tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

men's 都紫川 25

2017-03-30 08:27:20 | men's 都紫川
話題はブームとまで沸き上がり、支店話は立ち消えた・・・
回せるシェフも居ず、交代スタッフさえ・・・控えスタッフまでギリギリというほどだった。

本来なら通常よりも倍以上ゆとりが出来る店内だった。
行列は 回りからの苦情が出て本社が賄い、毎晩仕込みながら話し合い テーブルの数をフロアへ増やしていった。

時間制で一斉入れ替え・・・客は時間の予約をして入る。
遅れても延長もない・・・ルールも徹底して客を入れ替えた・・・

月や日によって出される料理は替わり、月に一度のスイーツも好評だった。
色んな変化に飛んだ特別な日もあり、それは店内だけの予約受付だった事でも話題をよんだ。

キッチンの見える店・・・誰が何を作るかも分かる・・・それぞれの場所で・・・
前菜からデザートまで・・・置いてある場所から覗けるキッチン内・・・
デザートの裏にはパティシエが居て腕を奮っていた。

中を覗く・・・徳治が全体を指揮しながら出していた事を知った。
楽しそうに作る姿に笑って指示を出していた。

デザートのブース・・・その奥から見えた姿をジッと眺める・・・
大量の食パン・・・何が出るかと想像できた・・・唇を噛み締めて席へ戻った。

暫くして笑みながら皿へ盛付け南築が持ってきた事に苦笑いをした。
微かに見える場所だった・・・長く見れない蒼一朗と知った。
サンドイッチの皿を前に押して、紅茶を運ぶ・・・

慌てながら、南築が蒼一朗を振り向かせる・・・それは一瞬だった・・・視線が重なる・・・微かな笑みに気づく・・・自然な流れで別の場所へ移動したようだった・・・

サッとハンカチを持たせ回りの視線を隠すように涙を拭く蒼一朗・・・ギュッと唇を結んで暫く耐えると少しずつ味わうように食べ始めるのだった・・・

『シドクジー・・・(笑)ギャグですかね、それとも何処かの国の言葉とか・・・』
『(笑)南築、まんまだよ全部ひらがなに。それが正解だろ(笑)』
『しど・・・しどうとくじ・・・(笑)』
『宣戦布告(笑)探すな!ここにいるだろ・・・』

『なるほど(笑)、表に出た!狙うな。・・・狙われたら同じ名で親族争いと気づかれる(笑)』
『痩せましたね(笑)それでも笑顔があって良かったです・・・。後は董二郎様の顔ですね(笑)
紐の端は見つけました・・・気づかれないように手繰り寄せましょ全員(笑)それが出来るのが蒼一朗様でしたよね』
『 ・・・』

答えない蒼一朗に言い過ぎたかと思え、目の前の分を静かに食べ始めたのだった。

不意に眺めるとサラサが手話をしている事に気づく・・・紅耶かと思い探したが、それは紅耶を共にみていたタカコだった。

悲し気な笑み・・・流れる指先・・・微かな震え・・・それはタカコもだった。
そっと涙を拭くと暫く手話を続け、数度頷くと納得したように苦笑いをして食べ始めた。

タカコの様子を見ていたサラサ・・・急に連れ出された事に驚いた・・・病室へ来た男だった気がした。
その存在も気になる・・・兄弟の一人だったのか・・・食べながらも考える蒼一朗だった・・・


南築に連れ出された事を知った柊紫郎と慶吾・・・久しぶりの休みだと遊びに出向いた。
行列の凄さに当日券は諦めた・・・店内へ入っていく蒼一朗と南築に驚いた・・・ここかと眺める二人だった。

『徳治さんだ・・・』
柊紫郎の呟きに目線を辿る・・・懐かしくて二人は笑みが溢れた・・・
フロアを一瞬眺めたがシェフ達に声をかけていたようだった。

『身内が居たんだ(笑)。交ざっていいかい?』
『(笑)テーブルは四人まで座れますが、時間は残り30分です。
ですが代金は全額となります』
どうするか問う人へ聞いてからと、スタッフと共に向かう。

