tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

かぐや 31

2017-06-06 20:25:07 | かぐや < R >
部屋に戻り身綺麗にして水を飲み込むカグヤ・・・眠るハルトを眺め苦笑いをした。
手でカグヤを探すのか、ベッドを擦る動きをした事に可笑しくて眺める・・・飛び起きて酔いが回るのか項垂れながら奥のベッドへ戻ろうとした。

そっと抱き止められたハルトの動きが止まる・・・震えなくハルトに優しくキスを落とした。
『何処でシャワーした?』
『ココ』
『遅いだろ』
『お待たせ(笑)。抱いていいか?』
『ん・・・』

ベッドへ押し倒して口付けるカグヤだった・・・ゆっくりと撫で巡る事でハルトの声が漏れていく。
痺れていく自分・・・焦がれていた自分に笑みが溢れた。

全部に巡る・・・優しい手が自分を包む温かさに満たされていく事が嬉しかった。
いつもより深く、より荒く張り付くカグヤだった・・・
待たされた分の返しには余るほどに落とされていく事に酔いしれた。

息の辛さに構わずに絡める・・・駄目だと違う身へ跳ね落とされていく・・・全部にカグヤが居て熱ささえ貰えた笑みは全身を駆け抜けるように散りばめられていった。

自分へ口付けるカグヤを捉え笑み合う・・・弾けても迎える事に酔いしれた。
休ませろと笑うカグヤに仕掛ける・・・謝り笑うカグヤを落としに向かった。

熱さが増しビクつくのも構わずに求めていった・・・それも自分のだと言いたくて自分へ取り込むように絡めたハルトもいた。

沈ませ深みへ誘う・・・耐えて先にイカせ、待たずに送り込む・・・張り付きも止まらずに全部が足りないと思える程に落としていった。
唇を這わせ優しく包む・・・自分と交ざる笑みに照れてキスを落とした。

余りの状態に身動きも出来ず眠り込むハルトに呆れ、諦めたカグヤも深い眠りへ落ちていった・・・


『ん?カグヤ?』
『あとでな・・・』
『だけどコレ・・・』
『ハルトが頑張った結果だろ(笑)。それよりカーテンは閉めとけ・・・眩しくて起きたろ・・・』

『ごめん(笑)。俺、酔っててもカグヤを抱けたんだね物凄く怠くて焦った・・・何か凄い嬉しくて起きたんだ。
コレのせいだね(笑)ちょー幸せ!』
呟くハルトに可笑しくて寝ながら笑うカグヤだった。

『シャワーしたい』
『動けるなら(笑)してこい』
『ん(笑)』
勢いをつけたハルトが、唸り声を飛ばしてベッドに沈み込んだ。
軋む体・・・怠くて震える体に驚いた・・・

『これは参りました(笑)』
『諦めろ』
『カグヤも?』
『寝たいんだ、二時間も寝てないぞ・・・』
驚いて時計を探すハルト・・・確認して驚き、納得してカグヤを抱き込んだ。

『幸せー(笑)だけどさ・・・』
笑うカグヤは仕方ないと、ハルトに触れて下がり始めた。

見事に昂りは甦り焦りながらもカグヤに苦笑いをした。
自分の思いが嬉しくて、素直な自分にも笑ったのだった。


ゆだりそうな状態に可笑しくて、ハルトがカグヤを連れ出した。
剥ぎ取った状態に笑うが、眠さには勝てず奥へ押し込んで新たな深い眠りへ落ちていった。

珈琲の香りに目覚めたハルトはカグヤを探した。
庭を眺め飲みながら考え込んでいたカグヤの姿を笑み見つめていた。


『カグヤ?』
思わず呟くハルト・・・何だと言いたげにハルトを見返した・・・
不安そうな声音にカグヤは一瞬、驚いた・・・前に無意識に、辛そうに誰かを呼んでいた声と似ていたのだ。

笑みながらハルトのそばに行き彼を抱き締めた。
『どんな夢だ?』
『ん?見てない・・・カグヤが消えそうだったから焦った(笑)』
『(笑)寝惚けたのか・・・』
『あー(笑)カグヤ惚け?』
『何よりだ(笑)』
照れながら笑うハルトを強く抱いた。

『ハル・・・』
『ん?』
『生きろよ(笑)』
『カグヤが寝惚けた?』
『(笑)ずっと抱きたいから誓え』
『それは俺だろ?(笑)俺が抱くんだぞ?』
『あぁ(笑)誓う・・・ハルは生きろ・・・』

『例えば・・・抱く日が無くなったら?』
『自分じゃなくなるだけだ・・・静かに終わらせる・・・それが夢だったから』
そう呟いたカグヤに驚き・・・そういえばと前に聞いたカグヤの言葉を思い出し、レンの言葉を思い出した・・・

『(笑)俺の中にカグヤが居たんだった・・・俺はカグヤを生かさなきゃ』
『頼んでいいのか? 辛いなら出していいぞ・・・』
『ごめん(笑)時々、忘れちゃうみたいだ・・・当たり前が増えたから・・・』

