原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、
自己のオピニオンを綴り公開します。

安倍政権の乱暴で強引な手法により産み落とされた「共謀罪」

2017年06月15日 | 時事論評
 犯罪を計画段階から処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織的犯罪処罰法が本日(6月15日)朝、参院本会議で成立した。 自民、公明両党が委員会採決を省略できる「中間報告」の手続きを使って一方的に参院法務委員会の審議を打ち切り、本会議採決を強行。 異例の徹夜国会の末、与党や日本維新の会などの賛成多数で可決した。 投票総数235票のうち賛成が165票、反対が70票だった。
 政府・与党は18日までの会期通りに通常国会を閉会する。 
 安倍首相は共謀罪法の成立を受け、「東京五輪・パラリンピックを3年後に控え、一日も早く国際組織犯罪防止条約を締結し、テロを未然に防ぐために国際社会としっかりと連携していきたい」と首相官邸で記者団に語った。 金田法相は「理解は深まったと思う。限られた期間に誠意を持って一生懸命説明してきたつもりだ」と述べた。
 これに対し、民進党の蓮舫代表は「共謀罪が成立したから不安が消えるというものではなく、むしろ成立したことによって不安は増幅される」と指摘。 「加計(かけ)学園」の獣医学部新設問題の追及の場だった国会が閉じることを念頭に、「究極の強行採決である中間報告を活用したことは、これ以上加計問題に一切触れてもらいたくないという、総理忖度(そんたく)ありきの国会運営としか思えない」と批判した。
 共謀罪法案は、犯罪を実行に移した段階から処罰する日本の刑事法の原則を大きく変える内容で、過去3回廃案になった。 政府は今回、「テロ対策」を強調し、国際組織犯罪防止条約の締結に不可欠だと説明。 対象範囲を「組織的犯罪集団」に限定したとして「一般人は対象外」と主張してきた。
 だが、衆参の委員会審議で、テロ対策の有効性や必要性の根拠が揺らぎ、処罰や捜査の対象もあいまいさが浮き彫りになった。 国連の特別報告者も「プライバシーや表現の自由を制約するおそれがある」と懸念を表明。民進、共産、自由、社民の野党4党などが廃案を求めていた。
 委員会での審議時間は衆院の30時間25分に対し、参院は17時間50分にとどまった。野党4党は異例の手続きによる審議打ち切りに反発し、「情報の隠蔽(いんぺい)、法案の成立強行など安倍政権の暴走ぶりは常軌を逸している」などとする内閣不信任決議案を提出したが、15日未明に衆院本会議で与党と維新などの反対多数で否決された。
 改正法は6月21日に公布され、7月11日に施行される見込みだ。
 (以上、「共謀罪」法案成立に関する本日のネット情報より引用したもの。)


 引き続き本日の朝日新聞朝刊より、「国会最終盤 極まる政権の強権姿勢」と題する社説を要約引用しよう。

 あまりに乱暴な国会運営だ。 到底承服できない。 
 「共謀罪」法案について、自民党は参院法務委員会での審議を打ち切り、本会議での直接採決に向けて「中間報告」を行う事を提案した。 この「中間報告」は、国民の代表である国会議員の質疑権を事実上奪うものだ。 憲法が定める国会への閣僚の出席・発言義務を免ずることにもなる。 提案自体が参院無用論につながりかねない強権姿勢を、与党の参院議員はどう考えるのか。
 政権側の思惑は明らかだ。 国会会期を延期する事態になれば、加計学園等々の問題で野党に追及の機会を与える事になる。 とにかく早く閉会したい。 強引な手法をとっても、人々はやがて忘れるだろう。
 異なる意見に耳を貸さない。 数の力で押し切る。 国民を軽視する。 繰り返してきた政権の体質が、国会の最終盤に最悪の形であらわれた。  (中略)
 政府は「一般人」には影響は及ばないと説明するが、それを担保するものは何か。 「正当な業務」と開き直る警察当局を、この先どのようにコントロールし、逸脱・暴走を防ぐのか。
 国民の不安が拭えていない状況を見れば、一旦廃案にし、答弁能力に疑問符がつく法相を交代させて出直す。 当初の会期にとらわれずに審議を尽くす。 それが政治が果たすべき当然の責務だ。 (中略)
 単に共謀罪法案の行方にとどまらない。 「熟議」「謙譲」という言葉の対極にあるこの政権下で、民主主義は何処へ行くのか。 懸念が膨らむ。
 (以上、朝日新聞本日の「社説」より一部を引用したもの。)