互いの苦笑い・・・オーケーもでると、支払いを済ませて食べ始めた。
一つの皿を前に・・・懐かしくて眺める・・・スタッフが席へ運んできたのだ。

皆が好んで作ってくれたモノだった・・・礼を言いたいと言伝てたが、不要と返りたくさん食べろという言葉だけをスタッフから貰った。

視線が重なる事もなく皆で食べるのだった。


時間が来て一斉に出される客達・・・清掃スタッフだろう人達が入り素早く始めていた。
一番奥にある場所に居た人へ視線を止めた・・・

『董二郎・・・』
兄の呟きに振り向く・・・小さな子供を抱いてサンドイッチを持たせ、食べる姿に笑っていた。

徳治は中から笑って見返し、子は見せびらかしながら食べていた。
董二郎へ食べさせ笑って身を捩る・・・抱き着いて ねだると新たなサンドイッチを両手に持たせスタッフルームに消えて行った。

声をかけられるまで、ジッと動けずにいた蒼一朗だった・・・
耐えるように眺め・・・仕方なく背を押された蒼一朗は諦めたように店を出るのだった。


スペシャルと銘打った日だった・・・仕事帰りの人達が並ぶ・・・若者も数多く、声がかかるのを待っていた。

流れるように客は入り込む・・・グループごとに支払いを済ませてフロアへ案内されていった。

肉がメインの今日は男性客は多い・・・あらゆる調理されていたモノが、ズラリと並び食をそそるようだった。

席につけば客は 出ている料理を取りに向かう・・・皿へ盛付け席へ・・・
端には健琉が笑みを浮かべてフロアを眺めていた。
時々メインの料理を持っていく人達へ感想だろう声を貰いに行くようだった。

柚三朗と慶吾が目線を送り会釈した・・・その人が笑みながら歩いてくる。
『お味はどうですか?』
『肉質が違いますね(笑)、出来れば貴方の会社へ変更したい・・・』
『言いますね(笑)』

『貴方が撤退されたと(笑)、そちらのレストランにも行かせて頂きました・・・勝手にすみません・・・』
『いーえ(笑)。心遣い感謝します』
『皆さんで?』

『 ・・・(笑)はい、どう出されるのか気になるので・・・ついでに観光も』
『ここも貴方が?』
『(笑)お調べになって、それでも言いますか?
仕事の事は切り離して、ゆっくりとお食べ下さい(笑)』
軽く会釈すると戻って行ってしまった・・・



駐車場で・・・董二郎を見かけ車を出さずにいた。
出たくても出れず声もかけられなかった・・・誰かの腕を引き、嫌そうに帰ろうとする・・・ハルが居たからだ。

後ろ手にハルが董二郎の手を繋ぐ・・・諦めたように項垂れて、ようやく歩き出したが入り口へ足を向けるのも戸惑い立ち止まってしまったのだ。

反対のスタッフ用だろうドアが開く・・・さっき会った健琉が子供を抱いて二人の元へ行く。
ハルに手を伸ばした子供を抱き上げた事で、ようやく笑みが溢れた事に慶吾と柚三朗がホッとした。

董二郎が気づいていた事を知った・・・静かに車から出たが項垂れたように地面にしか見れなかった。
柚三朗の肩を組み慶吾に寄って二人の肩を抱いた。

『サンキュ(笑)』
その一言の意味を理解した・・・ハルの為に出なかったから・・・それしかない・・・
『話せそう?』
『気にすんな(笑)、それより・・・ちゃんと仕事頑張ってんのか?』

『してるさ・・・兄さんが何とかね・・・』
『補佐をするだけで精一杯だけど』
『(笑)それでいいだろ。大事に回せる奴もいんだろ・・・何とかなるさ。

店にはいいが・・・もう探るな・・・秘書を怒鳴って止めろ(笑)鬱陶しくて外にハルを出せない・・・
帰りたくても帰れないんだ・・・』

『こっちに戻ったんじゃなくて?』
『秘書が張り付いたからだ・・・俺よりも早く気づく・・・
蒼一朗にチクってくれ(笑)』
『 ・・・本当に後悔』
『ないよ(笑)、椎堂董二。物凄く楽になった・・・変えなかったらハルに近寄れないだろ・・・』

『兄さんが全部調べたって言ってた・・・・』
『そうか(笑)。だけど俺達は巻き込むな・・・表に出しても出さなくても・・・戻れないだろ(笑)。
だが出さないと決着はつかない・・・小山内達の動きを止めるのも、蒼一朗を助けられるのも(笑)お前らだ。

