tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

men's 都紫川 19

2017-03-25 08:10:47 | men's 都紫川
青ざめた顔で うつ向くハル・・・やっと戻れたサラが飲み物を準備してテーブルへ置き、ハルの隣へ座った。

食事はカウンターを使うが、リビングにはローテーブルしかなく謝りながら座って貰っていた。

目の前に座り二人を眺めるリョウコは、部屋を眺めながら観察をしていた。
董二朗がやって来た・・・自宅のように自分で開けて入ってきた事にリョウコは驚き、サラの様子を見ていた。

着替えを済ませ母を眺めた。
『何の確認? ・・・調べた?』
『成人してても気になる事は昔からでしょ?(笑)諦めて』

ハルがサラの手を握った事に驚いた・・・
『聞いたわ・・・ハル君は徳治の息子ですって?』
『はい・・・』
答えられないハルの代わりにサラが答えた。

『ごめんなさいね、サラさんが同棲してると思ってたから直接 徳治に聞いたの』
『すみません・・・秘密に・・・』
『徳治の過去は秘密だらけよね(笑)。ま、仕事に支障もないから気にしてなかったの』

『騙しているようで・・・失礼しました』
『ひ弱と聞いたけど(笑)それは私が怖いのかしら』
『すみません、昔の対人関係で・・・それからは初めての方へ恐怖を覚えるので・・・
誰かを知り分かれば戻るので・・・出来れば見ないふりをして頂けたら助かります』
『そうなんだ(笑)』

また解除音がして入ってきた息子に驚いた・・・着替える事なくサラの隣へ座り母を眺めた。
すると董二朗はハルの隣へ・・・

『これ(笑)私に意思表示してる?』
『はい・・・内緒にしていたのは』
『あー別に いいわ考えがあっての事なんでしょ?』
『はい?』

『董二朗が出向く場所は何処かを知りたかっただけよ。
そしたら同棲してる二人を知って・・・』
『あの・・・』
戸惑う蒼一朗に董二朗が呟く。

『ハルは徳治の息子だってさ』
『はぁ?』
息子の驚きにリョウコが笑って眺めていた。

『ん?サラサが娘だけじゃなく?兄弟だった?』
『えっ・・・姪じゃなくて?』
今度はリョウコが驚いた・・・次々と驚く人達に苦笑いをして、サラは仕方なく徳治へ電話をかけた。

『リョウコ様がマンションへ いらして・・・蒼一朗様と董二朗様も・・・
娘と息子ってバレましたけど(笑)』
『それ以外は俺に聞けと濁せ、いいな』
『はい』
何だと電話は切れたのかとリョウコが覗いた。

『すみません親子というのは内緒でした。私からは言うなと・・・ですから、知りたいなら徳治から聞いて貰えませんか?』
『分かったわ(笑)。ごめんなさいね、帰るわ』
『あ?』『ん?』
息子達が思わず呟く・・・

『ごめん(笑)絡んだ紐を直したかっただけ。じゃぁね(笑)』
話ながら言い、リョウコは帰ってしまった・・・


『何を話した?』
『何も・・・』
小さな声でハルに聞いた董二朗・・・理解したのはサラと蒼一朗だった。

『恐らく(笑)、何処に遊びに行くのか知りたくて董二朗を追ったらココと知った。
誰だと調べたらサラとハルの二人だった(笑)、で!董二朗の相手はどっちか知りたいから来た・・・って感じだな』

『ハルは話した?』
『してない。董二朗の母で部屋を見たくて来たって・・・部屋のドアは開けてあったから眺めてただけ。
椅子ないけどって謝って座って貰ったらサラサが来て、お茶を出してくれてる間も部屋を眺めてた』

『無言の威圧かよ(笑)』
『そうじゃなくて、単に董二朗の過ごす場所を見たかったんだろ。
お前がハルの隣に座れば帰ったぞ(笑)きっとな』

『あー迷わず兄貴がサラの隣に座ったから(笑)、俺らの相手が分かったから納得してか・・・』
『帰ったよな(笑)
ハル・・・強引で驚いたよな(笑)ごめんな・・・だけど母はハルを受け入れた気がする』

『な・・・なんで?怒ってなかった?』
『ない(笑)たぶん俺らの気持ちは知ってたんだろうな・・・
董二朗の相手がハルか サラサか気になったから会いに来たんだと思う。
帰りに言ったろう(笑)絡んだ紐はって・・・この座り方で相手が誰か知ってホッとしたのかも』