『ハル(笑)愛してるぞ・・・』
『俺もだ(笑)』
『寝とけ・・・』
『起きたら(笑)抱くぞ?』
『頼んだ・・・』
笑みながら力が抜けていくハルトだった・・・






『(笑)ハルト・・・・良かった・・・』
ヒロの呟きに笑み返したハルト・・・身動きしずらい自分に驚いた。
慌てるように飛び込んでくる人達に、何だと顔を引きつらせヒロを見返していた。

声も上手く出ない・・・何でだと怖くて不安になった・・・カグヤの姿が無い事に余計に辛くなった。
『ハルト!寝るなよ、頑張ったら連れてくから。カグヤさんの所に連れてくから!』

連れてこいと叫べない・・・理由が知りたいのに声が出ない・・・カグヤに会いたいのにと戸惑いが先に走った。

少しずつ落ち着く自分・・・それは睡魔が襲う・・・怠さが襲う・・・それが余計に怖くてヒロを探した。
今の日付を聞き、ずっと寝ていた事を知った。

涙を溢したハルトに優しく拭いて目を合わせた。
『覚えてた?』
ゆっくりと瞼を閉じて返事の代わりをしたハルトに苦笑いをした。

繋ぐ手に力が入った・・・
『連れて行きたいけど、ハルトは動けないだろ・・・
レンが生かす為にそばに居てくれるよ(笑)ハルトに会わせたくて。
だから頑張ろ・・・』

検査は続き同時にリハビリも始まった・・・
その間に知りたい事を書き留めて行く・・・戸惑うように答えるヒロもいた。

見覚えのある人が、ヒロと一緒に見舞いだとやって来た。
未だ声も出ないハルト・・・自分に拒否したように兆しもなかった。
だから諦めて筆談にしてヒロは会話を楽しんだ。

珈琲の香りに笑みながらハルトは嬉しそうに飲んだ。
『一口だけの許可なんだぞ(笑)』
『高浪さんのが一番美味しいてすね(笑)』
ヒロの呟きに笑みながら頷くハルトもいた。

-カグヤは大丈夫?-
『(笑)大丈夫だよ』
『歩けるようになりましたか?』
-も少し-
『そうですか(笑)ハルト不在は大変でしたよ。挽回して貰いますから頑張って下さいね』

-ヒロ、レンさんは?-
『仕事だよ(笑)、そこに助っ人もあるから来れないんだ・・・』
-カグヤは居ない?-
-もう居ない?-
-俺の中にカグヤを置いたままで、会ってないから-
『助っ人って言ったぞ?』
立ち上がるヒロが怒りながら言い、静かに病室を出て行った。

-高浪さん、本当の事を教えて下さい-

フゥと息を吐く高浪はハルトを見つめ笑み返した。
『誰も知らないんだ。
君が入院して暫くして姿を消してしまった・・・ヒロと君を残して・・・
費用は払われてる・・・二人へも月々入金されてる。

まぁオーナーという立場は変わらないし、店長も同じだよ必要なやり取りは出来てるそうだ。
姿が見えなくなった・・・それだけだ』

-カグヤは生きてますよね?-
『ハルト君が探してくれますか?
(笑) 君ならカグヤさんも姿を見せてくれそうだ・・・』

-会いたいと伝言を頼めますか?-
読んで分かったと頷く高浪が帰っていった。

謝りの手紙を書くハルト・・・それを看護師に託して眠るハルトだった。

痛みを堪えて身をまるめ眠るカグヤの姿があった・・・泣きたくて・・・逃げたくて・・・ジッと耐えるようにいたカグヤ・・・

悲しくて起こされるまで、それが夢とは想えないほどにリアルだった。
ヒロと連絡しあい二人を探す・・・繋がりの合った人達の姿まで消えていた事に驚いた。

その先へ少しだけ繋がるが、ハサミで切られた糸は力なく動きを止めたように無くなった。

会いたくて空を眺める・・・一緒に見た夜空の気がしただけで嬉しかった。
それでも寂しくて涙が溢れ、そっと謝り続けるハルトだった。

無理やり繋ぎ止めたのは自分だった・・・詰め込んで返せない事に辛くなった。
生きてて欲しくて祈る・・・負けた自分が悔しくて謝った・・・
何より痛みが取れてるように祈るハルトもいた・・・

『カグヤ・・・・』
一人呟くハルトの声が悲しく響いた・・・驚くほどにリアルな光景が甦る・・・交じる花の香り・・・痛みを耐える声・・・

-月に帰れたんだよ-
医師の笑み・・・ホッとした自分・・・そして自分にくれた言葉・・・

涙が溢れた・・・硝子越しに見えるカグヤの姿があった・・・優しい笑みは何度見ても自分だけにあった。

生きろというカグヤの声が響く・・・自分の中で温まり頑張ると誓う。
すると余計に笑みが可愛くて、もっと見ていたいとジッと見つめるハルトだった・・・