


Photo from Wikipedia
これは弦楽器を弾く時の弓です。別にこの弓が音を出すわけではありませんが、弦楽器の演奏には大きく影響し、これも木製のものが使われています。使われている木材はブラジル産出のブラジルウッドと言う名前の木です。ちなみにブラジルがある国だからブラジルと言う名前がついたと言う、木材の名前が国の名前になったと言う世界で唯一の例です。ではブラジルと言うのは何かと言うと、ブラジリンと言う染料のことで、この染料を取ることができる木をブラジルウッドと言い、化学染料が発明されるまではブラジルの主要な輸出品でした。この木をあるフランス人が「これは弦楽器の弓に最適である」と言うことを発見し、以来、この木は弦楽器の弓を作ると言う目的だけのために存在しています。さて、少しややこしいのはこの木に二つの名前があることで、一つはブラジルウッド、もう一つはペルナンブコ「Pernambuco」と言います(楽器業界ではフェルナンブコと呼んでいるようです)。ペルナンブコと言うのは良質のブラジルウッドが取れる地域がブラジルのペルナンブコ州と言うことからついた名前です。木材は産地や積出港によって名前が変わることは多いので、これもその例だろうと思っていたのですが、何人かの音楽・楽器関係者と話をしていると、ペルナンブコとブラジルウッドは、「見た目も性質も加工の具合も全く違う別の木だ。」とのこと。それで調べれば調べるほど、ベルナンブコとブラジルウッドは同じ木なのか別なのかが分かりません。ウィキペディアでは簡単にベルナンブコはブラジルウッドの心材の通称と記載がありますが、楽器の業界では峻別して、ペルナンブコは高級品。ブラジルウッドは普及品となっています。さてこれから私のペルナンブコへの旅が始まりました。
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楽器と木材(クラシックギター)

2016-05-24 10:54:03 | 日記

この写真はクラシックギターです。フォークギターのようにピックで金属弦をひっかけるのでなく、爪でナイロン弦をひっかけて音を出します。さらに大多数の楽器のように単音を出すのではなく、一度に複数の音を出しますので、楽器の中で一つの音に与えることのできるエネルギーは最も小さい部類であろうと思います。かくて、クラシックギターの使命としてはいかに与えられた運動エネルギーを効率よく音に変換するかと言うことになります。と言うことでこのクラシックギターの表に使われる板は、史上最高の音響変換効率の高い木材と言われるカナダ産のウェスタンレッドシダーが使われます。軽くて寸法安定性が高く腐りに強いと言う木材です。我が社はこの史上最高の音響特性を有する木材を雨ざらしの屋外設置のウッドデッキの床板に使っています。まあ会社で言うと、最高の教育を受けて就職した美しい新人女性を、環境適応性が高いからと言う理由でアフリカの駐在員に出しているようなもんです。
ちなみに強くかき鳴らすフラメンコギターにはレッドシダーではなく、スプルースが使われていますが、音の柔らかさや少しのタッチで音が遠くまで届くような繊細な響きはレッドシダーの方が断トツに優れています。
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