四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき 

火~木17:30~23:30   金14:45~23:30   土17:30~23:30   日11:30~17:30

6月10日(土)

2017-06-10 18:41:07 | 芒種・螳蜋生かまきりしょうず

野上啓三インスタグラム、始めてからしばらく経ちました。
すべての魚・貝、天然ものです

6/10(土)今週~来週6/22(木)のご予約状況
6/10(土)・・・ お席あと9席です 7席です 5席です 3席です 2席です 
6/11()・・・ お席あと9席です 6席です 3席です
  6/12(月)・・・定休日
6/13(火)・・・ お席あと9席です
6/14(水)・・・ お席あと9席です 7席です 
6/15(木)・・・ お席あと9席です 7席です 
6/16(金)・・・ お席あと9席です
6/17(土)・・・ お席あと9席です 6席です 
6/18()・・・ お席あと9席です  6席です
  6/19(月)・・・定休日
6/20(火)・・・ お席あと9席です  5席です
6/21(水)・・・ お席あと9席です
6/22(木)・・・ お席あと9席です 7席です 

毎週曜日(第1週目を除く)11:30~17:30
お子様をお連れのお客様と、大人のお客様とが
一緒にお越しいただける日にいたしました。03-3356-0170
2017年
第153回 にちよう☆ひるのがみ は6月11日()11:30~17:30 [ラストイン16:00ラストオーダー17:00]

毎週曜日 は 午後2:45~ 営業いたします03-3356-0170
第21回 きんよう☆ごごのがみ は 6月16日(金)午後2:45~

2017年
6月のお休み6/12(月)19(月)26(月)

先日お客様のお仕事のお手伝いをさせていただきました。⇒主人が映っています。(3分42秒くらいから)

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おかみノート 『チチカエル』

窓を背にしたお客様はゆっくりと煙草を吸いながら言った。
「はいご苦労さん。じゃママ、今度は牛乳とガム買って来い」
階段を駆け上がってきたせいで息が弾んでいた。
千円から煙草二つ分を差し引いたおつりをお渡しした
直後のことだった。
・・・牛乳とガム?
「酒飲む前に胃に入れておきたいって言ってんだよ、なー。
 胃壁を作っとくのっていいんだよ、なー?」
お客様は隣りに座っているお連れの男性に話し掛けた。
この三週間で何度かお見えになっていたその方は
店のドアを開けて店内を見渡してから
「親父は?田舎帰ったのか?」
とすぐさま訊いてきた。
「マーマー、ほら、早く買って来いよ?」
お義父さんは一ヶ月の滞在を終え福島に帰った。
数時間前、迎えに来てくれたお義姉さんと挨拶をして
エレベーターのところで見送ったばかりだった。
「行って来いって早く。金は後で払うから」
若い夫婦だけになった店。
お義父さんはもういない。
「ほい、ほら」
そうやって急き立てるお客様に向き合って
目は合わせたまま、両足を踏ん張って立っていた。
このお客様は主人に話しているのではない。
煙草を買ってくる以上にどこまで言いなりになるのか、
私がこの店でどういう役割なのかを試しているのだった。
今、もし主人に判断を委ねたら「そういったご要望はお請け
致しかねます」というふうに言ってもらってその場は終わり
そして私はずっと “牛乳とガムをすっ飛んで買いに行く”
ことを自分で断ることもできない存在として生きることになる。
そんなのイヤだと思った。
「マーマ。いい加減怒るよ」
「・・・ません」
「あ?」
お客様は口の脇から煙を出し、灰皿にピンと一回
煙草を弾いてもう一度口に持っていった。
「何だって」
外はまだ明るい。
お客様は新宿通りに行き交う車を見下ろしながら
私の返事を待っていた。
「・・よく聞こえねーなぁ」
その言葉をキッカケに、むぅ――っと息を吸い込んだ。
「牛乳とガムは、買ってきませんっ!!!!!」
五メートルの距離では充分なほどの声で言った。
「・・・ちっ、ダメか。これはひっかかんねーか。はいはい
 わかった。じゃ、お前行って来い」
お連れの男性が走って店を出ていくのを見ていることしか
出来なかった。