『董二は俺だよ?』
『(笑)だからハルを見ただけで帰ったろ・・・
それにしても・・・本当の兄弟だったんだな(笑)単に家も近くて一緒に育ったから仲がいいと思ってた・・・』

『サラだけは本当の味方だったから苦しくなくて・・・離れたくなくて・・・ごめんね・・・蒼一朗さん』
謝りながら呟くハルに笑み返して頭を撫でた蒼一朗だった。

『少しずつ父さんから教えて貰ってる・・・全部は言わないのか?』
『徳ジィが言わないしね(笑)』
『そういえば(笑)徳治を父さん・・・
内緒なら呼ばないか(笑)』

『子供の頃だけだよ(笑)皆が徳治って言うから真似して言ってた。
父さんだけど徳ジィ(笑) ・・・それでも、徳ジィは出稼ぎしてるから(笑)村の婆ちゃんとか爺ちゃん達に育てられた(笑)』

『元気かな』
『たぶんね(笑)』
『正月に帰るけどサラは帰れる?』
『ユキノ様は本家に行くからタカコも私も休みになった(笑)
お土産纏めて送って手ぶらで帰ろ』
『分かった(笑)』

ホッとしたハルに笑み返したサラ・・・グッと掴まえた蒼一朗がサラを覗き込んだ。

『な、何?』
『俺は?』
『 ・・・正月明けまで、何かあったよね・・・』
『拒否した?』
したと頷くサラを眺め、より抱き締め董二朗を見返した。

『二日のパーティしたら休みだろ(笑)。ハル・・・そこ俺は泊まれそう?』
『あー無理(笑)
自宅は占領されてるし、裏の爺ちゃんとか、婆ちゃん達の手伝いを暮れからして新年を迎えるし(笑)
皆集まるから寝場所の確保は俺さえ大変なの』

『サラサも?』
『も(笑)私は隣の婆ちゃん家にしてるけどね。今年は婆ちゃん家が大丈夫か分からない』
『ん?』

『婆ちゃん家の家族が来たら泊まれないし(笑)』
『どこに?』
『裏の爺ちゃん家か、実家?』
『ん?』
『(笑)出稼ぎで普段から留守だから、近所の人達の家にお世話になってたの。あちこちを交代で寝泊まりするほど・・・孫みたいに(笑)

それは今も変わらない・・・実家は2部屋しかなくて、一部屋は徳ジィ専用で残りの部屋かリビングでね(笑)
大人だから狭くて・・・徳ジィまで裏の爺ちゃん家に泊まって戻ってくの・・・』

『全部に広いから(笑)、部屋も庭も・・・雑魚寝してた。
今は大人になったから(笑)動けない人は来てもらって皆で年越しするんだ・・・』
『毎年?』

『行けたらね(笑)今回は約束したから・・・』
『帰りは?』
『十日まで休みだから(笑)皆の都合で決める』
『徳治は・・・』
『あー聞いてない(笑)』

『暇を作るなら年明けだ・・・年末まで入ってた。年越しのは今回はない、去年したからな・・・だから二日のパーティになった』
『へぇ』

『外部じゃなくて、完全に内輪(笑)早々に仕事じゃ休めないしな。
参加出来たぞ?』
『ん?自分で作って自分で食べるって事?』
そうだと笑う蒼一朗だった。

『サラサは?』
『 ・・・』
『いつから長期に?』
『婆ん家に一泊してから二週間・・・』
『あっ紅耶が泊まるって言ってた・・・』
董二朗の呟きに、項垂れた蒼一朗だった。
そっとハルを連れて部屋に戻った董二朗だった。


『より寒い場所か?』
『ごめん・・・暇な時に電話して(笑)』
『それは迎え?話だけ?』
『 ・・・・』
迷った・・・後の行き先は考えて居なかった・・・

『温泉巡り・・・する?』
『する(笑)』
『水着あった?』
『ん?混浴?』
『もある・・・方面なら開いてるし・・・外が殆んど・・・』

『本当は何処に?』
『スキー場に一泊、温泉街に一泊、山の麓のログに二泊の順番で・・・残りは出ようと・・・その後は決めてない』
『全部・・・一人で行きたいか?』

『貴方の予定知らなかったし・・・正月は混むから秋前に予約だけしたの。
冬はヤバいから・・・行くなら泊まれるわ・・・冬は一人分は拒否されるから』
『 ・・・・』

『蒼・・・・ごめん無視した訳じゃない・・・忙がしい季節だし変更もされてくでしょ・・・
余計に忙しなくなると、大変なのは貴方よ・・・』


そっと覗く二人・・・
『サラの正月はいつも?』
『爺ちゃん家・・・回りの家もだけど・・・不安な家族がさ・・・悪くいうと、普段は邪険にしてるくせに正月は甘えて帰ってくる事が増えてるって聞いた。

