tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

ひなちゃんは! 13

2016-10-12 00:31:00 | ひなちゃん! 〈Rあり〉
《 パパと遊ぶ! 》


騒ぎまくるヒナに我慢出来ず、連絡を入れると迎えにきたサクに嬉しいヒナが飛び込んだ。

大きな鞄を持ち、呆れている人へ頭をさげた。
『あ、預かります。ありがとうございます(笑)』
サクが礼をする間に、元気な声で叫んだヒナ・・・
『行ってきまーす(笑)
パパ!いこー!』

楽し気に自分でドアを開けて、車に乗り込んだヒナ。
慌てて乗り込みシートベルトをしてやった。

寂しそうに見送るユナに、母もヒロも気づかなかった。
二人は静かになると安堵していたのだ・・・



土日の小旅行気分で、楽しかったと帰って来たヒナだった。
『何処に行った?』
『んー・・・バーベキューした(笑)』
『凄いな、二人でキャンプしたんだ』

『ん?(笑) ルーちゃんも来たよ。それにキャンプじゃなくて、どっかの大きい お家だった(笑)
小さいけどプールも出してくれたよ?』
『会えたのか?』
『だれ?』
『ルナ・・・・』
うんと頷き、嬉しそうに夕食を食べるヒナを驚いて皆が眺めた。

『シュンちゃん可愛かったぁ(笑)、チャプチャプって、自分で水をかけたのに泣くの(笑)
男の子なのに直ぐ泣くんだよ・・・・えっとねぇ(笑)小さいから直ぐにびっくりしちゃうんだって!』

笑いながら話すヒナを捕まえたヒロに驚いた。
『ルナの子供って聞いたか?』
『・・・・・ん?、ルーちゃんと来た・・・』
何の事だと不思議そうにヒロを見返したヒナに皆の視線があった。

『シュンちゃんのママは?』
『 ・・・・・聞いてない』
『 ・・・・来たのはルナと赤ちゃんだけ?』
頷いたヒナに、そうかとユナは母とヒロを眺めた。



迷うように電話をかけるユナをジッと静かに待つように眺めるヒロ。
『もしもし・・・』
『どちら様でしょう・・・』
『ルナの姉よ、連絡を取りたいの』

『 ・・・・少しお待ち頂けますか?』
そう言った途端に保留音が流れ・・・暫くすると音が止まる。

『代わりました、失礼ですが・・・どちらから番号を?』
『○総合病院の救急で働いています。治療したのは私です』
そう言えば分かるだろうと、静かに耳を傾けた。

『 ・・・・・社長がお世話になりました。支払いは済ませていると思いますが・・・・失礼ですがご用件を・・・・』
『ルナと連絡を取りたいの』
『申し訳ありませんが・・・人違いでは・・・・』
『な訳ないわ、会った事はあるもの・・・隣の病院だったけどね』
『そうでしたか・・・失礼致しました』

『ルナを出して』
『申し訳ありません、私からは何も言う事はありません。
お会いした時に・・・・電話があった事のみ お伝えしておきます。失礼致しました』
『待って・・・無事よね?』
既に電話は切られ、慌てかけるが呼び出し音だけが永遠に続くような気がした。


ヒロはカケルへ電話をしたが繋がらなかった。
それでも連絡が来たのは夜遅くだった。


『どうしたの?何かあった?』
『仕事は?練習も終わってるのか?』
『大丈夫だ、ずっと音は消してたから・・・ごめん気づかなかったよ』

『すまん・・・・カケル、聞きたい事がある。ルナに最近、会ったか?』
『いや? メールはしてるけど返信は来てない(笑)いつもの事だしね・・・』
なんでと言いたげな感じに苦笑いしながらも話を続けた。

『ヒナが会えて、その時に子供を連れて来たと聞いたんだ。
何か知らないかと思ってな・・・』
『へぇ(笑)結婚したんだね・・・』
『してないだろ(笑)籍は動いてない・・・・』

『 ・・・・・・ソコまで調べてるんだ・・・弁護士で良かったね・・・』
皮肉った言い方に、フッと息がもれたヒロに気付くとカケルが笑いだした。

『兄さんは、ルーちゃんが好きなの? ストーカーみたいだよ・・・』
『心配なだけだ・・・』

『 ・・・・・もし、ルーちゃんが今迄の事を話に帰って来たら受け入れるの?』
『子供が出来てるなら仕方ないだろう・・・・』
『 ・・・・・そうじゃなくて解放してあげれるの?』

『大丈夫な男ならな・・・・』
『その大丈夫って意味は?』
『 ・・・・・』
暫く黙っていたヒロが少しずつ、静かに話を始めた。


『お前は覚えてるか?ルナが入院した頃の事・・・・』
『 ・・・・意識もないルーちゃんを父さんが連れて来た時? 』
『そうだ・・・』

『覚えてるのは少しだけだよ。
あれは嫌だった・・・入院してたのに無理矢理連れてきて、起きたルーちゃんに怒鳴ってた。
ずっと汚ない言葉で誰かを罵って・・・ 今思えば完全に影口だよね。しかも殴りたりないとか言ってたし・・・』

『 ・・・・ルナを巻き込んだ男だ。
ソイツは有名な組織の・・・・マフィアの・・・息子だった。
狙われたらしくて、ソイツの代わりに誘拐されて巻き込まれたんだ。
だから怒った父さんがヤツを殴った・・・・危険な目にあわせたから』

『 ・・・・・その人の所へルーちゃんは行ったの?』
『前から会ってたらしくてな、父さんが引き離してたんだ・・・
学校に行かず塾にも行かずだ・・・そりゃ怒るだろ・・・』

『なら、その人との子供って事?
それなら今は幸せに・・』
『違うだろ! ・・・・マフィアの中に居るんだぞ?ニュースで流れる あの危険な中に居るんだぞ?』

『 ・・・・ルーちゃんは悲しんでたって、ヒナは言ってた?
続いてたとして・・・俺が会ってたルーちゃんは悲しんでないよ?

