tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

かぐや 1

2017-04-24 01:00:47 | かぐや < R >
『貴方じゃ物足りない・・・
私は全部の貴方が欲しかったのに』
突然言い出した彼女の言葉が、自分に突き刺さる・・・・

待ち合わせだと、いつもの場所で彼女を待った・・・・向かい合わせた彼女の第一声がソレだった。
暫く黙っていた彼女が静かに言ったのだ・・・・

暫く忙がしいと・・・やっと時間を作ったと連絡があったのは昨日の事だったのに、ようやく会えた彼女の言葉がソレだった・・・


カフェ・・・出逢ったのもここだ。
一面が硝子扉で覆われていた・・・今は秋だ・・・陽射しは温かだが風が冷たかったからか扉は閉めきっていた。

向こうから・・・柔らかなスカートを揺らしながら彼女が歩いて来ていた。
初めて待ち合わせにしたのも、この場所だった。
照れながら自分を見つめ急ぎ足の彼女が可愛かった・・・・


自分の居場所に苦笑いをした・・・彼女と会ったカフェに居ず、近所の公園・・・でもない。
緑豊かな この場所は、自分が住んでいる庭だった。

シェアHouseというべきか、間借りしている・・・その屋敷の庭だった。
どうやって帰って来たかも覚えていない・・・気づけば空は夕暮れの色に染まりかけていた。

フッと苦笑いをしたが、直ぐに彼女の言葉が甦り引き戻されてしまった・・・・木霊する彼女の声だけが耳に残っていた。
悲し気な笑み・・・それでも彼女だけはふっ切れていたような物言いでもあった気がした。

捨てられる事に恐怖はあった・・・だから頑張ったのに、それさえも認めて貰えずに・・・自分の言葉さえも待たずに帰って行ってしまった。
その後ろ姿さえ覚えていない・・・

振られた悲しみだけが身を凍らせた・・・全てを彼女へ向けていたのに、それも彼女には通じていなかった・・・
予感は彼を踏み留め自分の思いを繋げる努力をしたのに・・・

身に染みるほどに自分の奥深くへ入り込んだ気がした。
震えるほどに身が凍る・・・疲れるほどに涙がこぼれる・・・自分で自分を抱き締めても、一つも温かくならない不安が彼を襲った。

-貴方さえ・・・・-
ふと甦った言葉が彼を包んだ・・・泣き叫べば苦しさから離れられるのか・・・泣き崩れれば寂しさから多少の気は剥がれてくれるのか・・・
どうしたら自分を温められるのかと・・・自分に過った考えに呆れ項垂れた。

そっと自分の手が持ち上げられ・・・温かなカップを手にした。
ちょうどいい熱さに笑み、その人を見上げた・・・

『泣くのも疲れるよね(笑)』
からかうでもなく、自分を見つめる事もなく柔らかな湯気に笑み呟く人を眺めた。

『奥で飲む?皆が帰って来るのを待つ?(笑)』
『 ・・・奥を貸し・・・て・・・』
泣き顔は見られたくない・・・心配されたくもない・・・そう思えた。
笑み返した人は静かに一口すすると、先に歩き出した。

奥・・・・
ソコは住人も入らない場所でもあった・・・なぜなら屋敷の持ち主専用の庭で、皆が使える庭からも目隠しされたような作りだったからだ。

屋敷へ一度入り、持ち主の部屋から庭へ足を運ぶ・・・
この季節に咲く花だけが優しく揺れて風が舞い飛び立つように去っていく気がした。

ベンチへ座らされて、カップへ唇を寄せた手を眺める・・・こぼれた涙が一粒跳ねた。
一口飲んで自分を嘲るように微笑んだ。

『居なくなったんだ・・・・』
それだけ呟いた彼・・・波打つような自分の手・・・震えていた事に苦笑いをして優しく彼の手ごと包んでくれた。

『手離す準備をしたから?』
『したかな・・・
嫌だから・・・俺は頑張ったんだけどな・・・』
辛そうに呟く彼・・・

『捨てられる事に慣れてる・・・我慢すれば大丈夫な気もする・・・そう、自分で思ってるだろ(笑)』
『だから声も出せてる?』
そうだと口を引き・・・頷く・・・
『なんで繰り返して誰かを好きになるのか・・・・こんなに辛いのに・・・
自分で自分が分からない・・・』

『寂しくて辛いから・・・心を埋めたくて・・・人肌が恋しくて・・・貴方は探してるよね・・・時間を埋めたくて・・・

頑張る事は違う事にしてみたら?』

『一人が楽だよな・・・
君はどうしてる?特定の人・・・会った事、ないよ?』
『(笑)必要ない・・・自分の事で精一杯な気もするし・・・』
いいなと笑む彼・・・

カップをテーブルへ戻して、彼は人肌を求めた。
ギュッと抱き寄せて目を閉じた。
『辛い・・・カグヤ・・・』
『どうやって消す?』
『 ・・・・切り離して』
小さな囁き・・・すがるように顔を埋めて彼が言った。

静かに息を吐いたのはカグヤだった・・・彼の手を取ると一部屋の扉を開けて中へ招き入れた。
焦点も合わずに、何処かへ意識まで飛ばして行く彼・・・寂しさから・・・辛さから抜けでれずに彷徨うような空ろな目だった。