そうなると爺ちゃん達が可愛そうだから実家で寝るんだけど(笑)狭いしね・・・
サラは、後に休みが取れると本当に一泊だけして帰っちゃう(笑)
そっか・・・あちこち泊まり歩いてたんだ・・・皆に遠慮してたんだね・・・』

『ハル・・・二部屋なら余裕だろ』
『五人兄弟で(笑)二人が使ってる・・・内緒だよ?』
『 ・・・せ、狭いな』
『(笑)でしょ、全部の広さもココの半分だもん。裏の爺ちゃん家が一番楽しい・・・近所の婆ちゃん達も泊まりに来るから(笑)

サラは宿泊代って置いてくし、小遣いも置いてく(笑)それは食事で使っちゃうんだけどね』

『(笑)ハルは何で早くでた?』
『 ・・・寂しかったから・・・半分は辛くて・・・男の子が好きって一回からかわれたら、ずっとでさ・・・
お金も貯めたくて・・・サラを追ったんだ・・・だけど喧嘩してね(笑)二年位・・・・もっとかな・・・点々とね・・・』

『そっか(笑)、声にしたら楽だろうけど嫌なら声にしなくていいぞ。
俺は今のハルがいい(笑)変身してないハルのままでいい・・・
ハルは・・・まだ変身したいか?人の目・・・まだ怖いか?』

『少し平気(笑)会社の人達も理解してくれてるし・・・家に入ったら董二にも会えるし(笑)』
『離れんなよ、会社辞めて探しに行くからな。
死んだら後を追って死ぬぞ・・・傷一つ自分でも作るなよ、全部ハルと同じ事をする。
泣いたら泣く。笑ったら笑う・・・抱いたら抱く(笑) 死んだら・・・俺も死ぬ』

『董二・・・』
『俺はお前で・・・ハルは董二朗だ。
ハルの中に俺がいるように、俺の中にもハルがいる(笑)。お前が追いだしても・・・逃げても無理。

本当に逃げたくなったら(笑)一緒に逃げてやる、だから俺に必ず言え・・・どんなに些細な事でも全部。

ハルを愛した俺を捨てるな、どうせなら連れ出せよ・・・手を引くだけでいい・・・ハルと居たいから・・・俺が走るから・・・』

溢した涙を拭いた董二朗に笑み返すと腕を回して抱きついた。
分かったかを聞く董二朗の声に嬉しくて頷くハルだった。


部屋に入り損ねた・・・・蒼一朗が聞き立ち止まったのだ・・・
そっとドアを閉めてベッドに座り彼女を見つめた。

『あれはいつまで秘密に?』
『徳ジィが言うまでだと思う・・・』
『確実にサラサだけを囲うのは、兄弟関係をバラしてなかったからか?』
そうだと頷くサラを見返した。

『その不安な顔は何故だ?』
『真実に押し潰されるから・・・』
『それは誰に? 泣くなよ・・・』
そっと拭いてやると抱き寄せた。
『頼れ・・・』

『全部の鍵を開けてくれないと無理・・・・それは兄弟にも向かうはずだから・・・

少し前に・・・少しだけ教えて貰えたけど・・・それは兄弟は知らなかった。
だけど兄弟だから・・・関係もない事で潰されたら嫌だ・・・
言葉のナイフがハルを指したら嫌だ・・・利用される事も・・・無理・・・』
『 ・・・』

優しく撫でた蒼一朗・・・自分の知るべき事があるのに話せない・・・
椎堂グループと徳治の関係を知らない・・・ふと過ったが違う可能性もあった。

『サラサは知りたいか? 俺が父さんから聞いてる話とか・・・
必要に迫って・・・俺らに話してる事がある・・・それはサラサにも関係する。
面倒だが小出しにしか教えて貰えてない・・・

母さんが俺達の関係を知った・・・気になると声にする・・・たぶん、父さんも言うだろう・・・
徳治さんは全部を話しては いないだろうが・・・

俺は・・・どうせ知るなら曲がりなく知りたい・・・だから・・・知ったら・・・サラサに聞いていいか?』

フーと息を吐いた彼女・・・聞く準備なのだろうと思えた・・・ならばと自分の意思を固めたのだった・・・