楽しそうに、忙しそうに笑ってる姿だけだった・・・・面倒くさいって言いながら食事を作るの助けてくれてたんだ。
不幸なら絶対に笑ってないよね・・・』

『お前の前だからだろ・・・・
とにかく、そんな男から助けたいんだ』
『 ・・・そうじゃなくて、兄さんはルーちゃんを返して欲しいんだろ・・・
父さんみたいに縛り付けて家に合う人にさせる為に閉じ込めたいんだろ・・・・・・
自由を奪って・・・・ルーちゃんの幸せ奪って・・・・』

『違う!』
『兄さん・・・兄さんの思う幸せと違うと思う。俺も違ってるから分かる。

助けはいらないんだ、ただ大丈夫って言ってくれて背中を押してくれる人でいいんだ。
幸せは自分で見つけるし、自分の為だから・・・・頑張って探せるよ?』

『 ・・・・それでも』
『兄さん・・・・兄さんも自分の幸せを見つけてよ。
父さんが押し付けた弁護士だって辞めていいと思うぞ?
まぁ、好きなら話は別だけどね(笑)』

『取り合えず無事か知りたいんだ。

ルナが消えると危険な目に合ったかと不安になる。
ユナと違って話さないから、ルナに何が起きてるか見てないと心配でな・・・

ソイツはな・・・マフィアの中に居るからか、ずっと争いの中にいたみたいだ。
街の中での揉め事は、ソイツの組織が関わってた。

バイクの音でルナが怪我なく帰ったという知らせのようで・・・居ない間は緊張する自分もいたんだ』

『いい人っぽいよね、ちゃんと送ってくれてたんだ』
『 ・・・・』
『そうでしょ? 確か病院で待ってた人だよね?』
『それは覚えてた?』

『ん・・・・ルーちゃんの友達かと思ってた。
あの時・・・・・母さんが泣きながら手を引っ張ってて、何人か・・・廊下?・・・ソコにいたよね・・・凄い傷だらけだったから怖いって思った。
だけどさぁ・・・あの時のルーちゃんは、大怪我してなかったよね・・・』

『 ・・・・・・』
思い出したのだろうヒロは、言葉にならなかった。
『助けてくれたんだよね? ルーちゃんを守ってくれてた・・・そう思うけど?・・・』


ベッドに寝そべり、カケルとの会話を思い出していた・・・・

何も言わずルナを見送る姿は辛そうだった・・・・それはルナが泣くのを我慢し、されるがままに連れて行かれる姿を見ていたからかと思った。

辛いと泣くルナ・・・・何度も相談だと話にくるルナの姿が目に焼き付いていた。

全てに諦めたルナの顔を思い出した。
裏山から下りてきたルナの顔が、少しスッキリしたようで安心した記憶が甦った。

いつからか・・・完全に無くなったルナの表情の冷たさ・・・・・今思えば、同じように諦めたルナだったと思えた。

生きる為と言ったルナの言葉が木霊する・・・・
ふいに過去の記憶が甦り・・・小さな頃の、笑顔のルナが大人びて帰って来た日を思い出した。

父親は最後まで許さず、ルナに怒りながら・・・カケルへ怒りながら逝った。

『こんな時まで怒るんだ・・・嘘でも自分の道を生きろ!くらいは、親なら言ってくれたらいいのに・・・』

そう言った子供のカケルの言葉が耳に残っていた。
確かにと思う・・・・居なくなった娘の心配をせず、やっと帰ってきた娘が 全うな道に行かなかったと悔しがる父親だったのだ。

残念に思う自分の気持ちに気づく・・・・そうなりそうな自分に焦り項垂れたのだった。


月明かりに目を止めた・・・・また思い出して苦笑いをした。

むかし・・・・塾の帰りにルナと彼を見かけた事があった。
驚いたが連れ帰ろうと眺めると、嫌だと怒っているルナの声が聞こえた。

『家に入れ!』
『嫌だ!』
『遊べなくなるだろ!』
『今日は嫌だ!』
そんな やり取りだった・・・そして彼はルナを抱き締めて話をした。

『どんなヤツでも、お前の親だ・・・お前の家だ・・・・
ガキだからな・・・諦めも我慢も必要なんだ(笑)ルナがそう俺に言ったぞ?
だからだな(笑)ルナ、今は自分の部屋で夜は寝ないとな!』

『 ・・・・自由がいい』
『(笑)先の夢にしとけよ。言ったろ、剥がしてやるって。
だからルナは、俺のを剥がせ(笑)その準備をしとけよ』
『自分家で?』
『子供だからな(笑)』

『刑務所に帰るかな・・・・』
『(笑)しとけ、しとけ! 俺だって家に入るまで油断は しねぇぞ』
『ごめんね、危険に晒して・・・』
『(笑)襲われねぇぞ、素早いからな』
『(笑)気を付けてよね・・・』
『大丈夫だ、また会うから逃げれる(笑)じゃーな』

頭を撫でた彼は、静かにバイクを転がして少し行った先からエンジンをかけて走り去った。

見送った後に家を眺めたルナの顔は、悲しそうだった・・・・手を握り締めて家へ入っていく姿だったのだ。


ごめんと小さく呟くヒロ・・・・月に笑み、静かに目をとじたのだった。
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