頬へ触れて目を合わせたが、カグヤを見ていない・・・・・
彼の服を脱がしていった・・・それでも抵抗もなく、されるがままの彼。
そっと湯へ浸らせると、優しく体を洗い始めたのだった。

頭から爪先まで・・・ゆっくりと丁寧に洗う・・・それからタオルを顔へあて彼の手で押さえさせた。
首から下げて行くカグヤの手・・・泡を彼の全身へ伸ばしていく。

全身へ巡らせていく・・・いつの間にか漏れていく彼の声音は震え、耐えるような息遣い・・・脇から腰へ・・・戸惑う事もなく彼へと向かった。
少し浮かせて洗う・・・そしてソコへカグヤの手は優しく忍ばせて巡らせた。

耐えるからか余計に小さな震えやビクつく体に苦笑いをした。
彼には湯に浸る感覚はなくなった・・・泡だけが自分を包んでいる事に気づいた。
その中で意識は戻り始めたのだと気づいた・・・何を今、求めているかを知った。

昂りはソコで止まらずに進み始めた事で思い悩む意識は自分で解放した。
息も詰まる程に体へ響く・・・やっと吐き出せた小さな震えさえ、容赦なく触れて絡ませるカグヤの手だけを感じた。

波のように繰り返す想いと似た自分の昂り・・・それは絡み付き引き離せなくなった気がした。
カグヤへ触れる・・・置き所のない状態・・・張り付き始めたカグヤの手もあった。

漏れていく自分に・・・このまま溺れていく自分を全身で運んだ。
シャワーで流されていく泡だけを眺めるしかなかった。
身へ受ける・・・・それは優しいカグヤの唇まであった。

ようやく我に返る・・・それでもカグヤの手は離れずに巡っては絡め滲み始めた自分にカグヤの手と唇で包まれていった。
力が運ばれる・・・指先へ電流は駆け巡り出した。

それは全身へ向かう・・・耐える事も許されずに吐息だけが聞こえた。
漏れた声・・・力さえ抜けていく自分の体・・・こぼれる程にと分かる・・・・

苦笑いしか出なかった・・・時間が切り離され・・・寂しさが剥がされた事に気づいた・・・・彼女が離れた辛さではなく・・・いつしか耐える辛さに切り替えされた。

もたれた自分・・・囚われた自分・・・そして波は塞き止められて苦しくなった・・・・それでもカグヤは止めずに続けた。
『イ・・・イクっ・・・っ!』
寸前で消された・・・・弾ける事も叶わず、思わずカグヤを見つめた。

耐えは彼の目を潤ませ懇願するようになったが、カグヤは構わずに集中するように見せつけた・・・
自分の姿に・・・イク事も許されずに・・・微かに震えビクつくが・・・力が抜けていて声さえままならず、辛さが走り出した。

痺れていく自分の体・・・振り絞りカグヤへ手で触れる・・・少しだけ近づくカグヤの体へ忍ばせた・・・
同時に空いたカグヤの手は全身へ巡らせた・・・少しずつ耐えた顔と知ったが自分から手が離れる事はなかった。

電気が走り抜けた気がした・・・ひくつように弾けるが、辛さは残り 耐えた怠さだけだった・・・
何故だとカグヤを見つめる・・・口を引いた・・・・ゆっくりと自分へ目を止める・・・吐き出されていない事を知った。

掴まれたままにカグヤが沈ませた・・・張り付くような・・・絡めまとわりつくような温かさに微笑んだ。
『カグヤ・・・キス・・・を・・・』

して欲しいと求めた彼・・・カグヤの笑みが近づく・・・・波が静かに押し寄せ深みへ運ばれていく・・・頬へ触れたカグヤに笑むと、返してくれた笑みは揺れと共に深く浸れと誘われていった。

息さえ苦しくて止めてしまいたかった・・・その波が押し寄せる度に戻されて荒くなる吐息に息を吹き込まれるような錯覚を覚えた・・・・
一瞬で眩しい中へカグヤが落としてくれた事を知った。

何度も跳ねる自分・・・・温かな湯の音で荒れた息遣いは消されて行った。
柔らかなタオルで流されていく・・・

怠さは取れないままに、引き出され頑張れというカグヤの声に手足へ力をこめた・・・・

ベッドに寝かされた事を知った。
タオルケットで包まれた事に笑む・・・優しい手が額へ伸びて行き来していた・・・・心が穏やかな行為だと思えた。

力尽きて動けない自分へ、優しく差し伸べてくれたカグヤに安心出来たのか、眠気に誘われていく気がした。


目覚めた彼・・・すっきりしたような気分だと思え・・・笑みが溢れた・・・
失恋して奥深く落ちた自分だったはずだ・・・その辛さは微塵もなかった事に気づいた。

胸にあったカグヤの手の温かさ・・・・今は隣にも居ないが、確かにココに触れていたと思えた。
優しく包まれていた自分だったと思えたのだ。

着替えだとベッドから立ち上がる・・・怠く体が重いと苦笑いをして、服を着るとソコから自分の部屋へと戻るのだった。



いつも通りのカグヤが朝食の準備を終えて、起き出して来た人達へ出していく。
目が合った彼が照れ笑いした・・・口を引くだけのカグヤが促す・・・彼は席につき食事をとる。

普段と変わらない彼の一日が始まったのだった。

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