翌日ランチの看板を出していると、同じビルの別のテナントの
オーナーさんが私の身体にぴったりとくっつくようにして
話し掛けてきた。
「ちょっと、あらら。聞いてないの?」
「はい?」
「看板のこと」
「え、何ですか?」
「ちょっと、やだわー。言ってくれてると思ってたのに」
「・・・何でしょうか?」
「ものすごく目立つ道路ギリギリのところに置いてたでしょう?
 開店してしばらくは他のテナントも御祝儀だからって我慢して
 置かせてあげてたのよ。ね、ほら見てご覧なさい、他の看板
 おたくの陰にみんな隠れちゃってるでしょう?それがもう
 一週間経ち二週間経ち、ずっと当たり前みたいにいつまでも
 置いてあるから、いつ退かすのかなって皆思ってたのよ。
 あーもう、○○さんが言ってくれてると思ったのに」
「・・・・どうもすいません」
「あら、いいのよ、わかってくれれば。あ、ところで
 パパさん、社長さんはもう帰ったの?」
「・・・はい」
「あーそう。もう毎日階段磨いてたわねぇ。よろしく言っといて」
「はい」
お義父さん不在が影響しているのかしていないのか
分からなかったが、これもまたけっこう辛い出来事だった。


それから二ヶ月ほど過ぎたある日のこと。
それまでも二週間に一度くらいのペースで
四名様から五名様の小上がりを使ってくださるお客様が
いらっしゃった。
やはりまた「親父さんは?ずっと見ねぇけどもう居ねぇのか?」
と訊かれた。
お会計の時だった。
背広を着ながら「お会計」と私を呼び止めた方に
金額を書いたメモを渡すと、しばらく見た後
「オレ、無いからアイツから貰って」
とそのメモを別の方にバトンタッチした。
メモを見たその方は
「あ、オレも無いからパス」
と言ってまた先ほどの方にバトンタッチした。
その動作が二回繰り返された。
私はそのメモが行き交う度にスライドして動き
お支払いいただくのを待った。
三往復目、最初にお渡しした方がお財布から
お金を出そうとしてやっぱり引っ込め、両手を
ヒラヒラさせながら
「あー、やっぱり無いねぇーッ!!」
とおどけた顔をして私を見た。
もうおひとかたのところに歩み寄ると
「オレも無ぇ――ッ!」
と言って、その宴会にいらした方が皆で嗤った。
「ママよぅ、ヒャッヒャッ。丸正カードあるからよぅ、これ出したら
 五パーセント割引にしてくれっか?そしたら払ってやっても
 いいや」
畳の上だけがどっと沸いた。
チラッと主人を見た。
目で頷いているのを確認した。
私は小上がりのお客様に向きなおり、まっすぐ立った。
「あの、もうお代はけっこうですのでお引き取りください」
一礼して奥に下がろうとしたら
「あーあーあー!ちょっと待ったちょっと待ったオレが払う
 オレが払う」
と二番目のパスの方がお財布を出そうとした。
それも無視して板場に戻った。
「ママ」と繰り返し呼ぶ声に辟易しながら洗い物を止め
レジの方に顔を出すと一番手の方が柱に片手を着き
足をクロスさせた状態で待っていた。
「そう怒んなよ~、冗談だよ冗談。冗談もわかんねぇのかよ~」
と眉根をグニグニさせながら言った。
「うち、そういう店じゃないんで」
「だからさ~分かってるって」
と言いながら支払いをしようとした。
「あの、もうけっこうですから」
と遮ったが結局押し問答の末、頂戴した。
そこらへんが情けなかった。
この矛盾した行為が商売をしていく上でいいのか悪いのか
なんてことの答えが解らないくせに悩んだりすること自体どうなのか
一貫していない自分の行動に対してすごく落ち込んだところに
顔を上げると
「じゃ、また来るからよぅ、今度は丸正カード使えるように
 しとけよ~、ええ?」
とつまようじをシーハーやりながら帰り支度を済ませた五人組が
店を出ていく様を見ていたら、お義父さんが帰ってからのいろんな
怒りや苛立ちが思い出され、そして八つ当たりも含めて
完全に、もう完全にブチぎれた。
「だから、うちは、そおゆう店ではありませ――んッ!!!」
と怒鳴り、バチ―ンと扉が壊れるほどの勢いで閉めた。
本当は扉を閉める前にこう言ってやりたかった。
「丸正カードはなぁ、三百ポイント貯まると三百円のお買い物券が
出るんであって五パーセント割引にはならないんじゃボケ!!!
セイフーのOMCカードと勘違いしてんじゃねぇぇぇ!!!!」 と。
でもなんかこれを言うと面白い感じになってしまうのでやめた。
ハァハァと息をして立ち尽くしていた。
「おあいそ」
という声に振り向くと、カウンターのお客様がニコニコしながら
「大丈夫?ちょっとは落ち着いた?僕は割引とか言わないで
 ちゃんと払うから、怒んないでネ」
一部始終をご覧になっていたようで気遣って声を掛けて
くださった。
たはーっと汗を掻きながらお会計をした。

