原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、
自己のオピニオンを綴り公開します。

「手のかかる子は人の何倍も手をかけてあげたらいい。」

2016年12月07日 | 教育・学校
 表題の言葉は、本日(12月7日)放映のNHK連ドラ「べっぴんさん」内で、主人公すみれの家に住んですみれの娘さくらの面倒をみている女中頭 喜代が発したセリフである。

 つい先程昼の再放送でこの言葉を聞いた途端、我が脳裏に23年間に及ぶ壮絶な自分の子育て(サリバン業)光景が走馬灯のように蘇り、涙が留めどなく溢れた。
 まさに娘に対する我がサリバン業とは、“人の何倍も手をかける” 連続の日々だった故だ。


 ドラマの物語を振り返ろう。

 今週の「べっぴんさん」は、主人公すみれを加えた4名の仲間が立ち上げた子供服製造販売「キアリス」の大手デパート内での委託販売に備え、その準備作業に奔走する場面を中心に展開している。
 加えて今週のもう一つのテーマとして、「キアリス」メンバーの一人 良子の息子である2歳位と思しき龍一の多動行動を取り上げている。

 私見に入るが、最近のドラマでは、多動性等発達障害児が取り上げられる機会が多いように見受けている。
 上記の良子の息子も、私の診断では(今の言葉で表現するならば)まさにその傾向がある子として描いているのだろう。
 主人公すみれも幼少時代の場面では、寡黙性の発達障害児風に描かれていたと私は判断している。  発語が苦手で自分の思いを言葉で周囲に上手く伝えられず誤解を生んでいる子として、すみれを演出していると私は理解した。 ただし子供時代のすみれの場合、父親の靴を解体したり、家出したりとの突発行動に出る“勇気”があったようだ。


 ここで、原左都子の私事に入らせていただこう。

 まさに我が娘が寡黙性発達障害児(あくまでも私が名付けたものであり、そういう診断名は無いだろうが)に該当した。
 娘の場合多動性はまったく無く、その真逆で発語や自発的行動が極度に苦手だった。 我が子の場合、放っておくといつまでも“ボーっ”として何もしないタイプだったため、四六時中サリバンとして主体的に娘と関わり脳内刺激を与え続けるノルマに励んだ。
 娘が幼稚園や学校に通い始めて以降は、まさか当該組織指導者が四六時中我が子に1対1で構ってくれる訳には行かないのは重々承知だ。 そんな娘は、いつも学校から帰宅後は何の反応も無い「フリーズ」状態だった。  それを“溶かす”作業に30分程要した後は、幼少の頃より母の私には十分に懐いているため、我が子なりにある程度人間らしく蘇ったものだ。 その後は散歩に出かけ公園で遊ばせたり、自宅学習指導はもちろんサリバンの重要な日課だ。 あるいは習い事に通わせるための送り迎えをする日々だった。
 小6時に私立中学校受験を経験させた事が、娘にとって大きな転機となったかもしれない。 当然ながらサリバンがほぼ全面的に受験指導に当たったものの、年齢的にも娘本人の目標意識が初めて芽生えた時期だったと後に振り返る。 何らのコネにも頼らず娘自身が合格をゲットして以降は、高校卒業までの6年間、電車3度乗換えの登下校も難なくこなした。
 相変わらず日々積極的に我が子とかかわり続けるサリバン自宅学習指導の効果があったのか、大学には公募制推薦入試に一発合格し、4年後には無事大学を卒業した。
 そして昨年、社会人として世に出るべく就活に励んだ娘だ。 そんな我が娘は、(自らの“寡黙性”を考慮に入れ??)、紆余曲折しながらも自分の最終決断で「IT技術者」として某民間企業に採用され、この春から新卒社員の身で周囲の諸先輩達にご迷惑をかけつつも、頑張り続けている。

 
 サリバン(原左都子のことだが)の私事が長引いた事をお詫びしよう。
 
 さて、NHKドラマ「べっぴんさん」の龍一くんは多動性故に保育所から手に負えないとの理由で退園を通告された。
 その後龍一くんを育てている良子は自宅でも職場でも手を焼き、一人で悩んでいた。 (どうしてうちの子だけ、こんなに手がかかるの? 他の子は皆お利口さんなのに…)と。 
 その相談を良子の亭主から受けた すみれ家の女中氏である喜代さんが発した言葉が、表題の「手のかかる子は人の何倍もの手をかけてあげたらいい。」との “名言” である。

 この描き方に、私は感動した。
 喜代さんを演じている女優氏がそれまで すみれ の子どもである さくら を可愛がっていた風景の心情が伝わっていた故だ。 それ程までにその女優氏の さくら への接し方に、たとえドラマであれ「愛情」を感じ取れたのだ。
 
 ここでNHKの子供を扱う番組制作に一言苦言を呈するならば、特に幼少の子どもを出演させている場合、その子供の安全を第一義として欲しいものだ。
 ところがテレビ画面で見ると危なっかしい映像が多々あるのが実情。 例えば、主演女優氏が演じている傍で写っている子供に先が尖ったおもちゃを持たせ放ったらかしている、等々……
 母親を経験している人間ならば誰しも、子どもの障害の有無にかかわらず、その危険性に気付くはずだ。 すみれの子 さくらを描く場面でその危険映像を幾度もみせられ、ハラハラした事実もここで公開しておこう。


 最後に、私論でまとめよう。

 確かに良子の息子 龍一くんに関しては、こと“多動性”があるばかりに他者に対する直接的な迷惑度が大きく、養育責任者をはじめ各種専門機関に於いてもさぞや対応が困難なことと想像する。
 他方、我が子のように寡黙であるが故に他人への迷惑度が少ない子供は、集団現場で放置される傾向も否めない。 
 結局、両者共に、親である保護者が“人の何倍もの手をかけて” 育てるしか方策が採れないのが現状だ。

 それでも、喜代さんがおっしゃった「手がかかる子は人の何倍も手をかけてあげたらいい」 なる子育てポリシーこそが、確かに最高にして最善の回答であると私は信じる!

 それを実行するには、社会保障制度の充実こそが議論されるべきとの結論に至ったところで‥…、
 「カジノ法案」どーたらこーたらに邁進している国家政権に思いを寄せれば、その実現がほど遠く、望むべくもないこの国の現状こそが嘆かわしい限りだ……
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