 引用が長引いたが、原左都子の私事及び私論に入ろう。

 少し前の事だが、我が亭主が「共謀罪法案が成立したら、もしかすると〇子(私の事だが)も政権のターゲットになって、警察当局の取り調べを受けるかもしれないねえ。」と冗談半分で物騒な事を言い始める。

 これには理由がある。
 昨年夏の参院選直前に当「原左都子エッセイ集」にて“安倍政権バッシングエッセイ”を公開したところ、直後よりまんまと「言論統制」にはまってしまい、複数の検索エンジンより数カ月間我がエッセイ集が抹消され、検索不能となるとの事態を経験しているのだ。
 その時の様子を綴ったバックナンバーを、以下に少しだけ紹介しよう。
 2016.7.2 に公開した 「許し難き公的年金積立金5兆円損失計上の失策」 が、どうやら(おそらく安倍政権)よりの言論統制に遭遇している様子だ。  幾度も各種外部検索元より当該エッセイを検索しても、そのすべて(特に国内検索元)に於いて、「一部の検索結果が削除されています」との検索画面下欄での説明だが、我がエッセイもその対象の一つとなっているようで検索不能な状態だ。   既に9年来、時事問題等のエッセイを綴っている私にとってこの種の経験は決して初めての事ではなく、過去に於いても幾度かその被害に遭遇している。 (中略) 
 許し難いのは、自民党政権がGPIFによる国民年金及び厚生年金積立金運用損5兆円との巨額損失計上事件を、7月10日に実施される参議院選挙の “後に” 「正式発表」すると言う事実だ。  これでは、野党から「損失隠しだ!」と批判されて当然だろうし、私自身も、その「票取り」の見え透いた手口に唖然とさせられるばかりだ。  自民党の「票取り作戦」とは、結局、“平和ボケ政治無関心派多数の国民”から何でもいいから票をもぎ取りたい魂胆であることが見え見えであるのにとことん嫌気がさす。 選挙年齢を急きょ18歳に引き下げたのも、要するに票取り政策の一つである事は歴然だ。 
 (以上、「原左都子エッセイ集」バックナンバーより一部を引用したもの。)

 話を本日に戻そう。
 「共謀罪法案成立」テレビニュース報道の中のインタビューに市民が応えて「東京オリンピックもある事だし、早めに法案成立してよかった」なる反応もある事実に驚かされ、背筋が寒くなったものだ。

 こうやって安倍政権は、“平和ボケ政治無関心派多数の国民”から手段を問わず“似非支持”を得つつ「共謀罪」法案を強行成立させてでも「独裁政権」を続行する意向なのだろう。


 最後に、少し前の 2017.5.28 朝日新聞記事 「今はまだ岸辺漂う笹舟か」と題するコラム記事より、朝日新聞編集委員氏が綴った当該「共謀罪」に関する記述の一部を紹介しよう。

 戦前の治安維持法は、成立すると可能な限り拡大解釈された。 解釈が限界を超すと改悪が図られた。
 そうして生まれた悪法がおそるべき怪物と化していく中で、おびただしい理不尽と悲劇が起き、戦争で国は破滅した。
 今の「共謀罪」をただちに治安維持法の再来とは言えないだろうし、当時とは司法や社会のありようも違う。
 とは言え、相似形は疑いようがない。 犯罪者を捕らえるというより、捕らえたい者を犯罪者にする道具になりかねない。 「テロ」「五輪」と反論を封じやすい語に包まれて、危うい卵は参院選へ送られ産み落とされようとしている。
 (以上、5月28日付朝日新聞記事より一部を引用したもの。)


 その“危うい卵”が、本日まさに安倍政権による乱暴かつ強引な手法により、再度我が国に産み落とされてしまった…… 
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