どうせ口にしないなら、下で探して集めてから蒼一朗に見せつけて決心させろよ(笑)終わらせろ』
優しい声音で話す董二郎をジッと眺める二人だった・・・

『一つだけ知りたい・・・それだけでいい』
『お、俺もだ知りたい事がある』
『んー全部で二つか(笑)、言える事なら言ってやる』
そう言うと柚三朗を眺めた。

『サラサさんは兄さんの所に来ないか?会ってくれないかな・・・』
『 ・・・互いを知るからな(笑)サラに会ったのも最近だ・・・本心さえ隠すんだぞ?(笑)俺はハルだけで精一杯・・・』

次は慶吾を眺めた・・・
『間違いでもいいから・・・蒼一朗兄さんに子供を抱かせてあげてくれない?』
慶吾の言葉に声がつまる・・・それでもと苦笑いする董二郎だった。

『俺にも分からない(笑)
二人は助け合って生きてた、相手の状況も知るだろ(笑)・・・俺が会った頃は落ち着いた頃だった・・・

徳ジィさえ驚いてた・・・それでも笑って生きてたから良し(笑)、笑えるなら全員で表に・・・で!これ・・・

だが試しだ・・・だから預ける人も鍛えてる(笑)これが俺らの真実・・・
子供は小さいしな(笑)戸惑わせたくもない・・・俺らも・・・お前らも・・・手だし出来ない場所の事だから・・・』

『兄貴・・・』
『(笑)頑張れ!鍛えたろ・・・
いつか・・・余裕が出来たら(笑)飲もうぜ・・・』
ポンポンと優しく背を叩く董二郎は、二人に笑みを浮かべ そっと離れて行った。

自分の兄の言葉・・・
『俺ら・・・お前ら・・・かよ・・・』
兄弟なのにと胸が締め付けられるようだった・・・


バタンと閉まる音に驚く・・・素早く身を潜めてた二人だった・・・
『何で出たのよ!』
『あまりに近い・・・少し離れとけ!』
『徳ジィは?』

『観察(笑)。椎堂の奴等まで来やがる・・・アオイまで手が伸びたら?』
『それは嫌だけど・・・』
『母親は、ぶれるなよ?』
『それはない・・・』

『サラサ(笑)』
抱かれた子が嬉しそうな声で叫んだ・・・
『(笑)母ですけど?』
『かー?』
『かくれんぼ(笑)する?』
『るー(笑)』

『するんだ(笑)いっか。徳ジィ・・・』
『行け(笑)』
『健琉さん、ごめんね(笑)』
『(笑)いいよ、アオイも楽しんでおいで』
『たけ(笑)ファイ!』
『おー(笑)頑張る・・・』

小さく可愛い拍手・・・それは小さくなった・・・離れたろう音・・・閉まるドア・・・そしてバイクのエンジンの音・・・

逃げ出したくなるはずだと力なく二人は地面へ座る・・・声も出ない・・・


バイクの音が近づき出した・・・自分達の車の前で停まり、佇むようにいる気がして顔をあげた・・・視線が重なり・・・悲し気な目だった事に気づく。

エンジンが停まり立ち上がって頭を下げた二人だった。
『それはもう(笑)いいわ。二人の顔で知ったから・・・
ちゃんと食べれた?好き嫌いなく(笑)食べたの?』
声に出来ずに頷く二人・・・

『えんえん?』
可愛い声がサラサの服の中からした・・・隙間から覗き呟いていたのだ。
『泣いてない(笑)、お腹一杯で声が出ないだけ』
『ふぅ~ん(笑)』
『とう?』
『ん?会った?』

『たー(笑)嬉しっ』
『そっか(笑)董二が嬉しそうで良かったね・・・』
『だ・・・・ど、な・・・』
『んー董二の弟(笑)』
『アォイ!』
笑って叫ぶ声に苦笑いをした。

『じゃ、元気で(笑)董二に会ったなら・・・何度も連絡して話したら?
ハルなら理解はしてる・・・謝罪はいい・・・久しぶりだと言うだけで十分・・・
兄弟は変わらない(笑)貴方達の兄貴でしょ・・・』

返事を待たずしてエンジンをかける・・・その間に隙間から小さな手が伸びだし手を振っていた・・・
静かに走り出したバイクに声は届かなかった・・・

自分達を心配していた・・・食事の面で・・・苦笑いしかない・・・
誰かではなく、目の前の自分達だけへ声をかけてくれたのだ。

仕打ちを消して・・・辛さまで消して・・・初めて会った笑みだった・・・優しい笑みに触れた二人は余計に辛くなり・・・暫く動けなかった。

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