四谷三丁目すし処のがみ・毎日のおしながき

新子はコハダに。新いかはまだ新いかで。いくらは塩から出汁醤油漬けに。すじこも登場。新秋刀魚、ブリと、もう秋です。

トリ貝のはしり・さかり・なごり

2010-02-07 20:30:00 | 04 つきじ(いけす)

008_2 二月、登場したてのトリ貝の殻はまだ薄く、手で簡単に割ることができます。身もまだ小ぶりです。これが徐々に大きくなり貝殻も身に合わせるように厚みを増し、三月・四月頃には成長したトリ貝がネタケースに並びます。中には身の成長に貝殻の厚みが追いつかないものもあって、薄い殻のものは道具で貝を開ける僅かな力で壊れてしまい、割れた貝殻の間からはち切れんばかりの黒いトリ貝が顔を覗かす…などという光景も見ることができます。五月・六月頃にはピークを過ぎ、身は少しずつ小さくなって殻は分厚くなるいわば“なごり”に移っていきます。

 * おかみノート 『トリ貝と沈丁花』