その日の夜
「お義父さんの存在は大きかったね」
と主人に言ったらこう返ってきた。
「オレなんか一ヶ月だからまだいいよ。何十年もやってた親父の
 店を継ぐ息子は大変だよ。ずーっと“親父さんはよかったぞ”って
 言われるんだから。オレはこれからオレの店として頑張れば
 いいんだからそういう意味ではラクだよ」
そうか。
お義父さんがいなくなったこの店をこれからしっかりと
つくりあげていけばいいんだ。
牛乳や看板や丸正カードでめそめそしない。
そう決めた。


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1dayアーカイブ 2016年~2001年 6月10日のおしながき
[2016年]

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すべての魚・貝、天然ものです
毎週日曜日(第1週目を除く)11:30~17:30
お子様をお連れのお客様と、大人のお客様とが
一緒にお越しいただける日にいたしました。03-3356-0170

[2015年]



 ご予約:ご来店前にTEL頂けるとありがたいです 03-3356-0170 
営業時間 火~土17:30~23:30 日 11:30~17:30 
※webページhttp://www16.ocn.ne.jp/~nogami/は6月中になくなります。こちらのブログだけになります。
定休日 毎週月曜+第1週目の日曜日 

001002 [2014年]6月10日築地風景⇒『築地365』

[2013年]20120427nogami_03
玉子焼き、焼き立てもしばらく置いて冷めたものも人気です。

⇒『築地365』  ※『いま、築地』をまとめました。

001
[2012年]メジ(=ホンマグロ)5.6kg、真鯛3.2kg、コチ1.3kg、鱸1.8kgです。

くるま海老、あと二本となります。

017

[2011年]

⇒『いま、築地』

お通しは009

桜海老の煮干しと011 釜上げしらす[未冷凍]です。

001

[2010年]

剣先イカ、白イカのゲソとエンペラ、ともにひと塩して軽く干してあるそうです。剣先をめったに扱わない主人は、ゲソの足一本一本のしっかりした感じがすごいね、と言っていました。

⇒『いま、築地』

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[2009年]あじがおいしい季節になりましたが、キスも夏の魚ということでさっぱりとしたキスの握りはいかがでしょうか。塩とスダチを振っただけの生のキスは少しだけ締まっているけれども身の甘さも味わえて、シャリと一緒にのどを通る時には爽やかな風が吹くはず、です。

今日は佐島のタコを煮ます。(足とアタマ)

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